月別アーカイブ: 2014年3月

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その2)

先日の第1回のクロスオーバー振り返りイベントレポートでは宮城県の様子をお伝えしましたが、今回は福島県からの発表の様子をお伝えいたします。福島県は大きく分けて浜通り、中通り、会津と3つの地区に分けて語られることが多いですが、これは歴史的に異なる藩から派生した3つの県が過去、統合されて福島県が誕生した経緯があり、それゆえに3つの地域でのITエンジニアの交流が、現代に至るまでそれほど進んでいなかったという課題がありました。


しかし、東日本大震災や原発の問題をきっかけにHack For Japanもハブになることで、3つの県のエンジニア達がつながりを見せています。


そんな様子を少しでも2回目の本レポートで感じていただければと思います。

産学連携と復興や新しい世代の芽が垣間見える会津

福島県からの発表のトップバッターはHack For Japanのメンバーでもある佐々木さん(@gclue_akira)の会津地方の紹介から始まりました。福島は皆さんもご存知の通り、原発の問題が依然として継続しており、立ち入りできない土地は現在も数多くあります。そうした状況の紹介を冒頭に、震災以降、会津で実施されたHack For Japan関連のハッカソンや先日このブログでも紹介したHack For Town in Aizuを紹介いただきました。そのハッカソンの中で会津工業高校に寄付されたAndroid端末を用いてガイガーカウンターなどを開発したのを切っ掛けに、ハッカソンに参加するようになり、会津大学に進学しても継続して活動に参加し、先日に市長賞を受賞した五十嵐太清くんが新たに育つ若い芽として紹介されました。


五十嵐くんは前回のレポートでも紹介したイトナブの増くんと連携し、東北TECH道場を会津で開催する準備を進めています。このように各地で確実に若い芽が育っています。そして、Hack For Japanの流れからCode for Aizuが生まれ、行政の人達とも緩やかにつながりを作りつつ、地域の消火栓マップの開発や、地域に根ざした活動が見られ、こうした活動が最近では頭に「震災」の文字が付かずとも地域のために行われるようになってきたことから、本当の意味での復興が見えてきたとのことでした。


「ふくしまの未来=希望」を目指すエフスタ!!郡山

続いては、郡山での活動から徐々に東北や東京まで活動の幅を拡げ、Hack For Japanでも何度か連携させていただいているエフスタ!!の大久保さんからの発表は浜通り、中通り、会津の土地柄としての隔たりがあった福島県のITエンジニア達が、震災をきっかけに、そしてこのクロスオーバー振り返りで集い、つながったことの喜びから始まりました。


浜通り、中通りは原発の問題で依然として制限された生活を強いられており、食べる、遊ぶなど多くの面で課題があり、福島では現状復帰という復興よりも、安心して暮らせることが求められているというお話でした。エフスタ!!は以前、Hack For Japanからも紹介させていただいた通り、勉強会を中心に活動し、現在は福島の今も伝える活動を東北各地、そして東京などでも行っており、震災前より元気な福島、福島は面白いぞ!というのを福島の子供達にも感じ取ってもらえるよう頑張っています。発表の締めくくりはエフスタ!!に参加するメンバーひとりひとりが一言メッセージを発表するという形で締めくくられました。このブログの最後に各地の発表の様子を収めた動画を掲載していますので、ぜひエフスタ!!メンバーのメッセージをご覧ください。 


放射線被災下でITに活路を見出す南相馬

福島第一原発がある浜通りの南相馬からの発表は南相馬ITコンソーシアムの立ち上げに関わられている田中さんからの報告となりました。まず冒頭に日本各地、世界各地から寄せられた南相馬への支援の数々への感謝から始まりました。南相馬がある浜通りは津波被害が大きな地域と事故当時の風向きで放射線の影響が大きくなってしまった地域などが入り組んでおり、それぞれに違った対応が迫られているとのことです。その中でも、人口流失の問題があり、震災直後に9割近くの住民が避難し、震災から3年がたった今でも以前の6割程度の住民しか戻ってきていないとのことでした。

また、その中でも南相馬の産業の中心だったサービス業などに従事していた若年層の流出が著しく、新たな産業を南相馬で見出さなければ街がダメになってしまうという強い危機感の中、放射線被災下においてもやっていける新規事業を模索するなか、IT産業に活路を見出したそうです。しかし、IT技術を教育しても他地域に技術者が流出してしまう問題は解決しません。そんな課題から教育プログラムから雇用までをサポートする南相馬ITコンソーシアムを立ち上げたとのことでした。


エンジニアが1人も居ないところからスタートし、ITに力を入れている岐阜県大垣市に協力を依頼し、南相馬へPMを派遣して合宿形式でシステム開発の習得に腐心した結果、エンジニアも育ち、現在までの実績として映画や球団、TV番組の公式アプリ開発を21本ほど受注し、納品されたとのことでした。そして、他の被災地域と同じく、若年層の育成にもプログラミングワークショップなどの形で力を入れはじめているとのことでした。


そして、報告の中で宮城県石巻市で復興活動に取り組んでいるイトナブとのつながりも出来たという話があり、各地で活動している人達が有機的につながりはじめ、ナレッジを共有する様が伺えました。

福島では放射線というITの力だけではどうにもならない問題がありますが、それでもITの力を活かし、復興の足がかりになっているという素晴らしい報告が続き、3つの地域のつながりも見えた福島からの報告でした。

会津の発表(YouTube)

郡山の発表:エフスタ!!(YouTube)

南相馬の発表(YouTube)

次回のレポートでも、残りの他地域からの発表の様子をお届けします。お楽しみに!

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その1)

先日にお知らせしました東日本大震災から3年目となる節目の2014年3月11日に開催されました3年のクロスオーバー振り返りイベントの様子を数回に分けてレポートしたいと思います。


今回のクロスオーバー振り返りではGoogle+ハングアウトオンエアを利用し、宮城県からは仙台と石巻の2会場、岩手県からは釜石、福島県からは中通りの郡山、浜通りの南相馬、会津のそれぞれにある3会場、その他、東京、大阪、海外のシドニーから、それぞれ中継で各地で活動する開発者達を繋ぎました。


レポートの1回目は宮城県からの発表の様子をお伝えしたいと思います。

被災地への黙祷と主旨説明

このイベントのファシリテーターは宮城県で活動するHack For Japanのメンバーでもある小泉さん(@koi_zoom1)さんの挨拶から始まり、各会場の様子を中継して、一通り会場に集まった参加者の様子を映した後、小泉さんの合図で各会場にて黙祷を捧げました。


振り返りでは、ひとり10分を目安に各会場の代表者が、これまでの活動の振り返りを発表するスタイルを取りました。この3年間の活動を振り返り、良かったところ、不味かったところを共有することで、これからの活動のヒント、各地の活動で得られたナレッジを得ることを目指しています。


笑顔と共に立ち上がる塩竈

トップバッターはファシリテーターを務める仙台会場の小泉さんから、自己紹介と共に震災当時の様子の振り返りを行いました。小泉さんは震災当時、塩竈在住で自宅が津波被害にあい、当時は自宅で釣りができたという話を交えつつ、このブログでも紹介した浦戸諸島の様子と弟さんが浦戸諸島の漁業を復興を目指すために始めたクラウドファンディング「うらと海の子再生プロジェクト」の紹介をしてくれました。このプロジェクトは国内のクラウドファンディングの中でも大きく成功しています。また、仙台でも何度か開催されたHack For Japanのハッカソンでは、継続した開発が行われたプロジェクトの少なさから、継続した町おこしの取り組みとなるよう、Code for Japanと連携し、Code for Shiogamaを立ち上げ、いくつかのイベントや島をハックする島ソンを企画中と話してくれました。震災当時の復旧復興の段階から、塩竈の楽しさを伝え、今以上に多くの人を現地に呼ぶことにつながる活動の段階に移っているという話でした。楽しさを伝えるUST企画など、今後の小泉さんの活動にもご注目ください。


同じく、塩竈で活動されている土見さんの発表では、上述の過去にこのブログで紹介した塩竈の被害を抑えたがゆえに被害が甚大だった浦戸諸島が、震災以前から高齢化を迎えている状況も合わせて、ここで復興につながる活動の実現は他被災地でも良いモデルケースになると考えられています。


震災当時、避難所を巡って塩竈の安否情報をTwitter上で発信していた土見さんに呼応する形で人々が集まり「よみがえれ!塩竈」という団体が立ち上がりました。この団体は塩竈出身者と塩竈在住者で構成されていて「塩竈でがんばる人達を応援する」という目的に沿って各自が「できることを、できる人が、できる範囲で」をテーマに無理のない範囲での活動を行ってきました。直後の安否確認から復旧後は塩竈の特産品の地方販売などを手がけ、現在では塩竈のコミュニティ創出を支援する活動に注力し、地元にゆるい繋がりをもったコミュニティを形成し、地元を見つめ直す機会を作るため、気軽さや楽しさを伝えていくことを目指しているそうです。やはり小泉さんと同様に3年が経ち、緊急度の高いことから、時間をかけて継続した活動をする上で、楽しさや気軽さを活動の中で提供していくという変化が伺えました。


被災写真とITから家族の絆の再認識につながった山元町

仙台会場の最後の発表者は宮城県山元町で被災した写真デジタル化と持ち主への返却を行う「思い出サルベージ」を運営されている溝口さんの発表は、街の半分が津波による水害で人口の4%の人が亡くなるほど被害が甚大だったにも関わらず、メディアで取り上げられることがほとんど無かった山元町の状況をネットの力で伝えたいという想いから、この街との関わりを持ち、予想外のところからこのボランティア活動が始まったということでした。震災当初、パソコンの設置などを行ったがお年寄りも子供も有効に利用することが出来なかった課題があり、パソコンで何がしたいかということをヒアリングして回った時に、津波被害にあった写真のデジタル化の要望が出たことを切っ掛けに思い出サルベージが始まりました。洗浄した写真をデジタル化し、持ち主に返していく過程で溝口さんは写真が被災者にとって切実なニーズだったと気付いたそうです。


津波被害が大きかった山元町では時間の経過にしたがって、被災者の人達の会話が「生きていて良かったね」から「ご遺体が戻ってきて良かったね」そして「写真が戻ってきて良かったね」に変わり、「これでようやく妻の遺影が作れる」といった言葉をかけていただいたこともあったそうです。津波に家を流されてしまった方も多く、自分がどう生きてきたかといったアイデンティティを昔の写真の中に見出したり等、写真が人々の心の拠りどころであることが分かり、写真をITの力を使って返していく中で、顔認識技術がご家族を見つけたり、両親と間違って認識される過程で家族との繋がりを再認識したりなど、ITの力でひとつの写真の意味合いにも広がりが出たそうです。被災地の予想外の出来事の連続に対応していく中で、ITの活用できる領域、やり方に応じて見出せるITの可能性に気付いたとのことでした。


中高生が大人の背中を見てITを学ぶ石巻

おなじく宮城県の石巻会場からは「イトナブ」の代表である古山さんによる発表でした。冒頭、2014年3月11日の震災の時刻に石巻港に鳴り響く哀悼の警笛と共に黙祷を捧げている古山さんの姿の動画から発表が始まりました。あの日を境に夢や希望、家族や友達など多くの想いのつぼみが失われてしまった代わりに、多くの人との出会い、その繋がりを今は大切に、そして太くしていこうと思いを新たにしたとのことでした。イトナブは震災からの復興だけでなく、震災以前の元の石巻に戻したくないという古山さんの思いから、10年後の2021年までに石巻から1000人のIT技術者を輩出することを目標に活動しています。当初、イトナブとは「IT x 学び x イノベーション x 営む」の造語でしたが、参加する子供達が遊びを通して学んでいく様子から最近では「IT x 学び x イノベーション x 営む x 遊ぶ」の造語に変化したそうです。


イトナブの方針は「学び方」に表れていて、教育のカリキュラムや教科書、パソコンなどの機器を用意するだけではダメで、子供達がプロスポーツ選手に憧れを持つように、いかに大人のIT技術者の背中に憧れを持ち、自ずとそうした大人達を目指して学んでいく環境を用意していくかということを常に意識しているとのことでした。


そうした子供達を触発するだけではなく、イトナブに関わる大人達もそうした子供達に触発されていくことが、過去に開催された2回の石巻Hackathonから見えてきているようです。今夏も石巻Hackathonは開催されるとのことで、このブログをご覧の皆さまも大人の背中を見せに、そして、そこから刺激を受けて子供達と共に成長するために、2014年7月25日から27日の予定は空けておき、ぜひ、石巻Hackathonに参加しましょう!


他地域からの発表の様子もおってレポート掲載していきますので、お楽しみに!

仙台の発表(YouTube)

石巻の発表(YouTube)




街をハックする! Hack For Town in Aizu開催レポート

2月15日、16日にHack For Japan主催によるHack For Town in Aizuが開催されました。今回はそのレポートをお届けします。Hack For Townとは、最先端テクノロジを用いて街中に設置された最先端ハードウェアをハックするという主旨のイベントで、将来的には最先端テクノロジを用いて新しい街を創造することを目指しています。その第一回目の場所が福島県会津若松市となりHack For Town in Aizuとして開催されました。
会津若松市には、会津若松駅からクルマで5分ほどのところに神明通りという商店街があります。今回はこの神明通りの各所にiBeaconデバイスを設置し、商店街という環境ならではのロケーションを活かしたHackathonに参加者たちがチャレンジしました。

商店街各所にある天井付近のポールに設置されたiBeaconデバイス

またiBeaconデバイス以外にもDrone、Oculus Rift、3Dプリンタ、Raspberry Pi、人感センサ・湿度センサ・温度センサなどを搭載した環境センサ(今回の協賛であるフリービット株式会社の提供)といったハードウェアに加え、市内企業が保有しているfabスペース、APIとしては会津若松に関するオープンデータなどが案内され、さまざまなハードウェアやデータを組み合わせた開発ができるような環境が用意されていました。

iBeaconデバイス
Raspberry Pi、3Dプリンタ、Droneなども
環境センサ

Hack For Town in Aizuの事前の情報についてはwikiを使ってまとめられており、参加者はこちらで概要をつかむことができるようになっています。

一日目。大雪の影響から開始を遅らせてのスタート

Hackathon当日。この日は雪害となる大雪で交通機関に影響が出ており、Hackathonの運営にも大きな支障をきたしました。そこで一日目の午前中に予定していた開始時間を遅らせてスタート。午前中は参加者の来場状況を見ながらHackathonを進めていくことを決定し、予定されていた参加者からのアイデアピッチを午後からとして、Hack For Japanスタッフであり、今回のイベントの提案者でもある佐々木からiBeaconについてのレクチャーがなされました。 次にHack For Japanスタッフの及川からHack For Townの説明があり、最後にフリービットの渡邉氏から環境センサについての説明がなされました。この環境センサは佐賀県唐津市と同社による「高齢者向け安心見守り・健康相談システム」の実証実験に使用されているものでもあるそうです。なおこの間、東京方面から向かっている参加者たちが郡山で足止めされているにもかかわらず、めげずにカフェに集まって自主的にHackathonを始めているという情報を受け、彼らに向けて急ごしらえの動画配信を行いました。

佐々木によるiBeaconデバイスのレクチャー

昼食では会津若松市役所のご好意によりソースカツ丼のクーポン券が配られました。会津若松はソースカツ丼が名物で、市内にはソースカツ丼を提供する店が複数あります。参加者はクーポン券を使って好みの店でソースカツ丼が食べらるという、地方ならではの楽しみが得られました。

午後から本格的にHackathonに入りました。参加者各々が考えているアイデアを披露し、興味のあるアイデアがあれば、そこに参加するチーム分けを行った後、開発が始まりました(この日のアイデアピッチについては、Fukushima Internet television Chのyoutubeにてご覧いただけます)。ここから二日目の夕方の成果発表までが開発の時間となります。この時点ではまだ郡山で足止めされている参加者たちもいるため、彼らにどんなプロジェクトがあるか把握できるようプロジェクトの概要を各参加者にシートに記入してもらいました。

一日目の夜には懇親会が開かれました。名物の馬刺しや、貝柱を出汁に人参・しいたけ・糸こんにゃくなどの入った汁物のこづゆと呼ばれる郷土料理を堪能しているところへ、ようやく郡山に足止めされていた参加者たちが到着! 

#hack4town 今着いた東京組、東京出てから24時間で到着とか、郡山でのトランジットに時間かかったとか、笑っているけど、本当にお疲れ様!!
— 及川卓也 / Takuya Oikawa (@takoratta) 2014, 2月 15

というツイートがあったくらいに困難な状況だったことから、遅れてやってきた参加者たちは、大きな拍手とともに迎えられたのでした。

二日目。地産の食材を使った蕎麦を堪能! そして各自の発表へ

二日目の午前中も前日から引き続いてのHackathonです。参加者たちはもくもくと開発に集中しています。この日の昼食は、地元の食材を使ったそばでした。わざわざこの日のために何日も前から仕込みをしており、参加者の想像を上回る手の込んだ蕎麦でした。 水蕎麦…水を注いで蕎麦の感触を味わう 高遠蕎麦…大根おろしと大根おろしのつゆ、蕎麦つゆを合わせて味わう 地鶏蕎麦…地鶏を煮込んだつゆで味わう といった3種類の蕎麦を用意されており、地元わさびをその場ですって、ニシン・しいたけ・薬用人参・クレソンのかき揚げ・野菜いろいろのミックスのかき揚げの天ぷらを好きにトッピングしていただける上、さらには会津若松のお米まで炊いてあるという、味も内容も素晴らしい昼食でした。

地産の食材を使った蕎麦。美味!

昼食を済ませて参加者は発表に向けてラストスパート。いよいよ夕方の発表です。発表では室井 照平市長、会津大学 次期理事長兼学長 岡 嶐一氏、リモート参加でNTT ドコモ 執行役員&研究開発推進部部長 栄藤 稔氏、協賛いただいたアクセンチュア株式会社の中村 彰二郎氏を審査員として迎えました。以下にプロジェクトを簡単に紹介します。Fukushima Internet television Chで詳細の動画が見られますので、興味のある方はそちらもご覧ください。 サックマンのパックマン街中に設置したiBeaconをエサに見立てたAR版パックマン。ゲームとしても、スタンプラリーとしても活用できることを目指したもの。 Anko-KivyKivyというPythonで記述するNUIでフレームワークを作成。BLE, iBeaconをマルチプラットフォームで使えるようにする。 BoarDrone利用者の持っているAndroidでiBeaconの信号を受信すると、その場所にDroneが飛んできて案内をするというもの。 iMenu最寄りのiBeaconを検知してユーザーがいる店舗の情報を取得し、メニューを表示するシステム。 障害者のための障害物検知アプリ目の不自由な方に対して、例えば滑りやすい道や工事中で通れない道、段差のある道があった際に音声で通知してくれるアプリ。 消えたプリンセスを探せ!  神明通りの各所に設置されたiBeaconから情報を得て、神明通りに逃げ込んだキャラクターを探すアドベンチャーゲーム。 一緒に歩こうiBeaconの設置してある場所に行くと女性の音声が流れる。設定された速度で歩かないと声が遠ざかる。二次元キャラとリアルに歩く感覚を追求したアプリ。 会津クライシスGoogleストリートビューの神明通りを取り込んだDroneを使ったシューティングゲーム。向かってくるゾンビを打ち倒す。 トロッコ列車神明通りをトロッコが走る3DゲームをUnityを使ってめざした。 動物レストラン親子連れをターゲットに商店街に行くきっかけを作るためのアプリ。商店街に設置したiBeaconを果物のエサと見立てて、その果物を動物に見立てたiPhoneが食べるというもの。 ぴかりiBeacon のハード制御によって通信でLEDを光らせる。特定のiPhoneが近づいた時にiBeaconが光る他に、音声を流してしゃべっているように見せることもできる。 上記のようなプロジェクトが発表されました。今回は市長賞、Hack For Japan賞、会津ゲームLAB賞が用意されており、市長賞は「BoarDrone」、Hack For Japan賞は「障害者のための障害物検知アプリ」、会津ゲームLAB賞は「消えたプリンセスを探せ!」がそれぞれ受賞しました。 市長賞は「BoarDrone」は、まだまだ荒削りではあるもののイベントなどでDroneを使って何かやれそうな点、Hack For Japan賞の「障害者のための障害物検知アプリ」は、将来的な実用性が非常に高い点、会津ゲームLAB賞の「消えたプリンセスを探せ!」は、BLEの普及に欠かせないゲーミフィケーションを取り入れた完成度の高いアプリをつくった点が、それぞれ評価されました。表彰式の動画はこちらからご覧いただけます。 今回、街をハックするというはじめての試みで開催されたHack For Town in Aizuでしたが、数多くの方々の協力の下、運営がなされていました。前述の協賛の方々に加え、株式会社あくしゅの山崎泰宏氏や株式会社デザイニウムの前田 諭志、NPO法人福島インターネットテレビジョンの鷲山 英喜氏、Fandroid EAST JAPAN原 亮氏にも尽力いただきました。 また市役所の方々が運営のサポートに入ったこともお伝えしておきます。開催場所も市役所の会議室や会津若松市生涯学習総合センターを提供いただきました。さらに大雪の影響で行きも帰りも到着までがHackathonとなってしまった参加者の方々においても、感謝の意を申し上げます。

市役所にはHack for Town in Aizuの案内が

「日本には実際のフィールドでセンシング、IT機器、クラウド連携を試せる場所がない。アメリカのサウスバイサウスウエストのようなイベントが日本であってもいいんじゃないか。『会津若松に来れば二日間だけは街中を自由にハックできます』といったITの実証実験ができるような、そういった仕組みをつくるためにHack For Townを開催することにしました。地方も東京も同じですが、商店街に人が来ませんとか、お年寄りが増えていますとか、そういった根本の問題解決を解決するきっかけにもHack For Townはなるんじゃないか」 スタッフ佐々木のそんな想いからはじまったHack For Town。実行委員会も立ち上げる予定ですので、またイベントが開催されることと思います。次回のHack For Townで皆様にお会いできるのを楽しみにしています。参加された皆様、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

関連リンク Togetterまとめ Hack for Town in Aizu -新しい町を作る町ハッカーソン #hack4town
iBeaconのアプリやライブラリ、その他の関連情報をハッカソン用に記録〜その1

Hack for Town in Aizu というハッカソンに参加してきました Hack For Town動画再生リスト(youtube) Hack for Town in Aizu イベントレポート。 福島日報 ソフト開発腕競う 若松で大会

3.11 3年のクロスオーバー振り返りイベント開催のお知らせ

2011年3月11日の東日本大震災からもうすぐ3年が経とうとしています。

この節目となる3月11日に、Hack for Japanでは3年間の振り返りととこれから何をして行くべきかについて、被災地の各会場と東京や大阪の開場を結び、震災とITの関わりを振り返って行きます。海外からはスタッフの及川がシドニーから参加します。

アクションを取り続けて来た人達がこれから何をして行くのか。そこに我々がこれから震災復興に対してできることのヒントがあるはずです。是非ご参加ください。

参加は各会場からの参加とGoogle+ハングアウトオンエアによるオンラインでの参加のどちらも可能です。オンラインでの参加の場合は開始前にFacebookのHack For Japanグループに参加のためのURLを共有いたしますので、そちらからご参加ください。この場合はハングアウトでは視聴のみとなり、質問などはテキストベースでいただくことになります。

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」開催概要

※スピーカー、会場については予定のため変更となる可能性があります。ご了承ください。

【開催時間】19:00〜21:30(会場によっては21:00終了)

【スピーカー】

スピーカーとしては以下を予定しています(会場の50音順)。

国内

・会津会場:佐々木 陽(Hack for Fukushima/Hack for Town)
拠点である会津若松を中心に復興支援に取り組む。最近では最新のハードウェアやガジェットを使った新しい街づくりをめざすHack for Town in Aizuを開催した。

・石巻会場:古山 隆幸(イトナブ石巻)
石巻に「10年後に1000人のIT技術者を育成する」ことを目標にイトナブ石巻を設立。キャラの立った若者達が育ちつつある。

・大阪会場:
角 勝(大阪市役所)
地方発のイノベーションに大阪イノベーションハブから挑戦中。ハッカソンの「作ったきり」になる問題に対し、大阪イノベーションハブでの試みを紹介。

佐藤 拓也(Fandroid Kansai)
東北と同じく震災経験のある関西の地でFandroid Kansaiを設立。3/1に2つの震災を繋ぐイベントを開催。

鷲見 英利(KAI OTSUCHI)
津波で多くが流された大槌町に設立されたKAI OTSUCHI代表理事。iPhoneアプリ開発のスキルを身につけ、デジタル絵本の開発等を行う。

・釜石会場:西条 佳泰/西条さやか(LiFESTYLE Lab.)
震災後に都内のIT企業と広告代理店をそれぞれ退職し岩手県釜石市にUターン。地方におけるICTの利活用や様々なライフスタイルを通した地域振興の発展を目指し活動している。

・郡山会場:大久保 仁(ITスキルアップコミュニティ エフスタ!)
「ITスキルアップコミュニティ エフスタ」代表。福島への愛を強く持ちながら、東京や仙台でもITイベントを開催する等活躍中。郡山から震災に屈しない魂を歌う!

・仙台会場:
小泉 勝志郎(Hack for Miyagi/Code for Shiogama)
主に仙台でITイベントを多数開催。震災復興では宮城県の離島浦戸諸島の養殖漁業再生プロジェクト「うらと海の子再生プロジェクト」で幹事をつとめる。新しくCode for Shiogamaを立ち上げ、地元の震災復興をITで行おうとしている。

土見 大介(株式会社Haptech)
塩竈市の震災復興団体「よみがえれ!塩竈」の現地リーダー。震災復興のフェーズが変わるなかでの活動の仕方の変化とこれからについてを語る。

溝口 佑爾(日本学術振興会特別研究員・京都大学)
山元町で津波で流されて持ち主不明になった写真約75万枚を、ITを利用しながら救済・返却するプロジェクトである「思い出サルベージ」の代表。

・東京会場:石森 大貴(ゲヒルン株式会社)
石巻市出身。震災当時、節電のために「ヤシマ作戦」をTwitterで呼びかけ、多くの賛同を得た。以降、Twitterアカウント特務機関NERV(@UN_NERV )にて迅速な災害情報の告知で活躍中。

・南相馬会場:但野 謙介(南相馬市 市議会議員)、田中 章広(株式会社リンケージ)
震災と原発事故により、7万人のうち半数もの人がいまなお避難している南相馬。放射線被災下でも「風評被害」を受けない新たな産業を生み出すため、南相馬ITコンソーシアムを立ち上げる。

海外

・シドニー会場:及川卓也(Hack for Japan)
Hack for Japan立ち上げからのスタッフ。3年間を振り返り、これからについて語る。

【タイムテーブル】

準備中

【会場】

・東京会場
ヤフー株式会社  1172 セミナールーム
東京都港区赤坂9-7-1ミッドタウン・タワー 11F

・大阪会場
大阪イノベーションハブ
大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタワーC 7F

・仙台会場
データコム株式会社会議室
宮城県仙台市青葉区本町1-13-22 仙台松村ビル6F

・郡山会場(20:55で終了)
郡山ビッグアイ
福島県郡山市駅前2丁目11−1

・南相馬会場
南相馬ITコンソーシアム 福島県南相馬市原町区本町1-31 四葉ビル1F

・会津会場
株式会社デザイニウム 福島県会津若松市中町1−40 イワタビル5F

・石巻会場
イトナブ石巻
宮城県石巻市中央2-10-21 サトミビル1F右

【参加申し込み】

Facebookのイベントページからお申込みください。

郡山会場に参加されたい方は「こくちーず」からお申込みください。