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Hack For Iwate 第3回アイデアソン

こんにちは。
Hack For Japan Vol.3をオーガナイズした遠野まごころネット企画チームの高橋和氣です
今回は、「Hack For Iwateの新年会」を行いたいねと、Hack For Japan岩切さん、@リアスNPOサポートセンター(以下@リアス)鹿野さんと話をしていたことを受けて、日程調整し、1日目は大槌町、2日目は釜石市、それぞれ2011年末にオープンした仮設商店街のコミュニティスペースを使って、被災地には雇用を被災地以外には情報をテーマにアイデアソンを開催することにしました。

1月14日:音楽スタジオを作りたい!計画会議
被災した大槌北小学校のグラウンドに建設された仮設の「福幸きらり商店街」。
もともと地元にあったお店が中心となり、39店舗が入っています。駐車場込で東北最大級とのこと!



この中に、地元のNPO等の団体が集うコミュニティスペースができています。名付けて「きらり駅」。無料乗り合いタクシーの停留所で待合所も兼ねています。このブースは、遠野まごころネットのスタッフが常駐し運営しています。今後は、広く、大槌町のまちづくりを考えてゆく、様々な支援団体のコラボレーションの場になっていければと考えています。


今回の主題ですが、前回のHack For Iwate 2でも話題となりましたが、「仮設ネットカフェと音楽スタジオの融合はどうだろう?」ということの深堀が今回のメインテーマです。
http://blog.hack4.jp/2011/10/hack-for-iwate.html参照)
いわゆる「IT系」でない方々にも来ていただき、ブレインストーミングしました。

初めて参加された方々もいらっしゃったので、まずは、岩切さんより、

  • Hack For Japan
  • Hack For Iwate

http://www.slideshare.net/iwakiri/hack-for-iwate-vol3-20120115-11075387
(この議事録内の冒頭)の説明
それに加えて、Hack For Iwateのメンバーもリンクしている

の説明をしていただき、情報共有。
そして次にはじめての方々を中心に、自己紹介タイム

中でも、熱くスピーチ(30,40分ぐらいかかった???)してくださったのは、和Ringプロジェクト 代表の池ノ谷さん。
埼玉出身で、今回の震災を機に、各地でボランティア活動を行い、その中で、もともと東京で親しくなっていた釜石出身の青年の「地元のために頑張りたい」という想いを後押しすることもあり、和Ringというガレキで作ったキーホルダーをつくっています(詳細は公式サイトで)。
地元の方々と親しくなり、大槌町の役場近くに「この土地を使ってよいから!」と土地を確保、これから、瓦礫の廃材を使って、ここにガレキキーホルダーの工房をつくる予定です。
また、東京や世界でDJを行っていたり、野外パーティーイベントを主催していた経歴も持っています。池ノ谷さんと話す中で、作ろうとしている工房の隣に、地域の方々が集まれる「カフェバーを兼ねたライブハウス」をつくり、今後の「まちづくり」を考えられる拠点にしたいとのことです。

この和Ringプロジェクトにご夫婦で参加されてる、佐々木秀樹さんも、前回のHack Forから引き続きご参加くださいました。秀樹さん自身も被災され、現在は紫波町在住、ご実家は、大槌町で一番大きい和野の仮設団地にお住まいです。NPO吉里吉里国のウェブサイトを手掛けてもいます。(吉里吉里国、復活の薪では、ログハウス造りを今後は展開。遠野まごころネットも一緒につくりあげてゆこうと思っています)

また、被災前からある地元大槌のNPO「ぐるっとおおつち」から、震災後にサポートメンバーとして入っている千田さんもいらっしゃいました。
ほぼ地元の方々で構成されている「ぐるっとおおつち」の震災後の活動は広いです。
まず、パーソナルサポート。仮設/在宅の生活に不自由されている方々に向けて、同行支援などを行い、今後は、家事の手伝いを通して、生活者のニーズを発掘し、後方支援に繋げてゆく活動を行ってゆく予定です(遠野まごころネットの生活支援チームが協働してゆく予定)。
それだけでなく、現在、「おおちゃん人形」という、被災された方々のための手仕事づくりをしています。この手仕事、今後は、地元の特産品を使った食材や、大槌ブランドを広める木工品など、新商品開発に着手しようとしています。
サポートメンバーとして入っている千田さんは、京都出身。「ぐるっとおおつち」では唯一の地域外メンバーです。今回のテーマ「音楽スタジオ」に絡めて、千田さんは、「大槌を世界に発信する音楽イベントを開催するのを考えてみたい」とおっしゃっています。

遠野まごころネットからは、今回が初めて、という「現地活動組」の面々も。

奈良寿昭さん⇒「フライパンダ」代表(兼、遠野まごころネットの大槌お茶っ子隊リーダー)
愛知県出身で、6月からの長期活動。夏場のハエ除去「フライバスターズ」をつくったり(思い返せば、避難所でのハエが物凄かったものです)、大槌町でのカフェ隊を編成、自身の巨大カステラ作りイベントもそうですが、様々なイベントをコーディネートし、自由な発想で様々なアイディアを創出しています。
地元の方々が集まって溜まり場となりコミュニティが生まれる「仮設音楽スタジオ」についての発案者です。

佐々木康太くん⇒(このとき)遠野まごころネット物資班リーダー、(現在)まごころネットの企画チームに移行中。元バンドマン(楽器何でもできます。そして、実家(遠野)には手作りでスタジオを作っちゃうほど熱い)、元システムエンジニア(Web系)、奈良さんとともに、「音楽スタジオ」計画にノリノリなヤツです。

■この日の主題:音楽スタジオをつくるためのブレスト!
このように、「ITで支援」という枠組みを飛び越えて、「大槌町で活動している支援者たち」を絡めて、スタジオをキーとして、どのようなものがニーズとしてあるのか、自由にブレインストーミングしました。

石巻のロックフェスのように募金や協賛を集め、また、そこで募った音楽機材をもとにして「音楽スタジオ」づくりに繋げる、というアイディアや、イベント時にUstreamで中継しながら募金を募ったり、気候的にちょうどいいかもしれないからプロも呼べる「本格的な収録スタジオ」を目指すのもいいかもしれない、、、などなど、様々なアイディアが出てきました。

ただし、地元に今必要なものは雇用なので、雇用を生むためには何ができるのか、という話になり、地元にはカラオケができるところがなく、内陸まで歌いに行っている状況なので、スタジオにこだわらず、まずは「音を存分に出せるたまり場づくり」から進めようと決めました。

【シナリオ】

  1. 簡易な環境で音を存分に出せる場所をつくる
  2. そこが「音楽好き」の溜まり場となる
  3. その溜まり場でワイワイする中で、音楽イベント開催案が浮上するのもいい
  4. 音楽イベント実施に合わせて将来プランを作る
  5. ライブハウス兼カフェバーをオープン

ステップ1【音を存分に出せる場づくり】について

  • カラオケルームのような感じ
  • 場所を確保し、コンテナを使い、フリーで使える楽器などを集める
  • そこを管理できる(常駐)地元の方を探し出すこと



こうした場づくりで、ITでサポートできること…として、「Ustreamで現場を配信し続け、日々の状況をお伝えしてゆく」だとか「FacebookやTwitterで情報を拡散させてゆく」といったことができるのではないか、と話し合い、この日は終了。
現地活動組で「地元の人たちを巻き込んでいきましょう」と準備を進めてゆきます。


その日の夜は…
釜石復興支援プロジェクトのキッチンカー屋台村で親睦会。
http://www.kamaishien.com
釜石の中学生たちの縄張り争いの話など、ローカルネタに花が咲き(笑)



1月15日:Hack For Iwateの2012年活動を考える!

2日目、場所を変えて、11月下旬に釜石の青葉通りにオープンした仮設商店街で開催しました。ちなみに、@リアスの鹿野さんの本業のお菓子屋さん「玉泉堂」もこの中にあります。





そして、この商店街の入り口におしゃれなコミュニティルームがあります。こちらの運営を任されているのが、@リアスNPOです。
名前は仮称「KAMAISHIの箱AOBA」。@リアスが震災前に地域コミュニティづくりの拠点をつくっていた“かだって”にちなんで、「Cadatte」となずけ地域コミュニティをつくっていければと鹿野さんは話していました。今回は、USTREAM中継も行いました。機材は、キバンインターナショナルさんからの提供とのことです。


ミキサー内蔵のスクーターで、音声入力4つ、映像入力4つ(一つはPCモニタ用)。
今はとても寒いので出張は難しそうですが、春から、「三陸の情報をお届けする」ために大活躍していきそうです。

昨日から引き続き参加している西条さんご夫婦
佳泰さん 
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/feature/morioka1325374309901_02/news/20120104-OYT8T00970.htm
震災を期に、故郷のために働きたいと、釜石に戻ってきて起業しました。後述していますが、釜石ラーメン発祥のお店「新華園」の3代目(継いでいないのですが、釜石の方々から、そう弄られていますw)。釜石で立ち上げたのは、ウェブ制作会社で、後には、地元雇用の創出も視野に入れています。
パートナーのさやかさんは、@リアスで展開する事業で、復興するお店のインターネットショッピングのプラットフォーム作りに参加してゆく予定です。
釜石復興の原動力になってゆくでしょう!

そして、盛岡から佐々木均さん(きんぞうさん)―前回から参加、釜石出身の桝澤さんにも来ていただきました。(そしてツイッターで参加してくださったSuzuryoさん)。
(紹介の扱い、薄くてスイマセンw 次回以降、ガンガン出番がありますし!)

この日の議題は、

  • 岩手県のデータセンター見学会
  • 三陸イベントカレンダーをつくる。
  • 三陸復興マップをつくる。
  • 今後のネットでの情報共有方法について

それぞれ、以下のような話になりました。

・岩手県のデータセンターツアー計画
今回の地震で、盛岡で震度6だったのですが、それでも全く問題なく運用できたデータセンターがあり、そこに預けていたところの業務にも支障は出なかったのですが、そのこと自体の報道はされていません。
陸前高田市役所のデータは、盛岡のSIerにバックアップ用のデータがあったため、復旧がスムーズだったこともあります。
今後の災害時への応用という意味でも、こうしたデータセンターの視察ツアーを実施し、岩手県内外のIT関係者に来てもらい、ワークショップを開くことに意義があるのではないか、と。
この話は、盛岡でお仕事をされている桝澤さん等に調整してもらい、今後、実現に向けて検討してゆこう、と話し合いました。

・三陸イベントカレンダーをつくりたい
被災地外にいて、わかりづらいのが「いつ、どこで、どのようなイベントが行われるか」ということ。被災地内でも情報共有ができておらず、イベントの日時が重なってしまうことも多々ありますし、イベント実行の1週間前とか、3日前に「告知」することも多々あります。
既存の「IT勉強会カレンダー」の運用例を参考にして、三陸のイベントを可視化する、「三陸FANイベントカレンダー」づくりに着手しよう、と。
これは、盛岡在住のきんぞうさんに作成してもらい、遠野まごころネット等々の団体が運用で協業することで、発展させてゆこうと話し合いました。

・復興したショップを可視化したい
こちらも被災地域内外問わず、見えづらいことなのですが、「どこで、どのような復興拠点が作られているのか」把握しづらいことがあります。例えば、被災前⇒仮設店舗⇒本店舗と、これからも店舗は移動することが
様々な団体や個人が、個別個別でマップは作っているものの、メンテされず止まっていることも多々あります。
三陸イベントカレンダーと絡めて、この可視化も行っていこうと考えていて、Hack For Iwateの第4回目はOpen Street Map Hackathon となりそうです。



・今後のネットでの情報共有について
Hack For Iwateの日々の情報共有は、Facebookで行っています。
「IT関係者」のみならず、現場活動している人達や、被災地にいなくても被災地を応援したい人達とも、コミュニケーションを取ってゆけるプラットフォームを作りたいよね、という話になり、

の3つを作ることに。



こうして、2012年の活動のために状況整理をして、今回話し合われなかったことも含めて、それぞれのプロジェクトを定期的に進捗確認してゆきましょう、として、今回のHack For Iwate、終了しました。

<進捗確認の担当>

  • 音楽スタジオ計画:高橋
  • 滝観洞リスタートプロジェクト:松田彩さん
  • 三陸イベントカレンダー&復興ショップマップ:岩切さん、きんぞうさん、西条さやかさん
  • データセンター見学会:桝澤さん

今回の議事録まとめ
http://www.slideshare.net/iwakiri/hack-for-iwate-vol3-20120115-11075387


余談ですが、1月15日の昼食は再開した中華の新華園で。
ここは、西条佳康さんのご親族のお店で、釜石ラーメン発祥の地です!
新華園に限らず、色んな地元のお店が再開しています。「行ってみたいなぁ」と考えている方、ぜひ、三陸おいしいものツアーを組みましょう☆


ではでは。
3月中旬には「オープンストリートマップ」のワークショップ、4月にはHack For Iwateの全体報告会などもワイワイと開催を考えています。岩手、いいところなので、皆さま、お誘いあわせの上、お越しください!

Hack For Iwate メンバー高橋和氣(遠野まごころネット企画チーム)

「復興ボランティア情報交換会@石巻」from Hack for Japan (Tokyo) 12月17日(土)、18日(日)の実施について

Hack for Japan スタッフの冨樫です。

震災から9カ月が過ぎ、3月から全国の皆さまとインターネットでの技術支援からアイデアソン、及びその周辺支援に活動の場を広げて参りました。
私自身も青森、岩手、宮城、福島と各地を訪問し、様々なご意見を頂戴しましたが、各地域での諸問題は全てが同じではありませんでした。

現地ではニーズも細分化し、様々な形での支援の輪も繋がりつつあります。
根本的な支援もさることながら、雇用、教育、コミュニケーション分野、その他まだまだ課題は山積みでありつつも、まだ皆さんで出来ることがあると感じています。

遠く関東圏から現地の支援を考えてきましたが、ここで今、現地に伺い、ディスカッションすることでシーズを拾い、現行のプロジェクトにも改良を加えるきっかけにもなればとの思いからバスツアーの実現に漕ぎつけました。

経済産業省 (ネットアクション事業)と三菱総合研究所の協力により、実現しています。

有意義な会とすることを願いつつ、皆さんのご応募をお待ちしております。(募集終了致しました)
※Hack for Japan スタッフも同行致します。

■スケジュール
※交通事情により変更の可能性はあります。

出発:2011年12月17日(土曜日)23:00@東京駅(丸ビル前)
↓ 45人乗りバスにて移動(二人がけの席に1名を予定)
仙台駅前着 23/18(日)7:00頃
  • 各自朝食
仙台駅前発 8:15
石巻市河北総合センター着 9:30
  • 休憩
10:00~12:00 石巻災害復興支援協議会との交流イベントⅠ
  • 現地ボランティアの方と調整中の内容です。
12:00~14:00 交流イベントⅡ ランチミーティング
  • 首都圏等で支援活動を行っている方から支援策や現行のプロジェクト、これまでの活動、提供しているツールなどを発表。被災地の皆さんに感想を伺い、意見交換を実施。
石巻市河北総合センター出発 15:00
到着 22:30頃 @東京駅(丸ビル前)にて解散

■募集人数
15名 (応募多数の場合、増席など調整)

■交流イベント会場
石巻市河北総合センター(ビッグバン)
〒986-0102
宮城県石巻市成田字小塚裏畑54番地
TEL : 0225-62-1120

■応募方法
12/12: 定員に達したため募集を終了致しました。
下記を記載の上、entry_netaction@mri.co.jp にメールしてください。

  • お名前(よみがなを付してください)
  • 連絡先メールアドレス
  • 日中連絡のつく電話番号
  • 出発時(12月17日)のご年齢(傷害保険加入にあたり必要となります)
  • ご所属ボランティアグループ名
  • ご所属企業名・部署名
  • 現地の方にお聞きしたいこと、ご自身が発表なさりたいことなど、交流イベントについてのご希望

※個人情報の取り扱いが必要になりますので、直接、三菱総合研究所の窓口となるメールアドレスへの連絡となります。
※傷害保険は、事務局(三菱総合研究所)にて加入手続きを行います。

■参加費
無料
※ただし、12/18のランチ以外の飲食は自己負担となります。

■ネット環境
残念ながらありません。各自ご用意頂ければと思います。

現地で意見交換したい内容やこういった話が聞きたい、話したいなどご意見もお待ちしております。鋭意希望に沿える様調整したいと思います。

  • 被災地での支援活動を通じて感じ取られている被災者の方々のニーズ
  • 被災者や支援者が、今、困っていること
  • これから、必要になると思われること
  • 今後も長く必要な支援

など


Q&A

  • そのまま現地に宿泊する者もいても良いか。
    • OKです。事前に申し込みメールに記載して下さい。
  • 現地で、Hack for MIyagiの参加者も合流できるか。
    • OKです。石巻のビッグバンに直接いらして頂ければと思います。事前に連絡を頂けると尚ありがたいです。

■お願い

  • 後日、参加者の皆さまには、簡単なレポート報告を頂きたいと思っています。今回参加出来なかった方の為にも情報共有の意味も込めて、伝え、残していきたいと考えています。
  • 当日または後日、三菱総研のスタッフによるインタビューも予定しています。依頼があった場合は、なるべくご協力ください。
  • 翌週、Hack for Japanで「不忘年会議」と題して飲み会も予定しております。振り返りも含め、皆さんで大いに談議し、明日につなげたいと思います。

Hack for Japan スタッフ 冨樫 俊和

@リアスNPOサポートセンターでのスキャンスナップの利用事例

2011年7月22~23日に開催した、Hack For Iwate@遠野まごころネットのイベントがきっかけとなり、株式会社PFU様よりスキャンスナップ@リアスNPOサポートセンター(以下@リアス)さんに寄贈されました。今回の釜石への帰省で、どのように使われているのか、事務局長の川原さんに取材させて頂きました。

(2011/10/11)

@リアスNPOサポートセンターとは
そもそも@リアスは、2004年に、釜石の街づくりを推進するために設立されました。震災前の主な活動として、岩手県土砂災害防止法に基づく住民説明会の実施や、釜石市の委託事業として釜石市内の空店舗を利用して街に賑わいを取り戻すためのプロジェクトまるごと情報発信ポータルサイトと、リアルフリースぺース「かだって」の運営と、「かだってタイムズ」の発行をしていました。

@リアスは津波避難ビルにある

震災の日は、釜石市健康福祉センターの8階で、新潟県のNPO法人都岐沙羅パートナーズセンターから講師をお招きし、セミナーを開催している最中だったそうです。隣の釜石市のぞみ病院に、講師の方と共に避難。その後、解散した後も、川原さんと代表の鹿野さんは、そのままのぞみ病院にとどまり、エレベーターが使えないため入院患者さんを内陸の病院に搬送する手伝いなどをしながら、3月一杯過ごされたとのこと。

釜石市との業務契約が後1年残っていた、2011年4月。市からは、釜石のために動いてくれるのであれば何をしてもらってもかまわないと言われ、様々な復興支援活動を進めています。

スキャンスナップは欠かせない
「スキャンスナップをどういう風に活用していますか?」という質問に「どうもこうも、これが無いと仕事が回らないです。そもそも、震災前からユーザーでしたので、パソコンの次に欲しいものでした。プリンタよりも。」とのこと

@リアスNPOサポートセンター 事務局長 河原さん

とにかく、震災以後、@リアスさんに求められることが多岐に及び、かつ活動範囲が広がっていくばかり。そのため、どんどん書類が増えていく一方。紙の書類を持って、あちこち移動するのは不可能なので、スキャンスナップにかけ、データをタブレットに入れて出かけるスタイルで、スタッフ一同活動をしています」とのこと。契約書以外の文書は全て、スキャンスナップにかけられているそうです。

活用例1:チラシをスキャンスナップにかけ、情報を欲しい方に、メールに添付してお知らせ
例えば、今、釜石・大槌では、色々なイベントが企画・実施されています。その情報は、チラシ、つまり印刷物で回ってくる事がほとんどなので、スキャンスナップにかけ、情報を欲しい方に、メールに添付してお知らせするようにしているそうです。

活用例2:仮設住宅のアセスメントの報告業務で大活躍
岩手県復興局からの依頼で、釜石・大槌地区の仮設住宅の住環境の調査を実施されたときには、仮設団地毎に、手書きで調査票を書き、それをすぐさま県に送らなければならなかったそうです。調査票は、全部で1000ページ弱になり、これをFAXで送ったら、通信費だけでも馬鹿になりませんし、3日以内に送らなければならなかったそう。速さという意味でも、本当に助かりましたとおっしゃっていました。

チラシを電子化してメール配信

大量の調査票を電子化して省力化

活用例3:自分のメモもスキャンスナップにかけて、振り返る

河原さん個人としては、いろいろ考える際に書いたメモ書きもスキャンスナップにとっておいて、移動先で振り返ったり、電話のメモなど、移動している仲間との共有にも使っているとのこと
以前は、別の会社のスキャナを使っていたのですが、それに比べて、読み取り速度が早く、サイズがバラバラでも読み取ってくれるので、それが便利とおっしゃっていました。

今度スキャンスナップに期待したいこと
A3がとれたら完璧!なので、是非出して欲しいとおっしゃっていました。

@リアスは、釜石市が海で働く人が避難できるように建てた通称津波ビルの中にあります。
ビルの周りや、ビルそのものも、津波の爪痕が、まだくっきり残っています。

岸壁に乗り上げた貨物船
@リアスから貨物船へは徒歩5分ほど

その中で、釜石や大槌の街づくりを支援する活動をしているNPOがあり、毎日4人フルで活動されている事が、釜石を離れて暮らしている人間としては、とても心強く思いました。
そして、その活動をスキャンスナップが、裏方としてどっしり業務を支えていました
1台寄贈いただいた後、もう1台買ったぐらい、この事務所ではみな、ヘビーユーザーで、川原さん自身は、一家に1台あってもいいぐらい便利なものだと、大絶賛でした

大活躍の ScanSnap S1500

多忙な@リアスさんに代わり、レポートさせて頂きます
株式会社PFUさま、寄贈いただき、本当にありがとうございました

写真 (@リアスNPOサポートセンター取材)

Hack For Iwate
岩切晃子

www.sinsailaw.infoが出来るまで

Hack For Japan のプロジェクトとして、東日本大震災 通知・事務連絡集 というサイトを構築・運営されている高橋さんから、プロジェクトの立ち上げの模様と現状について寄稿いただきましたので掲載させていただきます。

www.sinsailaw.infoが出来るまで

高橋 悟史 (Hack for Japan)

1. 弁護士有志の方々の想いと活動
3月11日の東日本大震災後、弁護士有志の方々は被災地の直接支援も含めて様々な活動をされてきました。その活動の中で、地方自治体が住民の方からの相談を受ける際に、中央省庁からの通常の法令やガイドラインを参考に対応をされていたのですが、震災後に各省庁から様々な震災対応の法令、ガイドラインが発行されていることが周知されていない状況がありました。各省庁のホームページでは震災対応の法令やガイドラインの情報は発信されているのですが、情報は省庁単位に別々のページで公開され、ある特定のトピックについて省庁をまたがった閲覧や情報の検索が出来ない状況でした。
この問題を解決するために弁護士有志の方々で、各省庁のWebサイトを見て、省庁から発信されている法令、通知などの情報をExcelスプレッドシートにまとめる作業が始まりました。ただ、発表をExcelに書きこむだけではなく、その内容のサマリーを識者の観点でワンポイント解説として加えました。一見難解な省庁の発表内容もワンポイント解説を見ることで内容が理解しやすくなります。

2. IT技術者と弁護士有志の方々の出会いとサイト構築
Excelスプレッドシートにまとめた情報は600を越え、この内容を情報を必要としている人に届ける方法についての検討が行われました。数百もの情報をWebページにして公開するのは手作業では膨大な手間と時間がかかるため、当初はExcelファイルをそのままWebサイトに貼りつけてダウンロードしてもらったら良いのではないかという考えもあったそうです。ですが、Excelをサイトに貼りつけただけでは参照性も悪いですし、検索エンジン経由の検索も難しくなります。
そこで、弁護士有志の代表の方は、Webサイトの作成についてYahoo! JAPANの方に相談しました。Yahoo! JAPANの方はHack for Japanの活動を知っておられたので、スタッフの関さんを紹介してくれ、そこからHack for Japanに相談が来ました。
Hack for Japanの関さんと大垣さんで、早速スプレッドシートからWebサイトを生成する方式の検討が始まりました。ExcelをGoogle Docsにアップロードし、Google DocsのJava Script APIとGoogle Sites APIを用いることで、スプレッドシートの各セルを読み込んで、Google Sites上のページコンテンツに変換することが可能なことが分かりました。この時、プロトタイプは2日程度で完成したようです。

3. サイト構築と技術的な課題
スプレッドシートのセルを読み込みGoogle Sitesのページを生成するプロトタイプが完成し、その後の作業を私が引き継ぎました。プロトタイプの段階ではAPIを活用することでスムーズにページが生成出来ると考えていましたが、実際にサイト全体を整備する中で幾つかの技術的課題に直面しました。幾つかの課題は技術的に解決出来ましたが、リリースまでの時間と使っている技術の制約で解決出来ないままリリースに至ったものもあります。

3-1. Google Apps Scriptではあまり長時間かかる処理を実行出来ない
Google Docsのスプレッドシートを数百行処理してHTMLを生成しようとするとスクリプトが途中でハングしてしまうことが、開発中に分かりました。Google社に問題として報告して解決して頂く方法もありましたが、サイトの早期リリースを優先し、データを100行単位で処理するようにスクリプトを修正しました。あまり格好良くない解決策ですが、最終的なサイトの内容には影響させないで済みました。

3-2. Google SitesのSub Page Listは表示順序をカスタマイズ出来ない
http://www.sinsailaw.info/mhlw のような省庁別の通知・事務連絡リストはGoogle SitesのSub Page Listという機能を使っています。単純で使い易い機能で、フォルダとコンテンツを階層構造で配置するだけで下位階層のコンテンツをフォルダ別に並べて、アコーディオンのオープン・クローズ機能も自動で付けてくれます。ただ、この機能を使った場合にはリストの表示はページのタイトルで自動的にソートされてしまいます。弁護士有志の方々からの要望としては、日付順にコンテンツが並んでいるということだったので、各コンテンツのタイトルには通知・事務連絡の発表日付をyyyy/MM/dd形式で追加することで日付順に並べるようにしました。

3-3. カスタム検索の実装
Google Sitesにはサイト上を任意の検索キーワードで検索する機能が標準であります。弁護士有志の方からはサイト検索に加えて、任意の省庁名と日付範囲で通知・事務連絡を検索出来る機能が要望されていましたが、これはGoogle Sites外(例えばGoogle App Engine)でのアプリケーション開発が必要になり、時間がかかるということで、今回のリリースでは見送っています。実際にはカスタム検索が無くてもある程度サイト検索で検索結果の絞り込みが出来ますので、利用上の不満にはなっていないと判断しています。

3-4. Google Sites上のコンテンツのGoogle検索エンジンへの登録
www.sinsailaw.infoをWebマスターツールに登録した後に、サイト上のコンテンツをテスト的に削除、変更、追加を繰り返していたところ、検索エンジン上に登録されているコンテンツと実際のサイト上のコンテンツに差異が出来てしまい、検索されても表示出来ないという状況が発生してしまいました。結果的には、検索エンジンのクローリングによってサイトの最新の情報をインデックス化するのを待つことで状況は解消されましたが、この点については私が検索エンジンのクローリングのメカニズムを良く理解していなかったための誤算でした。リリース後はリンクやURLに影響するページ名の変更などはおおがかりに実施しないように気をつけています。

4. 当サイトの意義と利用状況
おかげさまで、9/16にYahoo! JAPAN様の震災情報サイトからリンクを頂き(http://info.shinsai.yahoo.co.jp/#33083)サービスをリリースしました。リリース以来1244人のユニークユーザーにサイトを訪問して頂いております(2011/10/24集計)。毎日およそ50人程度のユーザーがサイトを利用してくださっています。
www.sinsailawa.infoが想定しているユーザーは地方自治体に勤務する職員の方です。職員の方は住民の方にサービスを提供するために法令や省庁からの通知を参考にしているわけですが、今回の震災で様々なな特例が出てきていることが周知されておらず、最新の情報が伝わっていません。場合によっては、最新の情報を職員の方が知っていれば、住民の方に支援が出来るようなケースでも情報が伝わっていないために支援が出来ないケースが発生しているわけです。www.sinsailaw.infoのサイト内検索あるいはGoogleからの検索で特定のキーワードにヒットする省庁からの法令や通知の情報を参照して頂くことで最新の情報に基づいた行政サービスが実現出来ると考えています。

5. これから同様の活動をする人へのメッセージ

5-1. 難しく考えすぎないこと。必要な要件を最低限満たす形でひとまず作ってしまいサービスを公開すること
当サイトでも解決出来ない技術的な課題が残りましたが、まずはコンテンツ、サービスをユーザーに届けることを優先しました。
エンジニアとしては自分の理想像を追求したくなると思いますが、Webベースのサービスでは後からサイトの仕組みを作りなおすことは比較的容易なため、ひとまずリリースしてから修正するという考えで取り組んだ方が良いと思いました。

5-2. 利用者にとってのメリット、効果は何か、一番重要なことは何かを考えること
これについては、今回は情報を収集してくださった弁護士有志の皆さんがニーズとウォンツを把握されていましたので、エンジニア側は技術面だけを考えれば良いという恵まれた状況でした。直接ユーザーの声を事前に聞けない場合には、サービスを公開した上でユーザーの声をコメント欄などでフィードバックしてもらうという手もありますし、アクセス数の変動を監視して、サービスの改善の効果を測定する方法もあるでしょう。

5-2. 使ったことのある技術を最大限に活用すること
技術的なチャレンジは多いに結構ですが、特に震災対応という観点ではリリースまでのスピードがサービスの利用価値に直結します。誰かが実装して実績がある(Proven)な技術、自分が使い慣れた技術を使うことでリリースまでの時間が短縮出来るでしょう。

Hack For Iwate ~仮設住宅でのネットカフェ設置に向けて~

2011年10月15日(土),16日(日)

いざっ!遠野へ!
そろそろと秋の足音が聞こえ、足早に深緑が赤や黄色の鮮やかなグラデーションに彩られていく季節。
北海道では昨日初雪が観測されたという。

今、仮設住宅はどうなっているのか。
コミュニティは機能しているのか。
個の生活になり、情報の流通が課題だと聞いた。
寒さへの配慮はされているのだろうか。

「仮設」その名の通り、仮に設営された仮の住まい。
せめて被災地の方々が、本当の生活を取り戻すまで、インターネットを通じて支援または応援できることはないだろうか…
そんな思いがまた、Hack For Japanスタッフの心を突き動かした。
前日から、休みをとって車で向かう者。
夜行バスで、早朝の遠野に到着する者。
私は、前日の業務があり、始発の新幹線で向かうことにした。

14日の深夜、遠く東京から遠野の地で同じ思いを持った仲間に出会える期待に胸が熱くなり、ろくに睡眠も取らずに朝を迎えた。

朝5時、寝袋を携えて、仲間の待つ遠野へ発つ。いざっ!遠野へ!

10月15日 遠野まごころネット
岩手県遠野市。遠野駅からほど近い、遠野福祉センターに本拠地を構える 遠野まごころネットさんの協力を得て、会場をお借りし、15名の仲間が集った。
午前中はあいにくの雨。
すぐ横の運動場では、子供たちが元気にサッカーの試合をしている。それを見守る保護者の方達。
世の子供たち全ての未来を、希望を守らなくてはならないと静かに願う。
体育館には畳が敷き詰められ、支援物資の倉庫、ボランティアの方々の宿泊施設としても提供されている。
廊下には、様々な張り紙が張られている。応援、感謝、再来、感動…
さらにプライバシーの無い中で多くの規律を求められ、共同生活の難しさを感じたのは私だけではない。

1110150905

1110150906(1)

頭の下がる思いでいっぱいになる。

打ち合わせ開始
四角にテーブルを囲んだ会議室で、誰と言わずにお互いの挨拶が始まる。
参加者が少ない中では、相手を十分に知るプロセスを踏める時間が生み出されるのがメリットでもある。

一通りの挨拶の後、プロジェクターに活動資料や主要サイトを映しながら仮設住宅の現状を報告頂く。
 岩手復興センター 鹿野さん
 •仮設住宅の現状
 •現在の構想
 •他の地域での事例
 •移動式ネットカフェ
 •情報レンジャー for 助けあいジャパン
 •宮城県仙台市宮城野区のがれきの中に設置された「みんなの家」の現状
 •青葉通りの奥に設置された 復興まちづくり住宅

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続いて
 釜石出身のスタッフ 岩切さんから釜石の現状を伝える。
 •釜石一番の繁華街が津波に教われ飲屋街が壊滅状態に。
 •釜石の居酒屋は現在、養老乃瀧とつぼ八のみが復活。
  復興は赤提灯から。そこにいると誰かに合える場になっているとつけ加える。
 •65歳以上の人口が31%
 •このイベント開催当日も釜石で祭りが開催されていると告げる

ここから議論は、右に左に様々な方向へと話題が風向きを変える。
 •お年寄りにもインターネットの便利さを伝えたい
 •子供向けのコンテンツも必要
 •ネットショップを開設してビジネスを立ち上げるきっかけにもできないか
 •マンガ喫茶からDVDをいただけないか
 •セキュリティも考えないと
 •パソコンの使い方を教える人はどうする?
 •教える人の教育も必要ではないか?
 •タブレットの方がお年寄りや子供への導入は容易い
 •Yahoo!のGyao!の上映会はできないの?
 •インフラの導入まで考えるのか?
 •Googleの「みんなのビジネスオンライン」が無料で使えるかもしれない
思いは一緒だが、複雑に絡み合っていた。

一旦、休憩。その間に、具体的に課題整理をし、今回取り組むポイントを3つ決める。
1、インターネットに興味をもってもらうためのコンテンツ
2、インフラに必要な物
3、教育分野と雇用

再開
1、インターネットに興味をもってもらうためのコンテンツ
各自ポストイットで思いついた案を付箋紙に下記、下記のようにマッピングして張り付ける。
 縦軸 Child → Young → Adult → Senior
 横軸 楽しい → 役に立つ
30余りの案が出ただろうか。続いて、案をグルーピングする。
 •機能として活用できる案
 •ツールとして活用できる案
 •イベント企画案
 •ホームサイトに載せておきたいもの
 •技術的に必要な物

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5つのカテゴリに分類し、午後は、ここから細分化していくことにする。

2、インフラに必要な物
こちらについては、アイデアだしはできるが、他団体でも想像できるので今回のスコープからは外すこととした。

3、教育分野と雇用
 •技術力のある人が住み着く必要性
 •教えるスタッフを教えるスタッフの必要性
 •専門学校の学生、高校生、パソコンクラブの中学生などボランティア参加者がインストラクターに
 •「お茶っこ隊」にその役割を持つことを検討する for まごころネット
 •雇用部分は、可能であれば、雇用を生んでほしいという議論に

ターゲットをIT慣れしていない人たちに置くことで、それほど高いスキルは必要ないこととする。
まずは、インターネットに触れるきっかけ作りがネットカフェの役割であろうと結論づける。

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昼食
岩切さんの母上からの差し入れ、ちらし寿司、松茸飯ととさんまの煮物、デザートのぶどうまで大量に頂く。
遠慮無くおいしく頂いた。
腹が減っては戦はできぬ。ごちそうさまでした。
おかわりして、ごめんなさい。おいしかったんです。

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急遽!視察団結成!
昼食後、参加者からの提案で、「百聞は一見にしかず!」みんなで、仮設住宅の状況を見に行きませんか?!
満場一致!
具体的策を練る前に、午後は視察団を結成する運びとなった。
当然、全員参加。

遠野希望の郷「絆」
 •木で作られた壁や廊下が印象的
 •コミュニティ足り得るサポートセンターも
遠野市が東京大学や県立大学の協力を得て整備していた震災被災者のためのコミュティーケア型仮設住宅。

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空はすっかり晴れ、車に乗り合わせて、大槌町に移動。
山間のぐねぐね道をこんこんと湧き出る眠気と車酔いに耐えながら峠を越える。
鮮やかな紅葉がひととき心を和ませる。救いだ。
(画像)

大槌町。
メディアにたびたび露出される建物を目の当たりにする。
こんなところまで…
宮城、福島、八戸と巡ってきた私も津波の高さに声が出なかった。

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まごころ広場うすざわに到着。
現在は、縮小されたがまだまだコミュニティ広場としての役割は重責。
外国の方も多く集っていた。医院、薬局も設置。

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さらに奥、和野っこハウス(大和ハウスの協力住宅)に到着。
大槌町で一番住戸が多い仮設住宅とのこと。

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行ってみて初めてわかることの多さ、雰囲気、インフラの未整備…
課題は山積みだ。
 •男性のサポートセンター活用が少ない(あまりセンターに出てこない)
 •建物毎wifiが遮断される

この日はここで解散。

帰路ついでに、暗くなったが大槌町の役所、釜石の貨物船、地盤沈下した港に立ち寄った。
復興に進み始めているエリア、まだまだ復旧が必要なエリア…
さらに深く考えさせられる一日となった。

10月16日 さらに 遠野まごころネット
薄曇り、時々…雨…
昨日のカテゴリ分けを掘り下げる議論。現場を見てきて、まず集まるきっかけが重要と知り、特に重点ポイントに。
これからの冬に向け、さらに外出が億劫になる。吸引力が必要だ。
インターネットがここの家では使えないが、もともと利用していた人もいる。
いくつかのアイデアスクラップとビルドを行うことになる。
参加者は、昨日の半分が入れ替わりつつも11名の仲間が参加。

ネットショップを開設し、地元の商品を販売したい。
 Google ビジネスオンラインの仕様を検討した。
動画を配信することをきっかけにインターネットに興味を持ってもらうことがいいのではないか?
 コンテンツの著作権、放映の可否確認を宿題に残した。
共通のコミュニケーションツールはどうする?
 まずは、メールグループ設定。
 Facebookも活用のコアになる。
教育は、どうする?
 Highリテラシー層を確実に押さえ、その周辺、そのまた周辺へ伝播しながら教育を兼ねる流れが自然だ。
 出来るものは、どんどん発信し、コミュニケーションを取ろう。

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テーマ、カテゴリ議論に加え様々な議論の飛び交う中、また本日も岩切さんの母上の料理を馳走になった。
誠にカタジケナイ…しかし、本当においしかった。

2つのテーマ
午後は、薄い雨の中、2つのグループにわかれ、ディスカッションが行われた。
1、セキュリティと利用マニュアル
2、インターネットカフェに必要なコンテンツ

2時間以上に及ぶ議論。
真剣に、そして深く、まとめあげていく。

1、セキュリティと利用マニュアル
 •PCは、システム的なツールを利用してログイン管理
 •Yahoo!ツールバーなどの導入
 •セキュリティソフト
 •Yahoo!きっず で子供たちを守る
 •マニュアルは、必要
 •たたきを作り、必要最低限にまとめる
 •PCの貸し出しと合わせて自己責任の明確化
 •タブレットの方が導入は容易いが、セキュリティ担保が困難
 •個人メールなどのひも付けをさせない仕様にする

2、インターネットカフェに必要なコンテンツ
 •PCのホームに必要な物 Facebook、Twitter、YouTube、などのショートカット
 •イベント 動画の鑑賞会をキーに人を集める
 •マニュアル作成自体をイベントにする
 •タブレットには、おすすめアプリ、ゲームなど
 •Facebookなどが利用できる人が、周辺を誘い、徐々に低リテラシー層にリーチする

発表が終了し、個々に意見を述べる。
私自身も最初何が出来るのか、戸惑った。しかし、さまざまな分野に長けている方が
集まることで様々な問題解決に近づいた気がする。

まだまだ、道のりは険しい。
カフェのオープンの準備の時には、再びこちらを訪れることを心に誓い、遠野を後にした。

ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
また、近いうちにお会いしましょう!

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Hack for Japan スタッフ 冨樫 俊和

「プロジェクト ディスカッション」開催のお知らせ

先日のHack for Japanブログ「これまでのHack For Japan、これからのHack For Japan – スタッフからの報告と提案」で書かれております「レビュー強化」のために、現在活動中のプロジェクトを見直すイベント「プロジェクト ディスカッション」を9月27日(火)に開催します。

詳細は以下をご覧ください。プロジェクトで活動中の方、Hack for Japanに賛同されている方などのご参加をお待ちしています。

<プロジェクト ディスカッションの目的>
震災から半年を機に、現状のプロジェクトが「震災復興に使われるものを開発しているプロジェクトなのか」を問い直すことが目的です。

ニーズやユーザー像などを明確にしてみる、プロジェクト参加者以外の人からの意見を聞いてみる、プロジェクトの問題点を洗い出し話し合ってみることなどを通して、被災者、被災地にとってのプロジェクトの価値を参加者一同で確認します。

結果として、みなさまの貴重な時間を割く善意ある活動を、より有効に被災者、被災地に向けたものとしていきたいと考えています。

<参加していただきたい方>
―現在Hack for Japanにてプロジェクトを進行中の方―
プロジェクトの現状についてお話しいただくことがこのイベントでは重要です。お忙しいとは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご参加をお願いします。

―Hack for Japanの活動に賛同されている方、ボランティア団体、被災地の現状にお詳しい方―
進行中のプロジェクトについて、ぜひご意見など伺いたいと思います。またプロジェクトに関して「有益な情報を提供できるかもしれない」という方のご参加もお待ちしています。

<プロジェクト ディスカッションの内容>
現在以下のようなイメージを想定しています。

―プロジェクト ディスカッションの数日前まで―
別途、Google Docsを利用したプロジェクトシートを公開します。活動中のプロジェクトの参加者は、プロジェクトシートに記された項目に沿って、内容をご記入ください。

―プロジェクトシートは事前に目を通す―
プロジェクト ディスカッション参加者は、開催までにプロジェクトシートに目を通しておき、意見や質問をまとめておいていただければと思います。またプロジェクトシートに目を通した上で、プロジェクトに対して有意義な情報をお持ちの方は、当日、ぜひご発表ください。

―イベント当日―
プロジェクトシートに沿って、プロジェクトの代表者にプロジェクトについてお話しいただきます。発表時間は10分間の予定です。
その内容を受けて、イベント参加者は、プロジェクトシートも参考にしながら、プロジェクトについての意見・質問などを投げかけてください。ここではHack for Japanスタッフも参加します。

時間も限られているため、「課題をクリアにして、そのためのアクションを決めることのできた時点」をイベントのゴールにしたいと思います。イベント後も進捗を伺うために何かしらの方法を考えます。

※運営内容の変更・追加などのお知らせついては、随時、Hack for JapanのTwitterやFacebook、メーリングリストなどでご連絡します。

<プロジェクト ディスカッションの開催日時>

日時 9月27日(火) 18:30~21:00
場所 日本マイクロソフト 品川本社 31Fセミナールーム C/D
定員 60名

※参加者は人数を把握するためATNDにて参加表明をお願いします。
http://atnd.org/events/20224

※USTも予定決まり次第ご連絡します。

これまでのHack For Japan、これからのHack For Japan – スタッフからの報告と提案

3月11日の東日本大震災の発生から、半年が経過しようとしています。

震災の強い衝撃、混乱の下で産声を上げたHack For Japanも、活動開始から、ようやく、そして、早くも半年が経とうとしています。

この間、多くの人々の自発的な協力や参加に励まされ、促され、Hack For Japanは歩みを続けてきました。

Hack For Japanとは、震災からの復興を継続的に支援するための、IT開発を支えるコミュニティです。*1

こう宣言し取り組んできたこれまでの活動をどう捉えるのか。次の6カ月にどう立ち向かうのか——。

スタッフ同士で、オンライン・オフラインでの議論を行いました。

この議論は、Hack For Japanがこれまで実施してきた取組み(*2)、そして、そこから誕生した各種のプロジェクト(*3)を振り返って行いました。

本当に被災地や被災者に役立つ成果を送り出せたのか。
役に立つべきプロジェクトは継続しているのか。
いや、そもそもそれは現場の人々に求められるようなものだったのか」。

議論は、重苦しい問いかけから始まりました。

「(支援を求める人々に)胸を張れるような成果が、決定的に足りない」「出発点の想いや、被災地や被災者への想像力が働いていれば、いまのようであるはずがない」「(現場ではなく)自分たち自身が主役と思い込んできたのではないか」「これまでのやり方は変えよう。変えるべきだ」。

Hack For Japanに期待を寄せてくれている多くの人々、貴重な時間をやりくりしてイベントに参加してくれた諸氏、そして、オンラインで活動を注視してくれている人々に、十分な成果を果たせていないことへの反省や苛立ちのコトバが飛び交いました。

一方で、「コミュニティという点では、他にないものが形成されてきた」「被災地を含めてIT業界周辺では少しずつ活動が認知され、期待も高まっている」「被災地でのイベント開催に手応えを感じた」との肯定的な意見。

また、活動方針をいたずらに厳格化することで、参加者やスタッフ自身の負荷を上げてしまう副作用への懸念も提示され、「成果を実現するためにも、認知や間口を広げる活動は必要。アイデアソン・ハッカソンは役割を果たしている」という意見も投じられました。

スタッフ面々の想いは、活動を見守ってくれている多くの人々の評価のように「否定」と「肯定」の間で揺れ動きました。

この議論を通じて導き出した、いくつかの提案があります。

以下簡略に、協力者、そして注視してくれている多くの方々と今後に向けた方向性を分かち合いたいと思います。

  1. スタート時の想い、「震災からの復興を継続的に支援するための、IT開発を支えるコミュニティ」を育てる取り組みを継続したい
  2. 推進するプロジェクトに対し、「それは現場のニーズにどう役立つものか」との視点でレビューを強化し、問題意識の風化を阻止したい
  3. その意義を体現するプロジェクトは、積極的な協力を通じてこれを育てていきたい
  4. 同じような想いで活動する諸団体との交流・協力関係をこれまで以上に積極的に築いていきたい

上記を踏まえ、スタッフ間で作業を分担、そして各方面からの協力を仰ぎながら、具体的な行動へと踏み出していきます。

特に、2.および3.の「レビュー強化」「支援強化」は、スタッフの反省と今後の成果期待の点で重要視するところです。

具体的には、これまでのアイデアソン・ハッカソンの実施スタンスではややもすると希薄化しがちだった「被災地・被災者の視点」を、企画段階から重視したい。

さらに、上記2種のイベントの間に「プロジェクトワークショップ」(仮称)を設けます。

現在、遂行中のプロジェクトは、この「視点」を、進捗状況と併せ、この場でぜひ共有しましょう。建設的な意見はもちろん、時に厳しい意見も交わしたいと思います。

最初の「プロジェクトワークショップ」は9月27日(火)に開催予定です(詳細は近日中に告知予定)。

これまでのHack For Japanから、これからのHack For Japanへ。
想いを新たに走り出したいと思います。
これまで以上のご協力、ご期待、そして痛烈なご意見をお寄せ下さい。
Facebook公開グループ「Hack For Japan」(*4)にもぜひご参加下さい。

あの日から半年目の今日
スタッフ一同

Hack For Japan 仙台会場(7/23・7/30) 開催レポート

Hack For Japan 仙台会場スタッフの菊池と申します。
私は仙台市在住の大学院生で、仙台会場の取りまとめをしております
小泉さん(@koi_zoo1)のお誘いでアイデアソン・ハッカソン両日のスタッフを
務めさせていただきました。
仙台でのHack For Japanは5月21日、22日に引き続いて2回目の開催となります。
今回の仙台会場は「未来を担う学生たちとコラボレーションを!!」という方針を掲げ、
仙台の学生ITコミュニティのSTDIO.S(Student Information technology
Organization for Sendai)と共同で開催いたしました。
結果、アイデアソンでは22名中6名、ハッカソンでは17名中4名の学生に参加して
もらうことができ、アイデアソンでは親子で参加された方がいるなど、他の会場以上に
幅広い年齢層の方に参加してもらえたのではないでしょうか。
当日の模様はUstreamアーカイブから確認することができますので、お時間の
ある際に是非ご覧ください。仙台会場のTwitterアカウント(@hack4miyagi)を
同時にご覧いただくと、当日の臨場感が味わえると思います。
全体の感想としては「震災時だけではなく、日常使いも可能なアプリケーションを」
というテーマで進行したことから、どのグループも個性的で利用者が手に取りやすい
アプリケーションを作ることができたのではないでしょうか。
また、アイデアソンで必要技術の絞り込みまで行えたことから、ハッカソンでの
作業時間を多く確保できたほか、技術に長けている方が他のチームの補助に
回ったり、デザイナーの方が十分な時間をかけて作業をすることができたことも
プラスになったのではないかと感じています。
ハッカソン終了後の記念写真。皆さん、良い笑顔です。




7月23日: アイデアソン
アイデア創出の専門家、アイデアプラント代表の石井力重さん(@ishii_rikie)を
司会進行役にお迎えして進行していただきました。この日は親子での参加や、
学生の参加者が多かったことから“出てきたアイデアの芽はどんなものでも
大事にする”という方針を掲げ、「復興のアプリを作る」というよりも
「面白いアプリを作る」ことに比重を置いてアイデアソンを行いました。
結果、仙台会場では次の6つのチームが結成され、ハッカソンへと繋ぎました。
「教えて! 冷蔵庫君!!」(チーム: ガラスの胃袋)
「自宅の食料の賞味期限を外から知りたい!」「食べ物の危険性を知りたい!」
というアイデアから生まれた「食べ物に関する情報を検索・通知するアプリ」です。
ユーザインタフェースを重視し、丸みを帯びた冷蔵庫と食品を模した可愛らしい
アイコンから、賞味期限やレシピ、うんちくといった情報を引き出すことが
できるほか、自身で見つけた記録しておきたい情報は”付箋”という形で
保存することが出来ます。
「パスワードクラック震度計」(チーム: 平均年齢未成年とオヤジ)
「非常時に家族のPCを使いたい!」というアイデアから生まれたサービスです。
パソコンやスマートフォンといった情報機器(以下、情報機器A)と震度計を
連携させ、ある震度以上の地震が発生したときに他の情報機器
(以下、情報機器B)にIDとパスワードを通知し、緊急時でも情報機器Aの
利用が可能になるというものです。
「Gene(ジーン)」(チーム: Gene)
「医療目的のデータベースがあれば便利なのではないか?」というアイデアから
生まれた「指紋などの画像から、個人の健康情報をインターネット上から
取得できるアプリ」です。指紋や虹彩といった生体情報が写った画像を
あらかじめサーバに記録しておき、これと持病や既往歴、処方している薬品
といった健康に関する情報をひも付けておき、緊急時に関わらず生体情報を
キーにこれらの情報を引き出せるというものです。また、生体情報から今日の
運勢を表示してくれるなどの娯楽要素も盛り込んでいます。
「復興笑点」(チーム: 復興笑点)
「復興アイデアを言わせろ!」というアイデアから生まれた「お題に応じた復興ネタを
投稿できるサービス」です。笑点のようにある“お題”に対応する「復興ネタ」を自由に
投稿するすることができると同時に、面白いと思ったネタには“座布団”という形で
レコメンドを付けることができます。これまで取得した座布団の数をランキング形式で
表示することもできます。
「人口サーモグラフィ」(チーム: 人口サーモグラフィ)
「ジオロケーションサービスを通じて、その場所にいる人の数をサーモグラフィの
ように表すサービスがあれば面白いのではないか?」アイデアから生まれた
サービスです。専用のアプリから観光地やお店などのランドマークにチェックイン
してもらい、チェックイン数から地図上に色を付けていきます。チェックイン数が
多いところほど色が濃くなるので、人がどこに集中しているのかや、最近流行の
スポットが分かるなどという効果があります。
「堪忍袋」(チーム: 堪忍袋)
「いびきをかいている人に気づいてもらえるアプリが欲しい!」というアイデアから
生まれた「音とバイブレーションで周囲がうるさいことを通知するアプリ」です。
携帯電話やスマートフォンのマイクから周囲の音を録音し、一定時間騒がしい
状態が続いたとき、大音量のアラームとバイブレーションで通知します。
UIも重視し、騒がしい状態が続いているときは画面の堪忍袋が膨らんでいき、
逆に静かな時は堪忍袋がしぼんでいきます。
途中、参加者自身の取り組みを発表するショートプレゼンや、アイデアソンでの
こまめな対話で、参加者間の相互交流を深めることができた良い一日だったと
感じています。
7月30日: ハッカソン
仙台会場も他会場と同様、アイデアソンから一週間後の7月30日にハッカソンを開催
しました。各チームごと当日のゴールを発表したあと、作業に移ってもらいました。
当日都合がつかず、開発に長けた方が抜けたチームもありましたが、事務局で予め
お願いしていたチューターの方や当日協力を申し出てくれた参加者の方の協力で、
逆に相互交流が進み、どのチームも一定の成果を出すことができました。
「教えて! 冷蔵庫君!!」(チーム: ガラスの胃袋)
このチームではレシピ、Tips検索とアプリ開始時のTips表示、アイコンによる
検索上位表示の3点をゴールに、WebとAndroidアプリの二つのプラット
フォーム上での作成に取り掛かりました。ハッカソン終了時には両プラット
フォームとも3点の基本機能は実装完了、AndroidアプリではUIまで実装すると
いう結果になりました。チーム内にチューターの方がおり、一般の参加者よりも
作業量が多いにもかかわらず、クオリティの高いアプリを完成させています。
デモURL
「パスワードクラック震度計」(チーム: 平均年齢未成年とオヤジ)
このチームでは地震発生時にインターネット上から震度を取得し、震度が一定
以上ならば画面上にIDとパスワードを表示させるアプリケーションを作ることに
しました。このチームはアイデアソンから人数が減り、開発に長けた方がいない
というトラブルに見舞われましたが、ダミーの震度データから画面上にIDと
パスワードを表示させる部分を完成させています。
「Gene」(チーム: Gene)
このチームでは個人情報の登録・照会・既往歴等の表示が可能なスマートフォン
アプリを作る予定でしたが、チームにスマートフォンアプリに長けた方がいなかった
ことから急きょWeb上での実装に変更。当日の急な変更に見舞われながらも、
テキストではありますが個人情報の登録・紹介・既往歴等の表示といった基本的な
機能に加え、UIのデザイン、娯楽要素である運勢表示まで実装するという、
最も完成度が高いチームでした。その完成度の高さから、各会場の成果発表では
仙台会場の代表として発表してもらいました。
デモURL
「復興笑点」(チーム: 復興笑点)
このチームではWeb上での投稿、投稿のリアルタイム表示、“座布団”の付加、
座布団ランキング表示という基本機能の完成をゴールに作業に取り掛かりました。
ハッカソン終了時には一部不具合が見られるものの、時間内でほぼ完成する
という結果になりました。こちらもチーム“ガラスの胃袋”と同様にチューターの方が
いらっしゃいましたが、負けず劣らずのクオリティを誇っています。
「人口サーモグラフィ」(チーム: 人口サーモグラフィ)
このチームではTwitterの投稿に含まれる緯度経度情報とGoogle Mapの二つを
利用して、そのスポットの人口密度を表すアプリをWeb上で実装することにしました。
こちらのグループもハッカソン時に技術に長けた方が一人もいないというトラブルに
見舞われましたが、Twitterの投稿から緯度経度情報を抜き出し、Google Mapの
特定地点上に円を描画するところまで完成させています。
「堪忍袋」(チーム: 堪忍袋)
このチームにはデザインに長けた方が一人もいないことから、音を取り込む、騒音度
の蓄積、アラームとバイブレーションの作動といった最低限の機能をiPhoneアプリ
およびAndroidアプリで実装することゴールに、作業に取り掛かりました。結果、
iPhoneアプリ版は音声を認識して爆発音を鳴らすまで、Androidアプリ版は音声を
取り込むところまで完成することが出来ました。
惜しくもハッカソンに採用されなかったアイデアについては、アイデアソンで
司会進行役を務めてくださった石井力重さんのBlogに掲載されています。
仙台会場から出た他のアイデアに対して、実現できるアイデアやもっと工夫できる
アイデアなどありましたら、Hack For Japanメーリングリストまで是非ご連絡ください。
また、現在以下のFacedbookグループにて仙台会場のプロジェクトを継続して
推進しています。
イベントに参加してない方でも上記プロジェクトに興味のある方は是非こちらもご覧に
なって下さい!

Hack For Japan 第5回スタッフミーティング

【会場】

  • 日時: 84日(木)19:00
  • 場所: Google 六本木オフィス
  • ust: http://www.ustream.com/channel/takoratta
  • 出席者:吉岡、及川、高橋、岩切、松田(遠野スタッフ)、山崎、石野、笹島、佐伯、鎌田、関、冨樫、白石、川崎
  • オブザーバー:ニッポン放送 鳥谷、清原

【アジェンダ】

7/23 アイデアソン・7/30 ハッカソン振り返り

  1. フォローアップ(以下、送ったメールから)
    • サイト上でのイベント情報の更新(イベント終了の通知)とりあえずの処置は及川のほうでやっておきました。抜けやミスがある可能性があるので、石野さん、確認お願いします。本格的な情報の追加はおいおい 石野さん、お願いします
    • 発表資料などが届けば掲載します。[TODO]
    • アンケートの集計及川のほうで8/3までに行い、次回スタッフミーティング前までにシェアしておきます。
    • 発表資料の整理東京会場は及川のほうで取りまとめをしています。遠野もすべてまとまっており、ブログ掲載済です。他会場は?
      • 仙台、会津のとりまとめを佐々木さん、小泉さんにお願いする。[TODO]
    • 写真すでに集まってきているから大丈夫かな?
    • ustのアーカイブ東京会場は石野さんにお願いできているのかな。他会場は?
    • ブログどなたか!
      • 東京会場のブログ(高橋さん;基本レポート、佐伯さん;補完+デザイナー目線)[TODO]
      • 会津若松会場のブログ(佐々木さん?要確認)[TODO]
    • 会場係から感想など(よしおか)
      • 片付けをしない人が多かった。勉強会の作法としては、後片付けまで参加者に啓蒙していく必要がある。
  1. [仙台会場所感]

    ・アイディアソンは石井力重さんの進行が素晴らしかった

     アンケートにも出ていますね。頼んで本当に良かったです!

    ・ボランティア等技術者以外からの参加がにごく少数だった

    前回はかなりいたんですが。ボランティア団体に宣伝する前にアイディアソンは満員になってしまったので。アイディアソンはハッカソンより大きい箱を用意した方が良いかも知れません。

    ・ハッカソンはチューターが大活躍

    今回学生の参加が多かったこともあり、プログラム初心者が多くアイディアをそもそもどう実現すればよいかわからないというチームも出ていました。チューターがそのあたりをうまく拾ってサポートしてくれていました。そのため、チューターがRubyiPhoneTwitterAPIに偏ったのが悔やまれます。

    ・プロジェクトの継続を促すためのFacebookグループが結構活発

    仙台の前回開催で生まれたPJ2つは東京中心へ移行、1つは企業が行う、残りは立ち消えとなっています。この反省からFacebookグループを作ってハッカソン当日から使うようにしてみました。うまく当たったのか結構活発に投稿されています。

      • Hack for Japanfacebookグループを作成。及川さん[TODO]
    • アンケート結果のレビュー https://docs.google.com/a/google.com/spreadsheet/ccc?key=0AvnK59H5VA5RdHltQjBEMVdWTWU1WjBJOFdmUWppdmc#gid=0
      • 意見あり、苦言あり
        1. 現地のものを首都圏で展開したい
        2. もっと幅広い人材に参加いただいたほうがよいのではないか?
        3. 被災地の現状を把握できていない参加者が多い
        4. Hack for Japan、必要なものの説明が足りなかった
        5. 会場間のコミュニケーションをもっと積極的に利用してもらう仕組みを用意できないか?
        6. 東京に拠点を用意するボランティア団体に参加してもらい現地の意見を聞けるのではないか?[検討事項]
        7. プロジェクト間の横のつながりや複数のプロジェクトに横断しての参加を促してはどうだろうか?
          • ひとりの参加者の方はスタッフがフォローしよう
          1. SI、運用よりの参加者がいると助かる
            • MLで聞いてみる[TODO]
            1. アイデアソン、ハッカソン以外の「~ソン」があってもいいのではないでしょうか?
            2. 各会場間の連携をスムーズにしたい。
              • 東北の会場は東京向けにお話してくれているのではないか?
              • 東北の会場で必要なものの要件を詰めて、アイデアができてから東京の参加者に開発を依頼するオフショア的なスタイルを検討[TODO]
              1. 自己満足になっていないか?
                • 生の声をもっととれるようにする必要があるのではないか?
                • 東京会場の参加者を被災地に視察に行ってもらえる仕組みを準備できれば。
                • 宮城でも仙台以外の場所でも開催を検討する[TODO]
          2. 新しくなったプロジェクト一覧ページに合わせて、プロジェクト運営方法にも多少の修正が加わりそう。意識合わせをしておきたい(白石)
            • ハッカソンにてアップデート
              1. 一覧サイトの運営をどうするか?
              2. データ元のテンプレートに適宜変更を加えていく必要がある
            • 問い合わせ先の用意
              1. 月一回の更新リマインダーを投げる仕様を検討中
              2. 終了ステータスのプロジェクトにはリマインダーを投げないような仕様にしたい
              3. メアドの掲載を避けたい人もいるので、Twitterアカウントではどうか?
              4. Hack for JapanのアカウントでフォローしてH4Jアカウントから連絡をとる
                • 連絡先の掲載などを避けたい参加者がいた場合は個別対応でとりあえず現状対応していく
                1. メンバー募集中ステータスの用意
                  1. 状態の管理に関しては、終了のものをアーカイブに寄せてショーケースからは非掲載にしていく
                    • アクティブなものをショーケースで掲載していく。非アクティブなものは掲載しないのシンプルな形にする。
                    • 非アクティブでアーカイブに寄せたあとに参加者から復活してくださいの意見が寄せられれば、アクティブに直す。
                  2. 人材募集は欲しい職能もわかるようにすると良い。
                  3. 一般の人が見ていないというスタンスで開発者に向けたサイトとして特化したほうが、サービスの誕生を促しやすいのでその方向に方針変換しました。
                2. Google Moderatorでのアイデア投稿の今後
            • 遠野まごころネットの現状報告、フィードバック(いわきりさん)
              • リニューアルに関して神奈川の参加者もジョインして実施中
              • 仮設住宅にネットカフェを設置活動の実施中
                1. カフェに設置する機器は準備中(無線、PCを準備中)
                2. 要望などを受けてアップデートしていく予定
              • 関さんのブログ
              • 雇用が生まれるモデルケースを共有するなどを考えよう
            • Tシャツプロジェクト
              • まだコードTシャツが欲しい参加者が居る
                1. 初回受注生産限定で作ったもの。(石野)
                2. 復刻版として1年後に販売するとか
                3. 他デザインに関しても岩切さんの業者の仕組みを見て判断する。
              • Tシャツの販売では注文・入金の確認、メールなどの運用面の負荷がある
                • 被災地で請け負える業者の方を現在確認中、検討結果をPJに連絡します [TODO](岩切)
                • レベニューシェアで2割程度を義援金として運用するなどの案を検討しています
              • 次回の開催はどのようにやりますか?
                • ハッカソン以外にできることについて、時間があればブレインストーミングしてみたいです(関)
                • (ゆるいですが)『継続性』をしっかり考えていきたい(川崎)
                  1. (継続性1)プロジェクトが発生する状況を持続させるために
                    1. 複数拠点同時開催である必要はあるか?
                    2. キャラバン的に全国回っても良いかも。
                    3. 参加動機には「○○のエバンジェリストに会いたい」というところもある。
                    4. 無理に同時開催はしないで、各会場で実施時期をずらしていく
                    5. 有名な人の参加は東北の会場では喜ばれる
                      1. 沿岸部の人はイベントの実施自体でも喜ばれ、活発な展開になる
                      2. 内陸部の人はIT情報の入手などの目的も含まれるので、エヴァンジェリストの参加などが喜ばれ、参加を促す形になる
                        • 同時開催をしない形でエヴァンジェリストを集結させて開催など
                      3. 小泉さんに企画を検討してもらう[TODO]
                    6. Hack For Japan Tech Talkといった感じのイベントは出来ないか?

                      上記の「エバンジェリストに会いたい」に通じますね。また、ハッカソンで○○APIが使えるとなっていても、たとえチューターがいてもすぐにその場で使えるとはならないものです。そこでHack For Japanで利用できるAPIの解説やハンズオンがあるイベントなどいかがでしょう?

                  2. (継続性2)始まったプロジェクトが続くために
                    1. Power Apps JapanMA7 などのコンテストで、モチベーションアップ?
                    2. 収入?(遠野モデルの共有)
                      • プロモーションの活動の場として利用してもらうことでモチベーションアップに使ってもらう
                      • コンテストの連携などで打ち上げ花火だけで終わらない形を考えておく必要がある
                      • Just GivingHack for Japanとしての連携がとれれば収入とモチベーションを維持するアイデア
                      • 既にあるNPOに相乗りする形では?
                  3. (継続性3)Hack For Japan 運営自体
                    1. 運営自体はバジェット0でも概ね問題なく進行できている。すごい!
                    2. 会社の出張にできない場合の地方会場への交通費を捻出する方法とか?仙台への交通費は「東北ITコミュニティ復興支援基金」からとかで。
                    3. 日本版 Code for Americaみたいにして、Fellow 制度+寄付金を募る? http://codeforamerica.org/
                      • 企業のCSR活動で寄付金を募るのもあるが、その活動に関しても運営に大きくリソースがかかる。
                      • 小物の購入費、被災地での宿泊費が全てスタッフのお財布からという問題
                      • NPOではなく任意団体として会計報告をして運営していくなど検討
                      • 想定される運営費用をリストアップして棚卸しして今後の方針を検討する。及川さん [TODO]
              • 次回
                • 2011年9月5日 19:00~ 開催、場所未定

              (文責)Hack for Japanスタッフ 鎌田篤慎

              第3回アイデアソン・ハッカソン東京会場からのレポート – ハッカソン編

              7月23日(土)のアイデアソンに引き続き 7月30日(土)にはハッカソンが開催され、東京会場では50名を越える皆様に参加頂きました。
              Tシャツ
              新たな試みとして Hack For Japan でTシャツを制作しました。ご希望の方から事前に注文を受け付け、ハッカソン会場でお渡ししました。早速これを来てハックされる方も多数! 背中のコードに「日本が復興するまで、ハックし続ける」想いが込められています。


              ※必要な原価を差し引いた利益は 「ITで日本を元気に!」を通して被災地に寄付させて頂きました。
              遠野の報告
              今回新たに開催地として加えさせて頂いた岩手の遠野会場では23日にアイデアソン、続けて24日にハッカソンが行われました。実際にスタッフとして参加してきた山崎富美さんがその報告を行いました。録画はこちらです。
              岡山からの参加者

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              3月の第1回ハッカソンの際に岡山会場で参加された方が、今回は東京会場に駆けつけてくれました。
              開発された act4-lives.netの説明をして頂き、途中他のチームに参加中にエンジニアの方から熱心にアドバイスを受ける場面も。困った時には他チームから強力な助っ人によるアドバイスも得られるというのは、様々なバックグラウンドを持つ方が集まるハッカソンならではです。
              遠野でも参加された方からのアドバイス

              7/23,24に行われた遠野会場に参加された原田さんが来てくれました。
              実際に遠野でのボランティア活動も行われている方なので、急遽ボランティアニーズマッチングのチームに入って頂き、いろいろとアドバイスをお願いしました。またクロージングの時にも一言話して頂き、「ボランティアの現場ではハード的なものからソフト的なものにシフトしているところがある。IT開発者の力がますます必要になってきている」という話しはとても参考になると思います。
              ラジオという媒体
              前回に続き今回もニッポン放送さんに参加頂き、「広く知らせることが出来る点、デジタルとアナログの変換という観点で是非ラジオという媒体を活用して欲しい」というお話しをして頂きました。
              ネットアクション2011
              経済産業省の守谷さんからはネットアクション2011についての話しをして頂きました。「国はローデータ公開することに力を入れていきます。技術的に公開の仕方など是非ご意見下さい」とのことです。
              東京会場で取り組まれたプロジェクト
              東京会場では全部で10のプロジェクトが走っていたのですが、スタッフとしても一つのチャレンジである Hack For Japan を hack する取り組みがありました。現状、見やすいとは言えないプロジェクト一覧のページを見やすく機能的なものにしようという取り組みで、スタッフの白石さんがプロトタイプとして作っていた仕組みを元に2名の助っ人に参加して頂いた結果、新しいプロジェクト一覧が公開されています。

              P1020389.JPG
              成果発表の録画はこちらです。
              各チームの発表が始まる時間の目安を下記チーム名の右側に[00:00:00]のように表記しています。
              ダジャレクラウド[00:00:43]
              • 次のハッカソンまで実装する内容を決めた
              • ランキングをするにはパラメータ評価が必要。
              • +1 や「いいね」ボタン、「これ、ダジャレじゃない?」と通報するボタン
              • スマートフォン向けの実装も計画
              みんなのまち[00:06:22]
              • 街で改善が必要な点を見つけたら写真を撮って位置情報付きで投稿する iPhone アプリの部分を実装。
              崖イイネ![00:04:24]
              • androidアプリとサーバーサイドの実装を進め、android アプリから崖の写真を位置情報付きで twitter にアップする仕組みまで出来た。
              eコマースで復興店支援[00:08:44]
              • 復興店舗リストを元に各 e コマースサイトでどれが東北復興のお店なのか分かるようにユーザースクリプトを書いた。
              • 楽天版
              • 禁断のYahoo版
              電子工作チーム[00:10:44]
              • このチームではハードウェアのハックを行った。
              • ガイガーカウンターのパルスを出すユニットに LED 表示を組み合わせた。
              • 熱中症対策で、温度センサーとマイコンを組み合わせたものを作ってみた。
              Act4Lives [00:14:38]
              Hack For Japan プロジェクト一覧改善[00:16:58]
              • 無機質なスプレッドシートが見やすい一覧表示になり、ソート、条件抽出なども可能に。
              • アップデートのリマインド機能もある。
              ボランティアセンター向け ニーズ公開ツール[00:18:59]
              復興いいね! [00:23:11]
              • デザインを考え、画面遷移を整理した。
              情報再利用推進PJ [00:26:21]
              最後の成果発表は、前回同様にまず各会場毎に行って会場の代表を1チーム選出し、そのチームの発表を相互に中継するという方法を取りました。東京会場では1人一票の挙手により選出しようとしたところ票が割れ、「崖イイネ!」と「eコマースで復興店支援」が同率1位となりました。そこからさらに決戦投票を挙手で行い、最終的に「崖イイネ!」チームが選ばれました。
              「崖イイネ!」チームの代表プレゼンは [01:00:30] 付近から。
              クロージングではスタッフの及川さんから「継続していくのが大事、みなさんと一緒に考えていきたい。」という言葉がありました。震災発生から5ヶ月という時間が経過していますが、復興にはまだまだ長い時間が必要です。Hack For Japan では「コードでつなぐ。想いと想い」を具現化するために今後もこうしたイベント等を通じて活動を続けていく所存ですので、引き続きよろしくお願いします。
              最後の記念写真。「はっく ふぉー じゃぱーん」のかけ声で撮りました。

              Hack For Japan スタッフ 高橋憲一