投稿者「Hal Seki」のアーカイブ

Race for Resilienceハッカソン 石巻会場レポート

Race for Resilienceは「発展途上国×防災・減災」をテーマにしたグローバルハッカソンです。アジア数カ国およびハイチ、ロンドンでのハッカソンの後、各国の最優秀プロダクトはグローバル審査に進み、7月にロンドンでグローバルアワード表彰式が行われます。2/8〜9に日本では東京と名古屋と石巻で行われました。

石巻会場の運営主体となったのはHack For Japanで継続して支援しているイトナブということもあり、石巻会場で参加した及川、高橋の両スタッフは「石巻の若者をロンドンに連れて行くぞ!」と勝手なる使命感に燃えて参加しました。しかし、その一方で、石巻の参加者とGoogle+ ハングアウトを通じた企画・運営会議やアイデアソンなどをする途中から「東京から来た大人だけが妙に熱くなっている」という状況は避けなければいけないとも思い始め、何をゴールにするかは少々悩ましい部分もありました。

ハングアウト経由で参加したアイデアソンには石巻の女子高生なども参加していました。東日本大震災を経験した中からアイデアを考えようということで、被災時のことを思い出して語ってくれました。口調はいわゆる今どきの女子高生。「まじやばいと思ったのー」とか「ちょー焦って」など。ですが、その内容は聞いているこちらの方が涙を流さずにはいられないような話でした。彼女を始めとする地元の若者が語ってくれた体験が心に響き、ハッカソンで勝者になることだけにこだわり過ぎるよりも、その純粋な想いを大切にしたいというのが、及川と高橋の両名が思ったことでした。

また、高橋の気持ちとしては、「及川さんは審査員としての役割があるので、何処かのチームを積極的に手伝うということは出来ない立場のはず。であれば、自分がどこかのチームの一員として技術的にガッチリとサポートしなければ」と「今回はスタッフ的な立場ではなく、ガチに開発者として参加させて下さい」とお願いしたのでした。

一方の及川は審査員メンターとしての参加ではあるものの、特定のチームではなく、全チームに対して公平にアドバイスすることは問題ないと事務局に確認をとっていましたので、石巻会場参加チーム全体のレベルアップを図り、ロンドンへの道を切り開くことを考えていました。そのため、本来ならば審査員としては2日目の審査までに会場入りしていれば良いのですが、運営も手伝うつもりで、前日入りしました。2日目の会場入りなど考えなくて正解だったことは後ほどわかります。

91年ぶりの大雪

石巻は東北地方の中にあるとは言っても、太平洋側に面していると言うこともあり普段はそれほど雪が積もることはありません。ところが今回はかなりの積雪に見舞われることとなり、1日目の最初は「東京は雪が積もっているらしいけど、こっちはまだカラッとしてるよ」などと余裕を見せていたのもつかの間、やがて降り始めた雪は全く止む気配を見せずどんどんと積もっていき、2日目の朝には「こんなに積もったのは91年ぶり」という状態になっていました。会場の商業高校に辿り着くこと自体が難しく、まずは会場に辿り着くことをハックしなければという状況でした。

そんな大変な雪の中ではありましたが、1日目の夜にはかまくらの中で開発するメンバーもいました。

チームと審査結果

1日目の最初のアイデアピッチからチーム分けがされました。ここでは最後の成果発表の順にチームを紹介します。

石巻では全部で7チームが編成されました。

最初に発表した石巻日日こども新聞チームは、「Anti-Disater MANGA」という名の子供の防災教育を目的としたアプリケーションを提案しました。これは石巻の子どもたちが作成した漫画を元にしたスマートフォンアプリケーションで、ただ見るだけではなく、キャラクターのカスタマイズなどを通じて子どもたちがより身近に感じられるような工夫を凝らしています。石巻の子どもたちの現実の被災体験を元にしたリアルな話を漫画というわかりやすいフォーマットで全世界に配信することを可能にしています。

2チーム目はTeam Y2でした。チームとは言うものの、1人チームで、ほかのチームにも所属しながら、個人として開発した「GIS Portal Site」を発表しました。これは発災時に重要となる地理情報システム(GIS)をよりリッチにするアイデアで、テキストだけではなく、グラフィックを多用することで利便性を高めることを目的としています。

3番目に発表したのはチームJAPAN。名前にJAPANを入れてしまうことから想像できるように、最初から日本代表になる気マンマンで乗り込んだチームです。災害時に優先度の高い課題を「情報のトリアージ」の形で優先順位付けするフレームワークである「Disaster Response Bootup Kit」を提案しました。ちょうど今テレビドラマにもなっているDMAT(Disaster Medical Assistance Team/災害医療派遣チーム)に支援を要求する立場になった人のために、状況や発災からの時間に応じてすべきことをToDoリストのように表示してくれます。発災時にはアプリケーションを使えない可能性が高いため、紙の形でオフライン利用にも対応しているのが特徴です。

4つ目のチームはハック商工です。石巻商業高校のメンバーと石巻工業高校のメンバーがタッグを組んだため、このチーム名になっています。このチームが提案したのは、「絆」。被災時に情報、その中でも家族の安否が最も知りたかったことだという学びから、Bluetoothなどのすれ違い通信で安否情報を交換しあうアプリケーションを考えつきました。各端末がピアツーピアで通信しあい、その通信結果を共有していくことで、地域の安否情報を蓄積するものです。

5つ目は石巻ARチーム。ARという言葉からわかるように、AR(Augmented Reality/拡張現実)を利用したアプリケーションを提案しました。すでに、石巻イトナブのメンバーが「つなっぷ」というAR技術を使って、スマートフォンのカメラをかざすと被災時の津波の高さをARで表示するアプリケーションを開発していましたが、それに避難訓練の要素を組み込み、各地で使えるようにしたものです。「つなっぷ」がパワーアップしたということで、名前は「つなプラ」です。今までの津波対策の避難訓練は津波が来る前に逃げることを想定したものでしたが、実際に今回の東日本大震災では警報が届かなかったり、警報があっても逃げ遅れてしまったなどで多くの被害者が出ました。このアプリケーションを使うことで、津波の脅威をより身近に感じてもらうことができます。

6つ目は、「チームじぇじぇじぇとじゃじゃじゃ」。これは釜石と久慈の混合チームです。釜石は「釜石の奇跡」という名前で知られているように、市内の小中学生の生存率が99.8%でした。しかし、一方で防災センターの周辺で多くの人が亡くなるという「釜石の悲劇」も起きています。チームの開発した「D2RPG(DISASTER DRILL ROLE PLAYING GAME)」は防災教育をRPGの形式で行うものであり、スマートフォンやWeb、さらには紙媒体でのゲームブックでの展開も考えたものです。

最後の7チーム目は「Disaster survival toolbox」(プロジェクト名も同じ)。これは災害時に身近なものを組み合わせてピンチを切り抜けることを目的としたもので、発災前にいろいろなノウハウを集約し、発災にはオンラインだけではなく、紙でも利用できるようにと考えられたものです。たとえば、電気もろうそくもない時にツナ缶にこよりを入れてランプにするなど。チームの合言葉は「これで君も災害時のマクガイバーだ!」。

成果発表では、プレゼンテーションとデモを行いましたが、他会場に中継していた関係上、必ずしも十分に時間が与えられていたわけではありません。そこで、審査員が審査をしている最中に、追加質問をしたり、デモをしてもらうようにしました。そのような議論を経て、上位3チームが選ばれました。以下がそのチームです。

1位 石巻ARチームの「つなプラ」
石巻で被災した体験を元にした津波の脅威をAR技術で実現している点が評価されました。また、すでにPlayストアに公開する予定があるなど、アプリケーションの完成度とプロジェクトの継続性もポイントとなりました。

2位 Disaster survival toolbaxチームの「Disaster survival toolbax」
同じく石巻での被災体験を元にしたノウハウの共有というアイデアが評価されました。オンラインだけでなく、紙などオフラインでの対応も考えている点など、実用性という点でも高く評価されました。1位のチームと比較した場合に、プロジェクトの継続性がやや弱く、アプリケーションの完成度も1位のチームほど高くなかった点が差を分けました。

3位 チームJAPANの「Disaster Response Bootup Kit」
発災時に必要となるタスクをあらかじめ明確にし、発災時には適切なアドバイスをしてくれるという実用性が評価されました。オンラインだけでなく、紙でのオフライン対応を考えている点も良く考えられていると評されていました。ただ、DMATへの支援要請をするというシナリオに絞り込むまでに時間がかかったのか、全体的に詰めがまだ甘く、具体的にどのように使われるかがまだ明確でない点などで3位という結果になりました。

以上が上位3チームです。1位の石巻ARチームは世界大会となるロンドンに向けて、国内の最終選考に進むことになりますが、そのほかのチームにも敗者復活のチャンスも残されています。

1位の「つなプラ」チームはこの記事の冒頭で触れたアイデアソンで出て来た被災体験の話が着想の元になっており、スタッフの高橋が宣言通りガチでエンジニアとして参加してイトナブの学生と一緒に開発しました。もちろん企画を練るメンバーも強力な布陣で臨んだ結果ですので技術面だけの成果ではありませんが、ハッカソンを推進するHack For Japanスタッフとして、そして石巻の若者を応援する一人として、ロンドンに行くためのスタートダッシュを切るお手伝いが出来たのは喜ばしいことです。まだまだこれから国内での最終選考に向けてブラッシュアップしていく必要がありますので今後も継続してサポートしていきます。

懇親会

東京から来ていた我々は2日目である日曜の夜に帰る予定で、本来ならハッカソン終了後の懇親会は途中で後ろ髪惹かれる思いで帰路につかなければならないはずでした。しかし前述した大雪のために石巻から仙台までの高速バスが終日運休になったことでその日も泊まらざるをえない状況となり、思いがけず一緒に頑張った仲間達とゆっくりと語らう時間が出来ました。イトナブから近いオープンスペースIRORIで開かれた一次会では八戸のせんべい汁や会津若松から参加したチームが持ち込んだ地酒も振る舞われ、大いに盛り上がりました。

イベントの様子を撮影した写真はこちらからご覧いただけます。
またダイジェスト版動画もYouTubeにて公開中です。

Hack For Japanスタッフ 高橋憲一&及川卓也

Hack For Japan 3年目の活動目標「テクノロジーで社会的課題を解決する人のためのコミュニティー作り」

東日本大震災発生から立ち上がった Hack For Japan も、開始後2年が経過しました。我々は、以下の点を重視して3年目の活動を行なっていきます。
「テクノロジーで社会的課題を解決する人のためのコミュニティー作り」
具体的には、これまで Hack For Japan スタッフが主体として行なってきた、Hack For Japan 名義のハッカソンやワークショップを、Hack For Japan スタッフ以外のメンバーでも開催できるよう、オープンに活動していきます。
例えば、
・地域でのハッカソンやアイデアソン、ワークショップ、勉強会などの運営をお手伝いする
・地域でイベントや勉強会を運営するオーガナイザー間のコミュニティー作り
・ハッカソン運営のためのマニュアルやチェックリストなどのツールキット作成
・ハッカソン実施後の成果をまとめるためのサイト作成
など、社会的課題を解決するためのハッカソンを誰もが開催できるような仕組みを作っていこうと考えています。
これまで通り、自分たち自身でハッカソンやワークショップを開催していくことも行います。しかし、スタッフだけではない多くの人が繋がりハッカソンを実施していくことで、様々な地域でコミュニティーが出来上がることを目標として活動していきます。
2年目の活動
Hack For Japan の2年目は、震災復興では復興・復旧支援データベースAPI活用ハッカソンの実施や、現地での地図作りを行う復興マッピング活動、他にも未来に向けた取り組みとして被災地の高校生を対象にしたIT Bootcampなどを行いました。また、震災関連以外では、宇宙のデータを使った国際ハッカソン、「International Space Apps Challenge」 の日本地域のオーガナイズや、気象庁とのオープンデータハッカソン(GLOCOMのレポート記事)、国際的なオープンデータイベントである、International Open Data Day の東京地域のオーガナイズ(参加者のレポート記事)などをさせていただきました。
また、復興支援にITスキルを活かしたい方に対し、支援が欲しい人とのマッチングの機会を提供する、スキルマッチングの仕組みも開始しております。
最初のオープンデータ活用ハッカソンで生まれたプロジェクトの一つ、Spending.jp (税金の可視化サイト)は今では5都市に飛び火し、他の地域でも導入が進んでいます。

「ハッカソンは本当に有効だったのか」から始まった2年目の振り返り
Hack For Jpan 名義のハッカソンをスタッフ以外が行なっていくことになった理由をお伝えするには、まずはスタッフ間の振り返りミーティングの内容を共有する必要があります。Hack For Japan は当初から、1年毎に自分たちの活動を振り返り、活動を継続するか止めるかを検討することになっています。
振り返りミーティングは、スタッフの一人による「ハッカソンは震災復興に本当に有効だったのか」という問いかけから始まりました。ハッカソンは本来楽しいものであり、震災復興というテーマにハッカソンはふさわしくなかったという可能性はないか?という問いかけです。Hack For Japan ではハッカソンを中心に活動を行って来ましたが、残念ながら被災地で使われているものはあまりないと言わざるを得ない状況です。
しかしながら、中にはボランティアセンターのホームページリニューアルや、ハッカソンで生まれたアプリがその後も形を変えて使われているなどの成功事例もあります。そういった事例を分析してみると、「現地のニーズから生まれたものは役に立ったものが多い」というある意味当たり前の気付きが得られました。ユーザーの声が重要だということです。
また、デザイナーやディレクター、自治体関係者などの、エンジニア以外の参加者が少ないという問題もありました。技術的な面は検討できても、「実際にどう使われるか」といった面の深い検討や、ユーザーにどう届けるか、見せ方をどうするかといった点の検討が浅かったということもあったかもしれません。また、プロジェクトを客観的に評価し、助言を与えたりハッカソン実施後のプロジェクトの方向性に道筋をつけるための助言を行う存在(メンター)がいれば良かったかもしれません。
もう一つ不足していたのは、データです。例えば避難所の情報など多くのデータが、なかなか公開されていませんでした。ハッカソンという短時間では、既存のデータを組み合わせて役に立つ物を作ることが多いですが、そのために使えるデータが少なく苦労しました。
ユーザーの声、メンター、データを補完する
ユーザーの声、メンター、データ、その3つを補完することができれば、ハッカソンという手法そのものは変える必要はないのではないか。それが我々が見つけた仮説です。
データについては、これまで何度かオープンデータに関するハッカソンを行なっているように、これまでも色々と取り組んで来ました。これは引き続き行なっていきます。メンターについては、より多様な参加者を募ると共に、ハッカソン参加者のプロジェクトを継続して支援するような仕組みも考えたいと思います。
最後のユーザーの声についてですが、これは課題がある場所で開催することが一番だと考えました。
課題に対して真剣に、普段から取り組んでいる人がハッカソンの中心メンバーとして参画すること、これが必要だと思います。そのために、Hack For Japan のスタッフだけがハッカソンを企画するのではなく、誰もがハッカソンを開催できるような仕組みを考えたいと思っています。

そうした活動を通じて、Hack For Japanに参加する多くの人々の結びつきを作り、オープンデータを促進させ、次なる震災が起きた際にITによる復旧、復興支援活動が少しでも多くの効果をあげられるようにしたいと考えています。

今後の予定
2年目の活動ではオープンデータ関連のハッカソンなどにも活動の幅を広げて来ました。既に書いた通り、これからは誰でも社会的課題を解決するためのハッカソンを実施することができるような仕組みを作っていきます。まずは、近々ハッカソンを実施したい人のための具体的なガイドラインなどを公開していく予定です。
従来通りハッカソンやワークショップも実施しますが、宇宙データを使ったハッカソン、International Space Apps Challenge は既に募集を開始しています。(詳しくは http://tokyo.spaceappschallenge.org/ をご覧ください。)
復興マッピング活動は次回は石巻での開催を予定しています。(詳細は別途告知します)
引き続き、Hack For Japan をご支援いただけましたら幸いです。
Hack For Japan Staff 一同 

GLOCOM オープンデータ活用ハッカソン レポート

こんにちは。Hack For Japan スタッフの関です。
震災以降、Hack For Japan では被災地向けのハッカソンを中心に活動してきました。本ブログでご報告しているように、 Hack For Iwate での復興マッピング活動など、現地での活動も続けておりますが、最近では徐々に活動の幅を広げ、テクノロジーと社会的課題をハッカソンでつなぐことを行なっております。

オープンデータ活用ハッカソン

最近個人的にも興味があるのが、オープンデータです。6月2日に行った復旧・復興支援データベースAPIハッカソンで利用したAPIもその範疇だと思いますが、今回は、6月9日及び6月30日、7月1日の3日間をかけて、国際大学 GLOCOM で開催されたオープンデータ活用ハッカソンのオーガナイザーをさせていただきました。

ハッカソンの模様

場所・主催:国際大学GLOCOM
6月9日:アイデアソン
Togetterまとめ:http://togetter.com/li/317740
6月30日、7月1日:ハッカソン
Togetterまとめ:http://togetter.com/li/330409


アイデアソンの参加者は40名ほど。ハッカソンは30名ほどでした。


最終的に30名近くの方が7チームにわかれてプロトタイプの完成を目指したのですが、エンジニアだけでなく、市職員や議員、元県CIOの方、大学教授など多様なメンバーが集まって濃密な時間を過ごしました。

税金はどこへ行った?プロジェクト

http://spending.jp/

 私も「税金はどこへ行った」チームに参加し、手を動かしてきました。実際に開発したサイトはこちら。 http://spending.jp/あなたの年間収入を入力すると税額が表示され、その税金が1日あたりいくら、どの分野に利用されているかを表示します。 イギリスの Open Knowledge Foundation が開発した Where Does My Money Go? のソフトウェアをベースに開発していますが、データは横浜市財政局財政課が作成している平成24年度一般会計予算のデータをもとにしています。(なので横浜市税のみ対象です) 税額の計算方法は簡易的だし、表示の仕方ももっと工夫したいところでしたが、1日半で動くものができたという点では満足しています。まず「自分の税金がどう使われているのか?」ということがわかりやすく表示されることは、一般市民が政治のことを理解する第一歩に繋がるとも感じていますので、是非このプロジェクトは継続して育てていきたいなと思っています。 横浜以外のデータやエンジニアも募集しておりますので、ご興味ある方は是非プロジェクトチームまで御連絡ください(info@spending.jp)。 以下は発表時のUstreamアーカイブです。



プロジェクト一覧

他にも、以下のような興味深いプロジェクトが生まれました。(リンクはそれぞれの発表動画)

参加者のモチベーションも高く、いくつかのプロジェクトは、ハッカソン後も開発が続きそうです。
主催者や参加者のレポートも上がってきております。

今後も同様のテーマで定期的にイベントを行なっていくということです。Facebook グループで告知されるとのことですので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
http://www.facebook.com/groups/397441130292931/

今後の取組みや課題

 Hack For Japan で活動を始めてから、「テクノロジーと社会的課題をつなぐ」をテーマに様々なハッカソンにチャレンジしてきましたが、まだまだ課題がたくさんあります。多様な人が集まり短期間で集中してアウトプットを出すハッカソンという形式はプロトタイプ作成においては非常に強力な仕掛けになりますが、そこからのサービス化には当然多くの困難を伴います。それを乗り切る為の枠組みはハッカソンは提供していないというのもあります。特にボランタリーで集まった人には、ハッカソン後の継続基盤が存在しないことが多いです。 ただハッカソンをオーガナイズするだけではなく、ハッカソン時に多様な人々に集まってもらうにはどうするか?ということや、適切なテーマ選び、ゴール設定、イベント終了後もプロジェクトが継続する為の仕掛け、社会にインパクトを与えるための舞台作りなど、考えなくてはいけないことがたくさんあります。 まだまだ試行錯誤の日々が続きますが、是非皆様のお力添えをいただければと思います。

www.sinsailaw.infoが出来るまで

Hack For Japan のプロジェクトとして、東日本大震災 通知・事務連絡集 というサイトを構築・運営されている高橋さんから、プロジェクトの立ち上げの模様と現状について寄稿いただきましたので掲載させていただきます。

www.sinsailaw.infoが出来るまで

高橋 悟史 (Hack for Japan)

1. 弁護士有志の方々の想いと活動
3月11日の東日本大震災後、弁護士有志の方々は被災地の直接支援も含めて様々な活動をされてきました。その活動の中で、地方自治体が住民の方からの相談を受ける際に、中央省庁からの通常の法令やガイドラインを参考に対応をされていたのですが、震災後に各省庁から様々な震災対応の法令、ガイドラインが発行されていることが周知されていない状況がありました。各省庁のホームページでは震災対応の法令やガイドラインの情報は発信されているのですが、情報は省庁単位に別々のページで公開され、ある特定のトピックについて省庁をまたがった閲覧や情報の検索が出来ない状況でした。
この問題を解決するために弁護士有志の方々で、各省庁のWebサイトを見て、省庁から発信されている法令、通知などの情報をExcelスプレッドシートにまとめる作業が始まりました。ただ、発表をExcelに書きこむだけではなく、その内容のサマリーを識者の観点でワンポイント解説として加えました。一見難解な省庁の発表内容もワンポイント解説を見ることで内容が理解しやすくなります。

2. IT技術者と弁護士有志の方々の出会いとサイト構築
Excelスプレッドシートにまとめた情報は600を越え、この内容を情報を必要としている人に届ける方法についての検討が行われました。数百もの情報をWebページにして公開するのは手作業では膨大な手間と時間がかかるため、当初はExcelファイルをそのままWebサイトに貼りつけてダウンロードしてもらったら良いのではないかという考えもあったそうです。ですが、Excelをサイトに貼りつけただけでは参照性も悪いですし、検索エンジン経由の検索も難しくなります。
そこで、弁護士有志の代表の方は、Webサイトの作成についてYahoo! JAPANの方に相談しました。Yahoo! JAPANの方はHack for Japanの活動を知っておられたので、スタッフの関さんを紹介してくれ、そこからHack for Japanに相談が来ました。
Hack for Japanの関さんと大垣さんで、早速スプレッドシートからWebサイトを生成する方式の検討が始まりました。ExcelをGoogle Docsにアップロードし、Google DocsのJava Script APIとGoogle Sites APIを用いることで、スプレッドシートの各セルを読み込んで、Google Sites上のページコンテンツに変換することが可能なことが分かりました。この時、プロトタイプは2日程度で完成したようです。

3. サイト構築と技術的な課題
スプレッドシートのセルを読み込みGoogle Sitesのページを生成するプロトタイプが完成し、その後の作業を私が引き継ぎました。プロトタイプの段階ではAPIを活用することでスムーズにページが生成出来ると考えていましたが、実際にサイト全体を整備する中で幾つかの技術的課題に直面しました。幾つかの課題は技術的に解決出来ましたが、リリースまでの時間と使っている技術の制約で解決出来ないままリリースに至ったものもあります。

3-1. Google Apps Scriptではあまり長時間かかる処理を実行出来ない
Google Docsのスプレッドシートを数百行処理してHTMLを生成しようとするとスクリプトが途中でハングしてしまうことが、開発中に分かりました。Google社に問題として報告して解決して頂く方法もありましたが、サイトの早期リリースを優先し、データを100行単位で処理するようにスクリプトを修正しました。あまり格好良くない解決策ですが、最終的なサイトの内容には影響させないで済みました。

3-2. Google SitesのSub Page Listは表示順序をカスタマイズ出来ない
http://www.sinsailaw.info/mhlw のような省庁別の通知・事務連絡リストはGoogle SitesのSub Page Listという機能を使っています。単純で使い易い機能で、フォルダとコンテンツを階層構造で配置するだけで下位階層のコンテンツをフォルダ別に並べて、アコーディオンのオープン・クローズ機能も自動で付けてくれます。ただ、この機能を使った場合にはリストの表示はページのタイトルで自動的にソートされてしまいます。弁護士有志の方々からの要望としては、日付順にコンテンツが並んでいるということだったので、各コンテンツのタイトルには通知・事務連絡の発表日付をyyyy/MM/dd形式で追加することで日付順に並べるようにしました。

3-3. カスタム検索の実装
Google Sitesにはサイト上を任意の検索キーワードで検索する機能が標準であります。弁護士有志の方からはサイト検索に加えて、任意の省庁名と日付範囲で通知・事務連絡を検索出来る機能が要望されていましたが、これはGoogle Sites外(例えばGoogle App Engine)でのアプリケーション開発が必要になり、時間がかかるということで、今回のリリースでは見送っています。実際にはカスタム検索が無くてもある程度サイト検索で検索結果の絞り込みが出来ますので、利用上の不満にはなっていないと判断しています。

3-4. Google Sites上のコンテンツのGoogle検索エンジンへの登録
www.sinsailaw.infoをWebマスターツールに登録した後に、サイト上のコンテンツをテスト的に削除、変更、追加を繰り返していたところ、検索エンジン上に登録されているコンテンツと実際のサイト上のコンテンツに差異が出来てしまい、検索されても表示出来ないという状況が発生してしまいました。結果的には、検索エンジンのクローリングによってサイトの最新の情報をインデックス化するのを待つことで状況は解消されましたが、この点については私が検索エンジンのクローリングのメカニズムを良く理解していなかったための誤算でした。リリース後はリンクやURLに影響するページ名の変更などはおおがかりに実施しないように気をつけています。

4. 当サイトの意義と利用状況
おかげさまで、9/16にYahoo! JAPAN様の震災情報サイトからリンクを頂き(http://info.shinsai.yahoo.co.jp/#33083)サービスをリリースしました。リリース以来1244人のユニークユーザーにサイトを訪問して頂いております(2011/10/24集計)。毎日およそ50人程度のユーザーがサイトを利用してくださっています。
www.sinsailawa.infoが想定しているユーザーは地方自治体に勤務する職員の方です。職員の方は住民の方にサービスを提供するために法令や省庁からの通知を参考にしているわけですが、今回の震災で様々なな特例が出てきていることが周知されておらず、最新の情報が伝わっていません。場合によっては、最新の情報を職員の方が知っていれば、住民の方に支援が出来るようなケースでも情報が伝わっていないために支援が出来ないケースが発生しているわけです。www.sinsailaw.infoのサイト内検索あるいはGoogleからの検索で特定のキーワードにヒットする省庁からの法令や通知の情報を参照して頂くことで最新の情報に基づいた行政サービスが実現出来ると考えています。

5. これから同様の活動をする人へのメッセージ

5-1. 難しく考えすぎないこと。必要な要件を最低限満たす形でひとまず作ってしまいサービスを公開すること
当サイトでも解決出来ない技術的な課題が残りましたが、まずはコンテンツ、サービスをユーザーに届けることを優先しました。
エンジニアとしては自分の理想像を追求したくなると思いますが、Webベースのサービスでは後からサイトの仕組みを作りなおすことは比較的容易なため、ひとまずリリースしてから修正するという考えで取り組んだ方が良いと思いました。

5-2. 利用者にとってのメリット、効果は何か、一番重要なことは何かを考えること
これについては、今回は情報を収集してくださった弁護士有志の皆さんがニーズとウォンツを把握されていましたので、エンジニア側は技術面だけを考えれば良いという恵まれた状況でした。直接ユーザーの声を事前に聞けない場合には、サービスを公開した上でユーザーの声をコメント欄などでフィードバックしてもらうという手もありますし、アクセス数の変動を監視して、サービスの改善の効果を測定する方法もあるでしょう。

5-2. 使ったことのある技術を最大限に活用すること
技術的なチャレンジは多いに結構ですが、特に震災対応という観点ではリリースまでのスピードがサービスの利用価値に直結します。誰かが実装して実績がある(Proven)な技術、自分が使い慣れた技術を使うことでリリースまでの時間が短縮出来るでしょう。

プロジェクト紹介:ハマナス先生〜花から学ぶ復興の形〜

先日の遠野会場アイデアソン/ハッカソンでスタッフを務めた関です。

そこで生まれたプロジェクトの一つ、「ハマナス先生」に参加していたので、このプロジェクトについて解説をさせてください。
今回の震災は、人間だけでなく動植物にも影響を与えました。特に、根浜海岸などに生えていた「ハマナス」という植物は多くが流されてしまったとのことです。しかし、芽が出始めているところもある。人間が住んでいた地域はがれきで壊滅的な状態で変わり果てた姿になりましたが、建築物が無かったような地域は元の形に戻るのも早いそうです。
花や植物の写真と発見した位置情報をDB化し、植物が自力で復活する記録から復興のあり方を考えようというのがこのプロジェクトです。

以下は、このプロジェクトの発起人である、佐藤清忠さんから頂いたメッセージです。

プロジェクト名の「ハマナス」の花は、鵜住居「宝来館」のドキュメントTV放送の最後の場面で、宝来館の女将が、3月末に海岸に芽を出し始めたハマナスを発見し、 

「花だって、こんなに、一生懸命なんだ…」 

と、つぶやくシーンを、思い出したのです。 

ハマナスには、波にのまれ、ひどい状況になっても、その地にとどまり再生していく強さがあることを、あの放送で知りました。 

ハマナスの花言葉のひとつに、「美しい悲しみ」があります。 

ハマナスのこの花言葉、また花の生命力に、三陸沿岸一帯に住む日本人の持つ自然観、地域の力を連想するのは、私だけでしょうか。


ハマナスの花が咲くのは、盆の頃です。 

ハマナスが、沿岸一帯に咲くたびに、そこに住む子どもたちは、1本、1本、花を数えます。
そのとき、かつてこの地に一緒に生きた仲間、強い地域の絆があったことを、思い出してもらいたいのです。 

そして、その絆の大きさが、年々広がり、ITを通じて世界の人たちにも見えるようになってもらいたいのです。 

この取組みが数年間にわたり継続し、「花の絆」が広がっていく様子は、何年たっても祈りを抱いてくじけない、この地を守る子供たちがいることを示しています。 

ハマナスの英文名は「Japanese Rose」です。まるでこのプロジェクトを実施するために、命名されたと思いました。

そろそろお盆ですね。今年はハマナスの花はどれくらい見つかるのでしょうか。

このプロジェクトは、システムを作るというよりも、コンセプトを広く伝え学校関係者やNPO、研究者などのネットワークを作ることを目指すプロジェクトです。共感された皆様がおりましたら、友人、知人などにお伝えいただけましたら幸いです。
ホームページ作成など、プロジェクトに参加したい方ももちろん大歓迎です。

連絡先は、スライドの最後にかかれております。皆様のご声援をいただけましたら幸いです。

※宝来館は釜石市根浜海岸にある料理宿で、文中の女将は、自身も津波に流されそうになりながらも、宿泊していた旅行客や従業員全員を無事避難させました。その時の映像がテレビなどでも紹介され有名になった場所です。津波が去った後の孤立状態も、宿にあった食材やがれきの下のお米などを頼りに、道路が復旧するまでの孤立状態を皆で協力して乗り切ったそうです。早ければ10月復活を目指して活動中だとのことです。
http://houraikan.jp/
http://twitter.com/horaikan

Hack For Japan Iwate 遠野ハッカソン実施報告

Hack For Japan 岩手県 遠野会場スタッフを務めました、関です。

Hack For Japan の 遠野まごころネット会場は、参加した皆様のおかげで素晴らしいハッカソンになりました。ご報告させていただきます。

Hack For Japan としては4回目となるハッカソンですが、遠野会場での開催は初めてでした。ボランティアセンターという場所での開催というのも初の試みとなりました。
23日アイデアソン、30日ハッカソンという日程の他会場と違い、23日アイデアソン、24日ハッカソンという形で運営しています。私は23日はそのまま遠野まごころネットへ宿泊させていただきました。

 

当日の模様は、一部Ustream のアーカイブから、ご確認いただけます。発表資料については、Hack For Japan のページ からもご確認いただけます。

 

全体の感想としては、具体的なニーズの洗い出しに時間をかけたこと、被災地に近い人達がチームに入ってくれたことなどから、地に足が着いた具体的なプロジェクトが多かったと思います。
過去のハッカソンでは、被災地の方々のニーズを想像しながらアプリケーションを作ってきました。それはそれで良かったのですが、実際にアプリケーションを使う人のフィードバックが得にくいという点がありました。
今回は、ボランティアセンターであるまごころネットで開催ができた為、ボランティア作業経験者や、被災地の支援活動を行っている方などに参加していただき、ニーズを直に聞き取ることができました。
参加者は、アイデアソンが32名、ハッカソン21名でした。ご夫婦で参加されている方が数組いらっしゃったのが印象的です。年齢層も幅広く、良いバランスだったと思います。たいていこのようなイベントは当日になるとキャンセルが多く発生するものですが、両日ともに申込みより参加者の方が多い(両日とも130%超え!)という嬉しい参加率でした。

アイデアソン終了後の記念写真。皆様充実した素敵な笑顔です。

 

1日目:アイデアソン

 

ニーズの洗い出しタイム
チーム分けの前に、全員でITに対してどのようなニーズがあるのかを洗い出しました。その時に利用したドキュメントはこちらです。(検討にはホワイトボードを使いました)
非常に活発に意見が出て、ITでサポートできることが数多くありそうだということがわかりました。
どれも捨てがたかったのですが、リソース的に全てをやるわけにもいかないので、各ニーズに対して、「貢献したい」というものを選んでいただきチーム分けを行いました。
その結果、以下の5つのチームが結成されました。
 
・写真の修復、トレーサビリティ
遠野まごころネットでは被災地から集めた写真の修復作業を行っていますが、現在、その修復作業の各工程で、元写真と修復後の写真との紐付きが失われてしまい、混乱するようなケースが多く発生しています。ワークフロー管理やトラッキングなどを行いたいというプロジェクトです。
 
・まごころネットの情報発信(ホームページ)
遠野まごころネットから発信する情報発信。まごころネットでは多くのプロジェクトを走らせていますが、その多くの情報はオンライン化されていません。まごころネット副代表の多田さんとしても、タイムリーに情報を載せること、情報の種類を増やすこと、寄付を集める仕組みの検討などのニーズが上がっていたため、まごころネットのシステム担当などのメンバーを含めてチームが結成されました。
 
・ボランティア緊急退避/安否確認
ボランティア作業を行っている最中に余震が来た場合に、土地勘の無いボランティアの人たちはどの方向に避難するべきかがわからないという問題があります。また、家族への身の安全の連絡なども必要です。アイデアソンを行っている最中に、偶然震度5の地震が遠野で発生しました。被害自体は大きくなくイベントは続行できましたが、家族からの安否確認メールが多く届いたりということもありました。避難すべき場所などの情報がわかり、簡単に関係者に対して安否を連絡できるようなツールが作れないかというのがこのプロジェクトです。
 
・動植物への影響調査とDB化
今回の震災は、人間だけでなく動植物にも影響を与えました。特に、根浜海岸などに生えていた「ハマナス」という植物は多くが流されてしまったとのことです。しかし、芽が出始めているところもあるとのこと。人間が住んでいた地域はがれきで壊滅的な状態で変わり果てた姿になりましたが、人工の建造物が無かったような部分は元の形に戻るのも早いそうです。
花や植物の写真と、発見した位置情報をDB化し、植物が自力で復活する記録から復興のあり方を考えようというのがこのプロジェクトです。
 
・仮設ネットカフェ
今回の震災では、ネットの限界をIT技術者達が思い知らされましたが、被災者の方々が便利さを認識するきっかけにもなりました。例えば、携帯電話を持つようになったり、ホームページやツイッターによる情報発信の効果を認識したりといったようなことがありました。
仮設住宅にネットカフェを作るというテーマを通じて、仮設住宅に暮らす人々が少しでも快適に暮らせるようなICTのあり方を検討しようというのがこのプロジェクトです。
 
各チーム内での活発な議論の後、ニーズを満たすためのソリューションと、翌日のハッカソンでやることを発表して頂きました。
アイデアソンの終了時には、全てのプロジェクトが長期的な活用イメージについて具体的な構想を固めていることが印象的でした。
 
2日目:ハッカソン
 
スタッフはそのまままごころネットへ宿泊し、次の日のハッカソンに臨みました。朝9時開始にもかかわらず、全員が時間前に着席しており、皆様やる気満々です。各チームのその日のゴールを発表したあと、早速作業を進めます。みなさんもくもくと作業を続けた結果、以下のアウトプットが生まれました。
 
・Photrackjpチーム
(写真の修復、トレーサビリティ)
遠野まごころネット内で行われている写真修復作業に関連し、迅速かつ正確に被災者の方々に修復した写真を届けるためのシステムの開発を行うというテーマに取り組みました。
にプロジェクトページがありますが、修復スピード、ファイルのトレーサビリティ、担当者の引継ぎなどの問題点を解決する為にTracを利用して管理を行うことを検討しました。この日はアプリケーションの完成までは行きませんでしたが、渋谷Tracのコミュニティなどを紹介し、引き続き作業を進めていくことになりました。
一方、従来紙と口頭で行われていた作業の引継ぎを電子化しマニュアル作成を行ったほか、チームメンバーである@mapconcierge さんが、GigaPanというパノラマ画像撮影機材を使い、写真修復作業の作業部屋を撮影、各工程の作業にタグ付けを行い、作業フローをイメージしやすいものにしました。
http://gigapan.org/gigapans/82481/

 

写真の修復作業は多くのボランティアセンターや組織でも行っていることのため、マニュアルを公開することで、他の組織との作業の比較やアドバイスの交換なども期待できると思います。
 
・まごころweb チーム
(まごころネット情報発信(ホームページ))
まごころネットのホームページはこれまで情報システム班が管理しておりましたが、どのような情報をどのような手段で発信すべきか?という部分を戦略的に発信していく役割、いわゆるディレクターにあたるポジションが明確ではありませんでした。このチームでは、まずはそのディレクターにあたる役割を定義しワークフローなどの整理を行いました。主に、ワークフロー、発信したい情報、サーバー等の状態について情報を整理し、サイトのリニューアル案なども完成しました。
このチームの発表資料はこちらです。
また、ボランティアへ行った人が、まごころネットに帰ってきてから作業日誌的なものをサイトに投稿できるようなワークフローを導入し、ボランティア体験談のコンテンツを増やすことにもなっています。
 

 

・ブジだす君
(ボランティア緊急退避/安否確認)
このチームでは、なるべく簡単な操作で身近な人へメッセージを伝えるアプリケーションを作ることとしました。1日のハッカソンの間に、実際にAndroidで動作するデモまでを完成させています。
事前に、メッセージを伝えたい人のメールアドレスや電話番号を入れておき、ボタンを押すだけで、安否のメッセージと位置情報が設定した人へメールやSMSを飛ばすことができます。
後々のバージョンでは、避難情報などを配信することなども盛り込んでいきたいということでした。このチームは、いちばんハッカソンらしいアウトプットであったと思います。
ソースは既にプロジェクトページに上がっております。開発に参加したい方は是非コンタクトを取ってみてください。
発表資料
プロジェクトホームページ
プロジェクトメーリングリスト
 

 

・ハマナス先生
(動植物への影響調査とDB化)

私もチームに入っておりました。アイデアソンでは何かしらシステムを作る方向で検討していましたが、メンバーの一人が他のサイト調査を進めたところ、環境省が運営している「いきものみっけ」というサイトが、我々のやりたいことにかなり近いことがわかりました。既に似たようなプロジェクトがありクオリティもかなり高かった為、わざわざ同じようなものを作ることはやめて、こちらのサイトと連携、支援する方が良いということになりました。

したがって、このチームでは、関係各所に、このプロジェクトの意義と独自性を伝えることにフォーカスして作業を行いました。その結果出来上がった資料がこの資料です。
メンバーの一人がたまたま知人の伝手で環境省の方に繋げることができ、電話でコンタクトを取るなどといった、素晴らしい動きをしておりました。作るばかりがハックではなく、既存のものを組み合わせることで新しい価値を作るというのも重要だといういい例になったと思います。このプロジェクトについては、改めてブログで報告させていただきたいと思います。
 

 

・仮設ライフ楽しくし隊
(仮設ネットカフェ)
いきなりネットカフェを作ることは1日ではできませんが、仮設住宅をICTで支援するとしたら、どのような形の活動ができるかという点を掘り下げて、具体的なアクションプランにまで落としこむ作業を行っていました。まごころネットは「まごころ広場」や「まごころカフェ」という交流スペースを運営しているため、まずはそこにいくつかIT機器を持込、チューターが使用法を説明するといったことから始めることができそうです。
仮設ライフ楽しくし隊の発表資料

また、仮設住宅が自治会のような機能を担うという点に注目し、連絡網としてメーリングリストがあると便利であろうという観点から、仮設住宅の方向けにメーリングリスト作成マニュアルを完成させました。かなり丁寧な作りで、すぐにでも使える高品質なマニュアルが完成しています。
メーリングリスト(電子連絡網)、始めの一歩
人々が避難所から仮設住宅へ移ったことにより、情報の伝達がしにくくなったと聞いています。メーリングリストを活用することにより、少なくともメールが読める人には迅速に情報を伝える手助けになればと思います。上記資料は自由に展開して良いとのことですので、皆様是非お使いください。

 

まだまだニーズはたくさんある

初日には多くのニーズが洗い出されましたが、今回の検討スコープからは外れてしまったものがあります。例えば仮設住宅情報のデータベース活用や、ボランティア情報マニュアルなどです。このようなニーズに対して、何かソリューションが提供できそうな方は、Hack For Japan のメーリングリストまで是非御連絡ください。
 
また、7月30日には、仙台・会津若松・東京・愛媛の会場でハッカソンが行われますので、是非ご参加ください。

詳細はこちらから→http://www.hack4.jp/RelatedInfo/Events/FutureEvents/110723mtg

Hack For Japan 岩手沿岸部取材レポート

未だ大量に残る瓦礫(陸前高田周辺)

スタッフの関です。

Hack For Japan メンバーである岩切さん(@kohsei)のコーディネートで、6/25(土)、26(日)とHack For Japan 数名で岩手沿岸部を取材してきました。被災地沿岸部を見てきたと同時に、5つのボランティアセンターで取材をさせていただきましたので、レポートとして記録しておきます。主に、Hack For Japanとして、被災地の為にITを活用したお手伝いができるかどうかをヒアリングさせていただいています。
たった2日の取材でしたので、現地の状況を完全に把握したレポートではありません。その点はお含みいただいた上でお読みください。
今回は、釜石→大槌→大船渡→陸前高田というコースを回ってきました。沿岸部の状況を、ご自身も被災されたという小野寺さん(@onoderau1)にご案内・解説いただきました(小野寺さん、お忙しいところどうもありがとうございました!)。同時に、釜石、大船渡、陸前高田のボランティアセンター、住田基地及び遠野まごころネットで、担当の方にお話を聞いてきています。

前線のボランティアセンターへのIT導入は継続的なサポートが必須

釜石市ボランティアセンター

前半におじゃました釜石、大船渡、陸前高田の3つのボランティアセンターは前線基地といった位置付けで、瓦礫撤去、民家や側溝の泥出しなどの作業のニーズ集めと、そこへ派遣するボランティアスタッフの割り振りを行うのが主な役割です。それに対し、後述する住田基地と遠野まごころネットはそれらのボランティアセンターの後方支援基地にあたり、ボランティアスタッフの宿泊施設や情報交換所として機能しています。いずれも社協(社会福祉協議会)が場所やスタッフを提供していますが、スタッフには、社協から派遣された人以外も多いそうです。

どこのセンターでも、

  • ボランティア志願者が減ってきている
  • 避難所から仮設住宅への引越しがだいぶ進んでいるが、仮設住宅へ移った人からのニーズ収集が難しい
  • 情報発信はしたいが、問い合わせの電話が掛かってくると貴重な回線が埋まるので、バランスが難しい
  • 情報の鮮度のコントロールが難しい(現地の状況は日々変わる)

という課題は抱えているという印象でした。それぞれのセンターの詳しい情報については、下の方の取材メモをご確認ください。

前線基地では現地ニーズの把握と人員のディスパッチが最優先で、その作業に毎日追われている状況のようです。ブログは運営できていますが、スタッフがどんどん入れ替わることもあり、何かIT系のツールやサービスを提供したとしても、操作に習熟が必要な類のものは導入が難しいと感じました。
そもそも担当者も忙しく、外部からニーズ把握などのコミュニケーションをすること自体が先方の負荷になってしまう状況です。ただ、物資をブログで募集したところ、数日で想像以上に届いたという経験もあり、IT自体の有用性は現場の方も把握しているようです。

中長期で現地に滞在できる方や、定期的に現地を訪れることが可能な方であれば、ITを使って活躍できる余地は十分にありそうでした。私の知っている限りでは、トライポッドワークスの佐々木さんや、マイクロソフトの西脇さんなどはまさにそのような活動をされています。この日も、釜石で取材をしている時に西脇さんにばったり遭遇したりといったことがありました。

その後実施したHack For Japan のスタッフミーティングでは、Eye-fi カードの自動アップロード設定をしたデジカメを渡して、それを使って、支援者に知ってほしい情報を撮影してもらうというアイデアが出たりもしました。これは早速次回アイデアソンで導入を検討することになりました。

後方支援基地は、ITサポートでできることがたくさんありそう

遠野まごころネット

住田基地と遠野まごころネットは物資/人員の補給基地であると同時に、情報共有の場所でもあります。宿泊施設も兼ねているため、前線基地よりヒアリング効率がいいと感じました。スペースも広く、会議をやる場所などもあります。なにより、各地に行ったボランティアから情報が集まってきており、その情報は綺麗に紙にまとめられていたりといった点も良いと思いました。
担当者の方々も、現地ボラセンより中長期的な視点を持っており、ITの必要性も強く認識されていました。
特に、遠野まごころネットで対応いただいた、副代表の多田さんからは、いくつかの具体的なニーズをヒアリングできました。(仮設住宅データベース、ホームページ作成、ソーシャルファンディングなど)

至る所に様々な模造紙が

まごころネット発で生まれている被災地支援企画や別の地域の支部などもあり、社協が担当する「ボランティアのディスパッチ」という枠を超えた活動を行っている点も、IT技術者としてお手伝いできそうな部分が多くありそうに感じました。とてもHack For Japan と相性がよさそうです。
個人的には、遠野や住田基地には1日百人単位でボランティアが集まってくるわけですので、そのリソースを、少しでもIT支援に向けても活用できるプラットフォームが作れればすごいことが出来るのではないかと感じました。

余談ですが、この遠野まごころネットは、ボランティアスタッフの自己組織化がとても素晴らしいと感じました。私自身 sinsai.info という、ボランティアスタッフが運営する組織の責任者をやっていますが、通常の会社組織と違い、ボランティアスタッフの組織というのは非常に運営が難しいものです。給料を払っているわけではないですし、人材の流動性もとても高い上、スキルもモチベーションも人それぞれです。私達は数時間の滞在中でも、時間が来たら自発的にミーティングを始めたり、至る所に情報が綺麗に整理された張り紙があったりと多くの工夫の跡を発見することができました。

Hack For Iwate in 遠野まごころネット開催決定

我々Hack For Japanとしてもまずはこのニーズに答える動きをしてみたいと思い、多田さんのご協力の元、遠野まごころネットで 7月23日、24日とアイデアソン/ハッカソンを開催することになりました。もともと東京や仙台、会津若松にて23日、30日の日程でやる計画でしたが、遠野会場が追加され、遠野のみ23日、24日の2日間で開催いたします。

告知用ポスター(PDFリンク

5月に仙台、会津若松、東京など複数の都市で行われ好評だった、復興支援アプリケーション開発の為のオフラインミーティング、Hack For Japanのアイデアソン/ハッカソンが、いよいよ岩手県内最大のボランティアセンターである「遠野まごころネット」で開催されます。今までも複数の有意義なプロジェクトがHack For Japanから生まれています。皆様是非ご参加ください。
会場には、チューターもいますので、初めての方や、開発者以外の方もお気軽にご参加ください。 開発に関する質問は、ネットを通じて投げかけることも可能です。また、プロジェクトを進行中の方も、情報交換・協力者探しの場としてもご利用いただけます。当日は、独りで自分のプロジェクトの開発作業に没頭することもできますし、あるいは、チームに加わって共同開発に参加することもできます。もちろん、プログラマに限らず、企画やデザイナが得意な方、パソコン操作に長けている方を、歓迎しています。どちらか一日のみといった参加も可能です。



ご興味のある方は、是非告知ページにて詳細をご確認ください。
私も遠野会場には参加します。個人的には、これまでのハッカソンのように新しいサービスを作ったり新規のアイデアを実現していくというよりも、既存のツールなどをうまく組み合わせて、先方のニーズに答えていくような場にしたいと考えております。

以下、取材メモ

■釜石市ボランティアセンター
http://blog.canpan.info/kamaishi-vc/

  • 避難所の人数は1万人弱→820人に減少した状態。
  • ボランティア人数は、1日あたり男性50人。女性70人等。通算14800人。 国内外のいろいろな種類のカップラーメンが届いたことで、全国・海外から支えられていることを実感した。
  • 行政から住民に対して、未来の夢や、今後の計画が示されていないと感じている人が多い。
  • 仮設住宅に移り始めて、被災者のニーズが多様化してきている。(心のケアなど。自殺者も出る。)
  • もともと、岩手は自殺者数で全国ワースト2。(1位は秋田)
  • 一つの集落だったのが、各地の仮設住宅に移ってしまった為、分散し、コミュニティが崩壊している。
  • いつまで続くのか、終わりが見えず、不安が募る。 (ゴールがないので、進捗率が把握できず、モチベーションが維持できない)
  • マスコミ各社からのTELが多く、対応に時間が取られてしまう。 「土嚢袋が足りない」とインターネットで発信したら、 土嚢袋が数万単位で届いた。数週間届き続けたので、記事から消した。余った分は、周辺の地域に配分した。 (インターネットを活用できた成功体験を得たのと、操縦の難しさを知った)

■大船渡ボランティアセンター
http://ameblo.jp/ooshakyo/

  • あえてPCを使わずに手書きで書いて、印刷した「社協だより」を発行。
  • 市からは、情報が全く降りてこない
  • スタッフが、直接、避難者に聞いて、ニーズを吸い上げている。(ex. 個人宅の泥出し)主な作業は、瓦礫撤去、泥出し、側溝の泥掻きなど
  • 心のケアの問題もあるが、専門的な分野でもあるのでそもそもボランティアセンターだけでできる仕事ではない。声掛けをしたところで、対応できないなら同じ

■陸前高田ボランティアセンター
http://rikutaka.ti-da.net/e3439670.html

  • 現地の状況は刻々と変わり続ける。 最新の情報にアップデートし続けることが大事。
  • TEL で「状況を教えて」と言われても、対応しきれない。 状況を知りたい場合は、ボランティアセンターに常駐して欲しい。
  • 情報をアップデートしたとしても、単発で終わっては駄目。それを解釈、分析をして、今必要な情報を出す人が必要(広報作業)
  • 例えば、たまたまボランティアが多い日にボランティアに行った人が、「人は足りている」という情報を流したたとする。次の日は人が足りないかもしれないし、細分化したスキルで見るとそもそも足りていない部分もあるかもしれない。それなのに、「人が足りている」という情報が一人歩きすると困る。
  • とにかく「現地目線」で情報公開出来る人が必要。マスコミなどは、結局外の人が欲しい情報しか放送しない。

■住田基地(陸前高田・大船渡へのボランティア派遣基地)
http://sumitavc.blog.fc2.com/

  • 陸前高田・大船渡は、重機を使った瓦礫の撤去が一段落して、これからがボランティア活動の本番になる。
  • 4月25日に150人のボランティアが泊まれる基地を設置。
  • 10名のスタッフで運営(フルタイム3人)。パソコン3台。光ファイバは開通済らしい。
  • 夜は、泊まっているボランティアの9割が参加する懇談会で、 各地の状況や活動内容についてフィードバックを得て、次の派遣に活かそうとしている。 ブログからの情報発信は、ボランティアのメンバーの中でやってもらっている。
    (案→ボランティアで来た人が情報発信できるパソコンがあればいいのに)
  • 夜に、ボランティアに行った人と飲みながらコミュニケーションする。
  • 有益であれば、チラシなどは置いてもいい

■遠野(遠野まごころネット。陸前高田から山田までの広域の後方支援)
http://tonomagokoro.net/
ビジョンのPDF→https://lolipop-tonomagokoro.ssl-lolipop.jp/main/wp-content/…
Facebook https://www.facebook.com/tonomagokoronet

  • やってほしいことはたくさんあります。
  • 現行のホームページでは、やりたい情報発信が全然できていない ニーズをヒアリングして、作ってくれる人が欲しい(ディレクション出来る人が不在)
  • あまり多くは出せないが、給与を出すことも可能。
  • Microsoft Access で、仮設住宅の団地毎の情報を集積中。入力した情報をアップデートし続けることが課題。(操作できる人が限られる)
  • これまでの各地での災害支援で得られてきた教訓で、今回も活かされていない点がある。今回、得られた教訓は、風化させずに次回に活かすように、残したい。
    (案→これは、デジタル化して、インターネットが活躍できそう)
  • 最近、関東での関心は20分の1くらいでは。 関東では街中でチラシを配っても、受け取ってもらえなくなった。
  • ブログで情報発信中。1日3万ページビューある。
  • インターネットでもっと情報を発信したいが、ウェブができる人がいない。
  • 継続的に発信するためには、資金が必要。(案→シャープな目的を出せれば、ソーシャルファンドがマッチしそう)
  • 仲間となるネットワークを他の地域にも広げていきたい。

    【利用可能なサービス】sinsai.info の API について

    Hack For Japan スタッフの関です。

    sinsai.info という復興支援プラットフォームの責任者をやっています。
    Hack For Japan には初期から sinsai.info のAPIを公開してきたのですが、sinsai.info が利用しているオープンソースソフトウェア、 Ushahidi のAPI解説ページへのリンクのみで、情報が不足していました。改めて、sinsai.info の API についてご紹介させていただきたいと思います。

    API を解説する前に、sinsai.info 自体のご紹介をさせていただきます。

    sinsai.info とは?

    「sinsai.info 東日本大震災 | みんなでつくる復興支援プラットフォーム」は2011年3月11日に日本で発生した東北沖地震の復興を支援するために作られました。ニュージーランド地震の際にも多方面より活用されたクラウドソーシングツールUshahidiで構築されており、ボランティアの開発者、ボランティアのデータ管理者、OpenStreetMap Japan および OpenStreetMap Foundation Japan の有志らにより自発的に運営されています。
    ウェブサイト、メール、ツイッターから送られてくる被災地のレポートを「モデレーター:投稿されたレポートの受付/内容確認チーム」が内容を目視にて確認して公開しています。4月23日現在、1万件近くのレポートが登録されております。
    運営者についての詳細は、sinsnai.info の解説ページ をご確認ください。

    また、詳しい内容については以下のサイトなどをご参照ください。
    sinsai.info を1ヶ月やってきて思うこと【関治之】 : TechWave

    sinsai.info のベースとなっているUshahidi の機能のひとつが、API によるデータアクセスです。
    たとえば、sinsai.info のデータはヤフージャパンの「被災地エリアガイド」にも表示されています。
    他にも、首都大学東京 渡邉英徳研究室 による通行実績情報マッシュアップや、ESRIジャパン「ソーシャルメディアマップ」 でも使われています。
    また、ATR-Promotions による Android アプリ「ふぉとぶらり」から sinsai.info に写真が投稿できるほか、Ushahidi の公式Androidアプリを日本アンドロイドの会がローカライズしたsinsai.info Androidアプリなども存在します。
    これらは、いずれもKMLやAPIを通じてマッシュアップされています。

    sinsai.info が提供するもの

    sinsai.info のレポート情報は、KMLで取得することが可能です。
    http://cdn.sinsai.info.cache.yimg.jp/ushahidi/media/uploads/latest.kmz
    また、sinsai.info のレポート情報にアクセス可能なAPIも提供しています。レポートの投稿、閲覧、検索などが自由に行えます。
    参考:Ushahidi の API ガイド http://wiki.ushahidi.com/doku.php?id=ushahidi_api_jp

    sinsai.info API 利用の手引き

    sinsai.info API を利用したアプリケーション開発について、下記に簡単なガイドがあります。
    参考:sinsai.infoのAPIを活用して震災復興支援アプリをつくろう!

    sinsai.info チームからのサポート

    ハッカソンで sinsai.info のAPIを使う際に、何か分からないことがありましたら、開発チームメンバーの Lingr (http://lingr.com/room/sinsai pass:jishin )に入室し質問を投げて頂くか、Twitter 上で @hal_sk 宛にツイートしていただければ、適宜サポートさせて頂きますので、宜しくお願い致します

    是非、アプリケーション開発にお使いいただければと思います。

    sinsai.info 総責任者 関 (http://twitter.com/hal_sk/)