先週に実施された Hack for Japan 第2回アイデアソン東京会場の様子をお伝えいたします。
今回のアイデアソンは仙台、会津若松、東京、高松、福岡とロンドンなど、各会場をネットでつないで、会場を超えて被災地の声や状況を共有し、参加者が考えるプロジェクトのアイデアに活かそうというチャレンジングな試みでした。また、前日にラジオ番組にてプレイベントとしてラジオアイデアソンが実施され、こちらも好評に終わりました。
ラジオの力
東日本大震災では津波に寄る被害で多くの通信手段が断たれ、その中で情報を伝える手段としてラジオの力がおおいに見直されました。第2回アイデアソン/ハッカソンでは、ニッポン放送「オールナイトニッポンGOLD app10.jp」さんのご協力を得て、今回のアイデアソンのプレイベントとして番組内でリスナーの方に「被災地の人達を笑顔にする(心の救援物資)アプリ」をテーマにアイデアソンをしていただきました。事前のニッポン放送さんとのミーティングにて、リスナーの方達の特性としてパーソナリティーの声を真剣に受け止め実際に活動を起こす人が多いという話がありました。たとえば募金や古いラジオを被災地に送るという企画がラジオで放送された後すぐに、リスナーの方がニッポン放送のオフィスに義援金やラジオなどを直接持って訪れ、東北大震災以降はほぼ毎日リスナーの方がそういった活動をするためにニッポン放送さんを訪れるのだそうです。こういった姿勢はラジオがリスナーに対して語りかけて届くという特性によるものかもしれません。
そして、リスナーの方から集まったアイデアをパーソナリティーの吉田さんがアイデアソン東京会場にお持ちいただき、その場でそのアイデアを採用するチームが手を上げてくれました。
ITボランティアの活動の声、被災地の声
今回、東京会場では実際にITの力をボランティア活かす活動をしている助けあいジャパン藤代さんのお話とsinsai.infoのAPIの紹介を上野さんに、仙台会場からはHack for Japanスタッフの西脇さんによる被災地のIT活用状況の報告とトライポッドワークスの佐々木さんによる被災地報告、会津若松からは災害対策本部の目黒さんによる会津若松市の状況、元気玉プロジェクトの貝沼さんからは活動の紹介とそこから見えた避難者の課題をそれぞれご紹介いただきました。被災地からの声に関しては各会場からの報告に任せるとして、東京会場での様子と反応のあった被災地の状況をこの場でご報告させていただきます。
まず、助けあいジャパン藤代さんからの現地のボランティアの状況をお話いただきました。現地では3/11の地震以降、余震や阪神大震災時の受け入れ態勢の不備の経験からくる懸念などから、ボランティアの自粛が世の中の支配的な意見でした。その影響で現地では地震に加え津波により阪神大震災の時よりも遥かに大きい被害であるにも関わらず、ボランティアの数が阪神大震災の時の1/6程度しか集まっていないという厳しい状況がシェアされました。現在、助けあいジャパンはボランティア情報のデータ化とデータを利用したマッチングサービスや本当に被災地で求められているサービスの推進に励んでいて、今回もボランティアAPIをご紹介いただきました。
もうひとつ被災地からの声として、Hack for Japanスタップ西脇さんからの現地報告でも回復が進む電気や水道などの生活インフラに対して、IT(光回線など)のインフラの回復が進まない現状がシェアされました。これは我々インターネット業界で働く人間にとって、大きな課題かもしれません。世の中の不可欠なインフラとして認識を世間で得られるようにHack for Japanも開発者の皆さんを支援していくように努力いたします。
アイデアソンの成果
東京会場では各地のスピーカーの方達の報告やニッポン放送さんのアイデアをもとにチームに分かれてアイデアをブラッシュアップして、それぞれ形にしていただきました。
(1) 情報再利用推進
再利用を意識したデータ入稿の仕組み・Hack For Japan他の支援活動の整理
http://bit.ly/kzxWp2
(2) 元気ッズ
子供のための情報のマッピング
(3) IT広報/後方支援Hack for Japanなどで開発された成果物を広く世の中に広めるための広報後方支援 (4) このまちだいすき地元愛、地域コミュニティの活性を震災復興と紐つけたサービス (5) Ninjapan 1.2.3地震直後にとるノウハウなどの情報を共有するサービス (6) ダジャレクラウドダジャレをオンラインで募集してシェアする笑顔を作るサービス(ニッポン放送さんから) (7) 復興イイネボランティア、復興支援活動などで評価されるサービスに「イイネ」することで信頼性を付与するサービス皆さんのアイデアをもとにハッカソンが開催されました。被災地にサービスが届くようHack for Japanも支援していこうと思います。
Hack for Japan スタッフ 鎌田篤慎