先日に開催されましたクロスオーバー振り返りイベント。最終回のレポートでは岩手県は釜石に都内から越されて活動し、東北TECH道場の釜石道場の運営について西条夫妻からの発表と、シドニーからHack For Japan 及川さんより、これまでの活動の振り返りと本イベントの総括の様子をレポートさせていただきます。
ふるさとの復興と若者のITスキル育成のために
釜石会場からの発表は「LiFESTYLE Lab.」を運営されている西条夫妻からの発表となりました。西条さんは震災以前は都内で働いていましたが、震災後からふるさと支援の目的で帰郷し、ご自身のITスキルを活用して地元の復興のために尽力されています。
釜石は震災後から人口の流出が止まらず、従来の産業だけではなく、新しい活路を見出すべく、西条さんはITの利活用を地元で推進していきます。その活動は震災のあった2011年から始まり、我々、Hack For Japanのハッカソンなどを中心に釜石でいくつかの活動を開催されてきました。その流れの中で、地元の中小企業の人達にITスキルを身につけさせるコーディネーターとしても活躍し、現在は釜石にITを根付かせているとのことでした。
2013年の夏からは、東北TECH道場の第4期から釜石でも道場がスタートし、下は小中学生から上は50代まで、幅広い層の人間から支持を集めているそうで、そうした活動や西条さんの人となりから、地元との連携に発展し、地域の高校と連携が始まりました。2013年9月には震災後3年ぶりの再開となった地元の祭である「釜石よいさ」も復活し、地域の高校生と一緒にお祭り公式サイトの制作を授業の一貫として指導され、岩手県の故郷をテーマにしたCMで釜石よいさのCMが賞を受賞し、釜石よいさは震災後、これ以上ないほど人が集まったそうです。
現在、釜石は震災後からの再開発が進み、中心市街地ではイオンタウンが建設中となっており、その集客力を地域振興に活かすべく、再開発について関わるメンバーの一員になって、釜石市の地域情報、観光情報、市役所、市民記者、企業や事業者の情報を一カ所に集約する情報交流センターを企画し、自立したICT活動やイベントが行えるハブとなり、中高生のIT教育、地元民のITリテラシーの’向上を目指しているとのことでした。
続いて、「東北TECH道場」の釜石道場の道場主である西条さんの奥さんからの発表は、釜石道場に通う中学生2人のお話でした。その2人は最初はプログラムに苦戦し、くじけそうになりつつも釜石道場に通い続けたことで、いまでは大人を超える勢いで成長しているそうです。そうした子供達の姿を見て、大人達も刺激をうけているようです。今後は中学生が高校生になっていくので、高校生の参加者も増やして行きたいという展望を伺いました。
「これまで」と「これから」と
今回のクロスオーバー振り返りイベントの締めくくりとして、Hack For Japanの立ち上げメンバーでもある及川さんよりシドニーから、本イベントの総括とこれまでのHack For Japanの振り返り、そして、これからをお話し頂きました。
今年でちょうど3年が過ぎ4年目に入って当時のTweetを振り返ると、東京で何も出来ないジレンマから、同じ想いを持つ人達を集めるべく、Hack For Japanを2011年3月18~20日の震災直後に立ち上げ、そこから自分の世界が変わったという話は会場に居る誰もが共感した話でした。
当時はハッカソンを主軸にした活動でもあったため、停電や余震の影響を受けて、被災していない西日本の会場やオンライン会場、また海外のチームと時差を利用して効率的に作業を進め、そうしたことがきっかけで多くの人がつながり、3年経った今も今回のイベントのように多くの人が、多くの場所で集まり振り返りを行っています。しかし、一方でそうしたハッカソンなどの活動で成果がなかなか生まれなかったことも事実としてありました。そうしたこともきっかけで継続性を意識しているCode for Japanや東北TECH道場、イノベーション東北にも通じています。
また、ヤシマ作戦と同じように批判などはあっても、意志をもって継続することの大切さや、新たな産業振興や教育をITを軸に据えて未来が見えることの大切さ、そうした活動を日本だけでなく世界にも視野を拡げて見てみようという意識を今回のイベントを通じ、会場に居る参加者全員で得ることが出来ました。
3.11は悲しい出来事でした。しかし、その悲しみを乗り越えて復興、地域の活性化を図るためには「笑いあいながら、楽しみながら。」そうしたメッセージが今回の発表でも随所にありました。むしろ、そうした明るさから未来が見えてくるのではないかという及川さんのメッセージで今回のイベントは締めくくられました。
当時はハッカソンを主軸にした活動でもあったため、停電や余震の影響を受けて、被災していない西日本の会場やオンライン会場、また海外のチームと時差を利用して効率的に作業を進め、そうしたことがきっかけで多くの人がつながり、3年経った今も今回のイベントのように多くの人が、多くの場所で集まり振り返りを行っています。しかし、一方でそうしたハッカソンなどの活動で成果がなかなか生まれなかったことも事実としてありました。そうしたこともきっかけで継続性を意識しているCode for Japanや東北TECH道場、イノベーション東北にも通じています。
また、ヤシマ作戦と同じように批判などはあっても、意志をもって継続することの大切さや、新たな産業振興や教育をITを軸に据えて未来が見えることの大切さ、そうした活動を日本だけでなく世界にも視野を拡げて見てみようという意識を今回のイベントを通じ、会場に居る参加者全員で得ることが出来ました。
3.11は悲しい出来事でした。しかし、その悲しみを乗り越えて復興、地域の活性化を図るためには「笑いあいながら、楽しみながら。」そうしたメッセージが今回の発表でも随所にありました。むしろ、そうした明るさから未来が見えてくるのではないかという及川さんのメッセージで今回のイベントは締めくくられました。
釜石の発表(YourTube)
シドニーの発表(YourTube)