会津若松の訪問レポート

4/24に福島県会津若松市にて意見交換のミーティング「Hack For Fukushima」が行われ、Hack For Japan の運営スタッフ数名で参加してきました。
4月初頭に仙台を訪問したスタッフが現地で最大級の余震に遭遇した経験から飲料水や携帯の予備バッテリー等の準備は入念に行い、前日夜遅くに車で現地入りしたのですが、途中、高速道路の路面には北に行くほど震災後の応急処置と見られる段差が見られ、3月の地震の規模が如何に大きかったのかということを感じさせられました。
まず、当日の午前中は地元の方の協力を得て、ボランティアセンター、NPO、避難所をまわって話を伺いました。
元気玉プロジェクト
なかでも印象に残ったのは、会津地域のNPO、会津短大、自治体の連携による「元気玉プロジェクト」という、とても実のある活動をされている方々とお話をさせて頂いたことです。
震災直後は元気玉プロジェクト 1.0 として「今日、足りない所に届ける」おにぎりを作る事に注力。その後、会津の状況は落ち着きつつあるため現在は元気玉プロジェクト 2.0 としてアセスメントを行うなど、自立に向けた長期支援として「避難者の役割作り」をテーマにしているそうです。twitter ID は@GenkidamaPj , ブログは http://blog.canpan.info/aizu_genkidama/ です。
避難所にて
私達が最も気になった事は、避難所に居る方々がどのようにして必要な情報にアクセスしているのかという点です。
今回訪問した避難所にはネットに繋がるPCが2台置いてありましたが、残念ながら余り有効活用されているようには見えませんでした。別の避難所にはタブレット端末が置いてあるそうなのですが、そちらは子供の遊び道具としてしか活用されていないという話もありました。
Hack For Fukushima ミーティング
Hack For Fukushima のミーティングは会津大学を会場に午後1時から4時間に渡って行われ、福島県内だけでなく仙台、東京、他にも様々な地域から 40 名を越える方々が集まって下さいました。
午前中の訪問先も含めて今回伺った中で共通して出てくる問題点は、
  • ネットを使えない人をどうやって支援するのか?
  • 印刷という「デジタルからアナログへの変換」が必要。
  • PC を置いて終わりではなく、サポートする人をプラスする必要がある。(*1)
  • 地元から離れて避難してきている人は自分の自治体の情報にアクセス出来ない。
  • 今後、二次避難所や仮設住宅に人が分散していくと情報伝達が難しくなる。
  • 風評被害に困っている。福島ナンバーの中古車が売れないという状況。
というものです。
*1 後で伺った話では、マイクロソフトでは既にそのための取り組みを始めているそうです。
今後の復興していくために必要なこととしては、
  • 原発の風評被害については、正しい情報を知り、発信していく必要がある。(実際にガイガーカウンターと android 端末を組み合わせた即興的なデモもありました。)
  • 被災地に仕事を回すだけでは限界がある。全体のパイを広げる必要がある。
  • 復興と言っても、以前の状態に戻るだけでは手詰まりを起こす。
  • 会津の IT 業界は酒の業界に迫る勢いの規模がある。この得意分野を活かして世界に出て行くことでパイを広げることが出来るのではないか。(会津をベンチャーの発進の場に!)
といったような話が出て活発な議論が交わされました。
移動の途中、名所である鶴ヶ城に立寄りました。
この日はちょうど桜が見頃となり、辺りはとても綺麗な景色となっておりました。
会津若松はとても良いところです。観光で訪れることも地元の支援になります。
会津大学も自然に恵まれた綺麗な場所にあり、ミーティングを終えて夕日に映える風景を見ながらスタッフ一同「こんなに良いところが風評被害に合っているのか」と言葉に詰まる瞬間がありました。こういった点でも正しい情報を届けることの重要性を改めて感じます。
何かITで出来ることはありませんか?と遠方から聞くだけではニーズを得ることは難しいです。
これまで仙台、会津を訪れ、実際に現地に行かなければ分からなかった話を聞く事ができました。同時に、IT による支援の難しさも痛感させられることとなりましたが、21 日のアイデアソン、そして 22 日のハッカソンでは皆で集中して取り組む事で、復興支援のために「コードでつなぐ、想いと想い」を形にして行くことが出来ればと思っております。
Hack For Japan スタッフ 高橋憲一

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