こんにちは。
Hack For Japan Vol.3をオーガナイズした遠野まごころネット企画チームの高橋和氣です。
今回は、「Hack For Iwateの新年会」を行いたいねと、Hack For Japan岩切さん、@リアスNPOサポートセンター(以下@リアス)鹿野さんと話をしていたことを受けて、日程調整し、1日目は大槌町、2日目は釜石市、それぞれ2011年末にオープンした仮設商店街のコミュニティスペースを使って、被災地には雇用を被災地以外には情報をテーマにアイデアソンを開催することにしました。
1月14日:音楽スタジオを作りたい!計画会議
被災した大槌北小学校のグラウンドに建設された仮設の「福幸きらり商店街」。
もともと地元にあったお店が中心となり、39店舗が入っています。駐車場込で東北最大級とのこと!
この中に、地元のNPO等の団体が集うコミュニティスペースができています。名付けて「きらり駅」。無料乗り合いタクシーの停留所で待合所も兼ねています。このブースは、遠野まごころネットのスタッフが常駐し運営しています。今後は、広く、大槌町のまちづくりを考えてゆく、様々な支援団体のコラボレーションの場になっていければと考えています。
今回の主題ですが、前回のHack For Iwate 2でも話題となりましたが、「仮設ネットカフェと音楽スタジオの融合はどうだろう?」ということの深堀が今回のメインテーマです。
(http://blog.hack4.jp/2011/10/hack-for-iwate.html参照)いわゆる「IT系」でない方々にも来ていただき、ブレインストーミングしました。 初めて参加された方々もいらっしゃったので、まずは、岩切さんより、- Hack For Japan
- Hack For Iwate
http://www.slideshare.net/iwakiri/hack-for-iwate-vol3-20120115-11075387
(この議事録内の冒頭)の説明
それに加えて、Hack For Iwateのメンバーもリンクしている
の説明をしていただき、情報共有。
そして次にはじめての方々を中心に、自己紹介タイム
中でも、熱くスピーチ(30,40分ぐらいかかった???)してくださったのは、和Ringプロジェクト 代表の池ノ谷さん。
埼玉出身で、今回の震災を機に、各地でボランティア活動を行い、その中で、もともと東京で親しくなっていた釜石出身の青年の「地元のために頑張りたい」という想いを後押しすることもあり、和Ringというガレキで作ったキーホルダーをつくっています(詳細は公式サイトで)。
地元の方々と親しくなり、大槌町の役場近くに「この土地を使ってよいから!」と土地を確保、これから、瓦礫の廃材を使って、ここにガレキキーホルダーの工房をつくる予定です。
また、東京や世界でDJを行っていたり、野外パーティーイベントを主催していた経歴も持っています。池ノ谷さんと話す中で、作ろうとしている工房の隣に、地域の方々が集まれる「カフェバーを兼ねたライブハウス」をつくり、今後の「まちづくり」を考えられる拠点にしたいとのことです。
この和Ringプロジェクトにご夫婦で参加されてる、佐々木秀樹さんも、前回のHack Forから引き続きご参加くださいました。秀樹さん自身も被災され、現在は紫波町在住、ご実家は、大槌町で一番大きい和野の仮設団地にお住まいです。NPO吉里吉里国のウェブサイトを手掛けてもいます。(吉里吉里国、復活の薪では、ログハウス造りを今後は展開。遠野まごころネットも一緒につくりあげてゆこうと思っています)
また、被災前からある地元大槌のNPO「ぐるっとおおつち」から、震災後にサポートメンバーとして入っている千田さんもいらっしゃいました。
ほぼ地元の方々で構成されている「ぐるっとおおつち」の震災後の活動は広いです。
まず、パーソナルサポート。仮設/在宅の生活に不自由されている方々に向けて、同行支援などを行い、今後は、家事の手伝いを通して、生活者のニーズを発掘し、後方支援に繋げてゆく活動を行ってゆく予定です(遠野まごころネットの生活支援チームが協働してゆく予定)。
それだけでなく、現在、「おおちゃん人形」という、被災された方々のための手仕事づくりをしています。この手仕事、今後は、地元の特産品を使った食材や、大槌ブランドを広める木工品など、新商品開発に着手しようとしています。
サポートメンバーとして入っている千田さんは、京都出身。「ぐるっとおおつち」では唯一の地域外メンバーです。今回のテーマ「音楽スタジオ」に絡めて、千田さんは、「大槌を世界に発信する音楽イベントを開催するのを考えてみたい」とおっしゃっています。
遠野まごころネットからは、今回が初めて、という「現地活動組」の面々も。
奈良寿昭さん⇒「フライパンダ」代表(兼、遠野まごころネットの大槌お茶っ子隊リーダー)
愛知県出身で、6月からの長期活動。夏場のハエ除去「フライバスターズ」をつくったり(思い返せば、避難所でのハエが物凄かったものです)、大槌町でのカフェ隊を編成、自身の巨大カステラ作りイベントもそうですが、様々なイベントをコーディネートし、自由な発想で様々なアイディアを創出しています。
地元の方々が集まって溜まり場となりコミュニティが生まれる「仮設音楽スタジオ」についての発案者です。
佐々木康太くん⇒(このとき)遠野まごころネット物資班リーダー、(現在)まごころネットの企画チームに移行中。元バンドマン(楽器何でもできます。そして、実家(遠野)には手作りでスタジオを作っちゃうほど熱い)、元システムエンジニア(Web系)、奈良さんとともに、「音楽スタジオ」計画にノリノリなヤツです。
■この日の主題:音楽スタジオをつくるためのブレスト!
このように、「ITで支援」という枠組みを飛び越えて、「大槌町で活動している支援者たち」を絡めて、スタジオをキーとして、どのようなものがニーズとしてあるのか、自由にブレインストーミングしました。
石巻のロックフェスのように募金や協賛を集め、また、そこで募った音楽機材をもとにして「音楽スタジオ」づくりに繋げる、というアイディアや、イベント時にUstreamで中継しながら募金を募ったり、気候的にちょうどいいかもしれないからプロも呼べる「本格的な収録スタジオ」を目指すのもいいかもしれない、、、などなど、様々なアイディアが出てきました。
ただし、地元に今必要なものは雇用なので、雇用を生むためには何ができるのか、という話になり、地元にはカラオケができるところがなく、内陸まで歌いに行っている状況なので、スタジオにこだわらず、まずは「音を存分に出せるたまり場づくり」から進めようと決めました。
【シナリオ】
- 簡易な環境で音を存分に出せる場所をつくる
- そこが「音楽好き」の溜まり場となる
- その溜まり場でワイワイする中で、音楽イベント開催案が浮上するのもいい
- 音楽イベント実施に合わせて将来プランを作る
- ライブハウス兼カフェバーをオープン
ステップ1【音を存分に出せる場づくり】について
- カラオケルームのような感じ
- 場所を確保し、コンテナを使い、フリーで使える楽器などを集める
- そこを管理できる(常駐)地元の方を探し出すこと
こうした場づくりで、ITでサポートできること…として、「Ustreamで現場を配信し続け、日々の状況をお伝えしてゆく」だとか「FacebookやTwitterで情報を拡散させてゆく」といったことができるのではないか、と話し合い、この日は終了。
現地活動組で「地元の人たちを巻き込んでいきましょう」と準備を進めてゆきます。
その日の夜は…
釜石復興支援プロジェクトのキッチンカー屋台村で親睦会。
http://www.kamaishien.com
釜石の中学生たちの縄張り争いの話など、ローカルネタに花が咲き(笑)
1月15日:Hack For Iwateの2012年活動を考える!
2日目、場所を変えて、11月下旬に釜石の青葉通りにオープンした仮設商店街で開催しました。ちなみに、@リアスの鹿野さんの本業のお菓子屋さん「玉泉堂」もこの中にあります。
そして、この商店街の入り口におしゃれなコミュニティルームがあります。こちらの運営を任されているのが、@リアスNPOです。名前は仮称「KAMAISHIの箱AOBA」。@リアスが震災前に地域コミュニティづくりの拠点をつくっていた“かだって”にちなんで、「Cadatte」となずけ地域コミュニティをつくっていければと鹿野さんは話していました。今回は、USTREAM中継も行いました。機材は、キバンインターナショナルさんからの提供とのことです。