第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その3~ハッカソン)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

5月にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。

この文章は、前々日アイデアソンの投稿の続きになります。

5月23日日曜日 ハッカソン

イベント二日目の朝、会津若松はかなりの雨でした。
会津大学の学生の多くは自転車で通っているためか、集まりはゆっくりでした。

スロースタート

仲間に電話をかける姿もちらほら見られたようです。この日はすぐにチームごとの作業に入るため、それぞれのチーム内での合意が出来ていれば大丈夫です。

今日のハッカソンで開発することになったプロジェクトは次の通りです。

プロジェクト名朝の参加今日の目標
風評をふっとばせ隊2人サイト公開
行政情報公開1人提案作成
クラスメイトファインダー&コミュニケーション3人設計
あいづっぽ(ボランティアマッチング)4人サイト公開
放射線関係(API)2人完成
放射線関係(デバイス)3人完成

今日はどこまでやろう?

この会場には開発者ではない人、低学年の学生の参加も多かったのですが、それぞれのチームはメンバーの知識や経験をもとに目標を設定してくれました。
自分たちで見積もるのが難しくても、経験のあるスタッフが助言していました。
コードを書くだけではなく、企画書や提案書を作成して、興味があって作ってくれる開発者を募集するような考え方で参加するやり方もあるのではないかと思いました。

会津若松会場の作業のようすを写真で紹介します。写真は他にもあります

クラスメイトファインダー&コミュニケーション

風評被害をふっとばし隊

あいづっぽ

ガイガーカウンター製作中

テレビの密着取材


他チームとも相談しながら進めます

放射線関係

お昼前に、びぎねっと宮原さんが会場を訪問してくださいました。オープンソースカンファレンス特製トートバッグをいただきました。ありがとうございました。


宮原さん

私も自分のプロジェクト(放射線マップアプリとPDF関連)を進めようかと思っていたのですが、お昼がやってきました。

昨日は準備に追われ、会場でお弁当を食べました。でも今日こそは会津若松の名物を食べに行くのです。

名物ソースカツ丼

……並盛でも、もの凄い量でありました。巨大なカツが飯を覆い、食べ難いときは、蓋にカツを退避するとよいとのティップスをいただきました。福島は米処でもあり、美味しいご飯をたくさん食べるそうです。

ソースカツ丼にも、いくつかのスタイルがあるのですが、ご飯に千切りキャベツを敷き、ソースを掛けた豚カツを盛りつけるというものが会津流です。
カツの下に千切りキャベツを敷くのはここが発祥らしく、伝統会津ソースカツ丼の会というものがあります。
作法とパターン、取り巻くコミュニティ、これはソフトウェアと同じではないだろうかと考えていると、隣では「アダムスキー型」が目撃されていました……

昼食後にプロジェクトの進捗状況を発表する予定になっていましたが、作業を続行することになりました。
みなさんリフレッシュして、開発を続けてゆきます。テレビの取材もありました。

17時になり、今日の開発作業は終了です。それぞれの会場で成果発表会が始まりました。

各チームがこの二日間の成果を発表し、各会場から一チームを代表として選出することになっていました。会津若松会場からは6チームが発表することになりました。

これは5分間ずつのライトニングトーク形式で行われました。ぜひ録画をご覧ください。


<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14881566" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

まずは「風評被害をふっとばし隊」の発表です。

風評対策には確実な情報を提供して消費者に安全・安心を伝えていくのが確実な道である。
そのために、元気米作りをサイトで紹介してみようということになったそうです。
発表された江川さんのお宅は篤農家(とくのうか:熱心で研究的な農業者)で、放射性物質対策の農法を色々と試行されています。
その農法の一つに、ボカシという有機物を発酵させた肥料の使用があるそうです。
作物に様々な物質が含まれているボカシ肥料を与えることで、放射性物質が作物に取り込まれることを防ぐそうです。
また、ガイガーカウンターによって放射線量を実際に測定しながら作業をされています。
江川さんの田圃では測定される放射線量は少ないとのことですが、念のために水道水で苗を育て、水路に吸着剤を敷いています。
さらに、検査機関に土壌と収穫した米の分析を依頼する予定とのことです。

このプロジェクトは、へちまインターネットさんがサーバーを提供され、元気米プロジェクトとして公開されています。

風評被害をふっとばし隊

次は、「クラスメイトファインダー&コミュニケーション」の発表です。

避難によって友達と離ればなれになってしまった児童たちが福島県にも多くいます。
このプロジェクトでは、学級便りのような感覚で、離れた場所にいる友達と繋がっていられるサービスを開発しました。
このサービスを使えば、自分のクラスメイトの近況がわかり、校長先生からのビデオレターなどを読むことができます。
また、新聞のように印刷することも可能なレイアウトを検討しているそうです。


クラスメイトファインダー&コミュニケーション

次は、行政情報公開「100年使える震災WEBサイトテンプレート」の発表です。

このチームは前日には5人いたのですが、今日は1人だけの参加となってしまい、企画書の提案をしようということになりました。
1995年の阪神・淡路大震災、この東日本大震災の教訓を活かして、災害の際に必要となる情報を統一された構成のテンプレートとして整備し、ソーシャルな情報と連携する。
また自治体ごとの更新情報を集約するサイトを構築して、情報の一覧性も確保するようなことを提案しました。
この集約サイトによって他の自治体との状況の比較ができ、自治体の上層部に働きかけて公開が促進されることも狙っているそうです。

行政情報公開

続いては、「あいづっぽ(ボランティアマッチングサイト)」。仲良くメンバー全員による発表でした。

この震災では、ボランティアをしたくても募集の情報が見つからない、参加が現場で対応しきれないなどの問題があったそうです。
このような問題を解決するために、あいづっぽは学生の視点からボランティアマッチングの仕組みを提案・開発しました。
まだ完成はしていないということでしたが、ログインとボランティア情報の登録、参加という基本機能は実際に動作していました。
これから実装したいこととして、Twitter、mnews(学内ニュースグループ)などのソーシャルなサービスでニーズを広めることや掲示板などのコミュニティ機能を追加することを計画していました。

あいづっぽ

次に、放射線関係です。

このチームは大人数で放射線情報に関係するシステムを開発しました。
これは情報の収集、蓄積と利用、情報の提示の一連の領域にわたるものです。
まず、手動でガイガーカウンターの測定値をサーバーに登録するAndroidアプリケーションを高校2年生が開発しました。
それを自動化し、ガイガーカウンターからBluetooth経由でデータを自動的に送信するシステムも開発。
そしてサーバーに蓄積されたデータを利用することができるAPIを準備し、APIを呼び出して情報を地図上に表示するという一連のデモを見せてくれました。


放射線関係のチーム

最後に、先進的な放射線測定器の紹介がありました。

かつて携帯電話型の放射線測定器があったそうです。価格などの情報は見つからないので販売はされていないのではないかということでした。

後ほど私が、ベラルーシにある販売元に問い合わせてみたのですが、携帯電話のモデルチェンジに合わせて測定器の外装設計をやり直すのは大変なので、BluetoothかIRでPCと連携するモデルに移行したとのことです。この会社では腕時計型の測定器なども販売しています。

携帯電話型の放射線測定器の紹介

すべてのチームの発表が終わると、代表の選出に入りました。
投票のルールは試行錯誤したのですが、会津若松会場からは放射線関連チームが選ばれました。

代表の選出

各会場の代表が決まると、それぞれの会場を中継しての発表が始まりました。

高松は会場を閉める時間が早かったため、残念ながら同時中継には参加できませんでした。

高松の発表の録画はここにあります。

(Sahana関連、音声読上げのWebサービス、Bluetoothによるチャット、感電水冷服、ガイガーカウンターとAndroidの連携について発表されています。)

東京会場からは『復興イイネ』チームが発表しました。

これは復興を支援しているサイトにボタンを設置し、ソーシャルに評価してサイトを相互に結びつけるようなことを狙ったサービスです。
ユーザーから高い評価を得たサイトは、投票結果ページで目立つようになるそうです。

東京会場の録画

仙台会場からは『復興時計』というプロジェクトが発表されました。

震災から復興してゆく風景を刻々と表示することで風化防止を狙ったものです。これはAndroid版とiPhone版のプロトタイプが作られました。

次は福岡会場からの発表で、『donatter(どねったー)』です。

このプロジェクトは3月21日、最初のハッカソンから開発を続けているもので、今回はAPIの機能拡張を実施したそうです。
義援金や献血などの貢献の様子を可視化することで、楽しみながら支援を続けられるようにすることを狙ったサービスです。Android版とiPhone版、Webアプリ版のプロトタイプが作られていました。

福岡会場の録画

そしてここ会津若松会場から、ガイガーカウンターチームの発表が始まりました。
この発表ではハードウェアと連携する動作もビデオで中継でき、離れた会場にも臨場感が伝わったと思います。
このチームは手がけている領域が広く、短時間での発表が難しいのですが、うまくまとめて良い発表をしてくれました。

どのプロジェクトも素晴らしい成果だったと思います。開発者のみなさん、おつかれさまでした。

もうすぐ、二日間のイベントも終わりです。

スタッフの及川さんからのあいさつがありました。


今回のイベントでは放送の中継など、多くの準備不足がありました。
ですが私たちにも、何が正解かが分からないので、試行錯誤しながら進めているところなのです。
Hack For Japanには強固な仕組みはまだないのですが、開発者が復興へ向けての思いを一つにするような活動になってきていると思います。
この活動を継続していくために、みなさんの更なる協力をお願いします。
今回のイベントにご協力いただいた方々、ありがとうございました。

私も自分のプロジェクトを進めることと、よりよい運営のために努力を続けたいと思いました。

続いて、協賛していただいている会社からの書籍がもらえるジャンケン大会を開催しました。オープンソースカンファレンス特製トートバッグも追加です。

ご提供いただいた書籍は、翔泳社さん「10日でおぼえるAndroidプアリ開発入門教室」、日経BP社さん「クラウド活用のためのAndroid業務アプリ開発入門」、技術評論社さん「Software Design」でした。ありがとうございます。

ジャンケン大会

最後に、会場の産学イノベーションセンター(University Business Innovation Center) 前で集合写真を撮りました。終了後しばらく経ってからだったので、帰ってしまった方もいるのが残念です。初日も撮ればよかったなと思っています。

会津大学 産学イノベーションセンター前

今回のイベントでは、開発を本分としていない人も多く参加されていました。
実際にはアイデアソンでの意見の交換や、ハッカソンでも企画を提案するなど、開発者ではない方の協力が必要なことも多くあります。
これからもそういった方々に積極的な参加を呼びかけてゆきたいです。

実際に現地を訪れてみて、地元の人の話を聴くことには代えることのできない価値があるのだということを実感しました。
肌で状況を理解するということだけではなく、人と会って話すことで生まれたものがありました。
震災支援のシステムを遠地から開発されている方は、現地での使用状況や、地元の人の顔を思い浮かべながら作業をされてみてはいかがでしょうか。

また、会津若松は風評によって観光客が激減しているというようなこともあります。
自然があり、歴史と美味しい食べ物もある会津若松をぜひ訪れてみてください。

今回は大規模なイベントを開催して成功させることができました。
これほど大きなイベントでなくても、着実に活動を続けてゆくことが大切だと思っています。

今回のイベントに参加してくださった方、ご支援くださった方に感謝します。
どうかこれからもHack For Japanへのご協力をよろしくお願いします。

Hack For Japan スタッフ 石野正剛

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