私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。
5月23日日曜日 ハッカソン
会津大学の学生の多くは自転車で通っているためか、集まりはゆっくりでした。
プロジェクト名 | 朝の参加 | 今日の目標 |
---|---|---|
風評をふっとばせ隊 | 2人 | サイト公開 |
行政情報公開 | 1人 | 提案作成 |
クラスメイトファインダー&コミュニケーション | 3人 | 設計 |
あいづっぽ(ボランティアマッチング) | 4人 | サイト公開 |
放射線関係(API) | 2人 | 完成 |
放射線関係(デバイス) | 3人 | 完成 |
自分たちで見積もるのが難しくても、経験のあるスタッフが助言していました。
コードを書くだけではなく、企画書や提案書を作成して、興味があって作ってくれる開発者を募集するような考え方で参加するやり方もあるのではないかと思いました。
ソースカツ丼にも、いくつかのスタイルがあるのですが、ご飯に千切りキャベツを敷き、ソースを掛けた豚カツを盛りつけるというものが会津流です。
カツの下に千切りキャベツを敷くのはここが発祥らしく、伝統会津ソースカツ丼の会というものがあります。
作法とパターン、取り巻くコミュニティ、これはソフトウェアと同じではないだろうかと考えていると、隣では「アダムスキー型」が目撃されていました……
みなさんリフレッシュして、開発を続けてゆきます。テレビの取材もありました。
各チームがこの二日間の成果を発表し、各会場から一チームを代表として選出することになっていました。会津若松会場からは6チームが発表することになりました。
これは5分間ずつのライトニングトーク形式で行われました。ぜひ録画をご覧ください。
風評対策には確実な情報を提供して消費者に安全・安心を伝えていくのが確実な道である。
そのために、元気米作りをサイトで紹介してみようということになったそうです。
発表された江川さんのお宅は篤農家(とくのうか:熱心で研究的な農業者)で、放射性物質対策の農法を色々と試行されています。
その農法の一つに、ボカシという有機物を発酵させた肥料の使用があるそうです。
作物に様々な物質が含まれているボカシ肥料を与えることで、放射性物質が作物に取り込まれることを防ぐそうです。
また、ガイガーカウンターによって放射線量を実際に測定しながら作業をされています。
江川さんの田圃では測定される放射線量は少ないとのことですが、念のために水道水で苗を育て、水路に吸着剤を敷いています。
さらに、検査機関に土壌と収穫した米の分析を依頼する予定とのことです。
このプロジェクトは、へちまインターネットさんがサーバーを提供され、元気米プロジェクトとして公開されています。
避難によって友達と離ればなれになってしまった児童たちが福島県にも多くいます。
このプロジェクトでは、学級便りのような感覚で、離れた場所にいる友達と繋がっていられるサービスを開発しました。
このサービスを使えば、自分のクラスメイトの近況がわかり、校長先生からのビデオレターなどを読むことができます。
また、新聞のように印刷することも可能なレイアウトを検討しているそうです。
このチームは前日には5人いたのですが、今日は1人だけの参加となってしまい、企画書の提案をしようということになりました。
1995年の阪神・淡路大震災、この東日本大震災の教訓を活かして、災害の際に必要となる情報を統一された構成のテンプレートとして整備し、ソーシャルな情報と連携する。
また自治体ごとの更新情報を集約するサイトを構築して、情報の一覧性も確保するようなことを提案しました。
この集約サイトによって他の自治体との状況の比較ができ、自治体の上層部に働きかけて公開が促進されることも狙っているそうです。
この震災では、ボランティアをしたくても募集の情報が見つからない、参加が現場で対応しきれないなどの問題があったそうです。
このような問題を解決するために、あいづっぽは学生の視点からボランティアマッチングの仕組みを提案・開発しました。
まだ完成はしていないということでしたが、ログインとボランティア情報の登録、参加という基本機能は実際に動作していました。
これから実装したいこととして、Twitter、mnews(学内ニュースグループ)などのソーシャルなサービスでニーズを広めることや掲示板などのコミュニティ機能を追加することを計画していました。
このチームは大人数で放射線情報に関係するシステムを開発しました。
これは情報の収集、蓄積と利用、情報の提示の一連の領域にわたるものです。
まず、手動でガイガーカウンターの測定値をサーバーに登録するAndroidアプリケーションを高校2年生が開発しました。
それを自動化し、ガイガーカウンターからBluetooth経由でデータを自動的に送信するシステムも開発。
そしてサーバーに蓄積されたデータを利用することができるAPIを準備し、APIを呼び出して情報を地図上に表示するという一連のデモを見せてくれました。
かつて携帯電話型の放射線測定器があったそうです。価格などの情報は見つからないので販売はされていないのではないかということでした。
後ほど私が、ベラルーシにある販売元に問い合わせてみたのですが、携帯電話のモデルチェンジに合わせて測定器の外装設計をやり直すのは大変なので、BluetoothかIRでPCと連携するモデルに移行したとのことです。この会社では腕時計型の測定器なども販売しています。
投票のルールは試行錯誤したのですが、会津若松会場からは放射線関連チームが選ばれました。
高松は会場を閉める時間が早かったため、残念ながら同時中継には参加できませんでした。
高松の発表の録画はここにあります。
(Sahana関連、音声読上げのWebサービス、Bluetoothによるチャット、感電水冷服、ガイガーカウンターとAndroidの連携について発表されています。)
これは復興を支援しているサイトにボタンを設置し、ソーシャルに評価してサイトを相互に結びつけるようなことを狙ったサービスです。
ユーザーから高い評価を得たサイトは、投票結果ページで目立つようになるそうです。
震災から復興してゆく風景を刻々と表示することで風化防止を狙ったものです。これはAndroid版とiPhone版のプロトタイプが作られました。
このプロジェクトは3月21日、最初のハッカソンから開発を続けているもので、今回はAPIの機能拡張を実施したそうです。
義援金や献血などの貢献の様子を可視化することで、楽しみながら支援を続けられるようにすることを狙ったサービスです。Android版とiPhone版、Webアプリ版のプロトタイプが作られていました。
この発表ではハードウェアと連携する動作もビデオで中継でき、離れた会場にも臨場感が伝わったと思います。
このチームは手がけている領域が広く、短時間での発表が難しいのですが、うまくまとめて良い発表をしてくれました。
スタッフの及川さんからのあいさつがありました。
今回のイベントでは放送の中継など、多くの準備不足がありました。
ですが私たちにも、何が正解かが分からないので、試行錯誤しながら進めているところなのです。
Hack For Japanには強固な仕組みはまだないのですが、開発者が復興へ向けての思いを一つにするような活動になってきていると思います。
この活動を継続していくために、みなさんの更なる協力をお願いします。
今回のイベントにご協力いただいた方々、ありがとうございました。
私も自分のプロジェクトを進めることと、よりよい運営のために努力を続けたいと思いました。
ご提供いただいた書籍は、翔泳社さん「10日でおぼえるAndroidプアリ開発入門教室」、日経BP社さん「クラウド活用のためのAndroid業務アプリ開発入門」、技術評論社さん「Software Design」でした。ありがとうございます。
実際にはアイデアソンでの意見の交換や、ハッカソンでも企画を提案するなど、開発者ではない方の協力が必要なことも多くあります。
これからもそういった方々に積極的な参加を呼びかけてゆきたいです。
肌で状況を理解するということだけではなく、人と会って話すことで生まれたものがありました。
震災支援のシステムを遠地から開発されている方は、現地での使用状況や、地元の人の顔を思い浮かべながら作業をされてみてはいかがでしょうか。
自然があり、歴史と美味しい食べ物もある会津若松をぜひ訪れてみてください。
これほど大きなイベントでなくても、着実に活動を続けてゆくことが大切だと思っています。
どうかこれからもHack For Japanへのご協力をよろしくお願いします。