プロジェクト紹介:ハマナス先生〜花から学ぶ復興の形〜

先日の遠野会場アイデアソン/ハッカソンでスタッフを務めた関です。

そこで生まれたプロジェクトの一つ、「ハマナス先生」に参加していたので、このプロジェクトについて解説をさせてください。
今回の震災は、人間だけでなく動植物にも影響を与えました。特に、根浜海岸などに生えていた「ハマナス」という植物は多くが流されてしまったとのことです。しかし、芽が出始めているところもある。人間が住んでいた地域はがれきで壊滅的な状態で変わり果てた姿になりましたが、建築物が無かったような地域は元の形に戻るのも早いそうです。
花や植物の写真と発見した位置情報をDB化し、植物が自力で復活する記録から復興のあり方を考えようというのがこのプロジェクトです。

以下は、このプロジェクトの発起人である、佐藤清忠さんから頂いたメッセージです。

プロジェクト名の「ハマナス」の花は、鵜住居「宝来館」のドキュメントTV放送の最後の場面で、宝来館の女将が、3月末に海岸に芽を出し始めたハマナスを発見し、 

「花だって、こんなに、一生懸命なんだ…」 

と、つぶやくシーンを、思い出したのです。 

ハマナスには、波にのまれ、ひどい状況になっても、その地にとどまり再生していく強さがあることを、あの放送で知りました。 

ハマナスの花言葉のひとつに、「美しい悲しみ」があります。 

ハマナスのこの花言葉、また花の生命力に、三陸沿岸一帯に住む日本人の持つ自然観、地域の力を連想するのは、私だけでしょうか。


ハマナスの花が咲くのは、盆の頃です。 

ハマナスが、沿岸一帯に咲くたびに、そこに住む子どもたちは、1本、1本、花を数えます。
そのとき、かつてこの地に一緒に生きた仲間、強い地域の絆があったことを、思い出してもらいたいのです。 

そして、その絆の大きさが、年々広がり、ITを通じて世界の人たちにも見えるようになってもらいたいのです。 

この取組みが数年間にわたり継続し、「花の絆」が広がっていく様子は、何年たっても祈りを抱いてくじけない、この地を守る子供たちがいることを示しています。 

ハマナスの英文名は「Japanese Rose」です。まるでこのプロジェクトを実施するために、命名されたと思いました。

そろそろお盆ですね。今年はハマナスの花はどれくらい見つかるのでしょうか。

このプロジェクトは、システムを作るというよりも、コンセプトを広く伝え学校関係者やNPO、研究者などのネットワークを作ることを目指すプロジェクトです。共感された皆様がおりましたら、友人、知人などにお伝えいただけましたら幸いです。
ホームページ作成など、プロジェクトに参加したい方ももちろん大歓迎です。

連絡先は、スライドの最後にかかれております。皆様のご声援をいただけましたら幸いです。

※宝来館は釜石市根浜海岸にある料理宿で、文中の女将は、自身も津波に流されそうになりながらも、宿泊していた旅行客や従業員全員を無事避難させました。その時の映像がテレビなどでも紹介され有名になった場所です。津波が去った後の孤立状態も、宿にあった食材やがれきの下のお米などを頼りに、道路が復旧するまでの孤立状態を皆で協力して乗り切ったそうです。早ければ10月復活を目指して活動中だとのことです。
http://houraikan.jp/
http://twitter.com/horaikan

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