「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その2)

先日の第1回のクロスオーバー振り返りイベントレポートでは宮城県の様子をお伝えしましたが、今回は福島県からの発表の様子をお伝えいたします。福島県は大きく分けて浜通り、中通り、会津と3つの地区に分けて語られることが多いですが、これは歴史的に異なる藩から派生した3つの県が過去、統合されて福島県が誕生した経緯があり、それゆえに3つの地域でのITエンジニアの交流が、現代に至るまでそれほど進んでいなかったという課題がありました。


しかし、東日本大震災や原発の問題をきっかけにHack For Japanもハブになることで、3つの県のエンジニア達がつながりを見せています。


そんな様子を少しでも2回目の本レポートで感じていただければと思います。

産学連携と復興や新しい世代の芽が垣間見える会津

福島県からの発表のトップバッターはHack For Japanのメンバーでもある佐々木さん(@gclue_akira)の会津地方の紹介から始まりました。福島は皆さんもご存知の通り、原発の問題が依然として継続しており、立ち入りできない土地は現在も数多くあります。そうした状況の紹介を冒頭に、震災以降、会津で実施されたHack For Japan関連のハッカソンや先日このブログでも紹介したHack For Town in Aizuを紹介いただきました。そのハッカソンの中で会津工業高校に寄付されたAndroid端末を用いてガイガーカウンターなどを開発したのを切っ掛けに、ハッカソンに参加するようになり、会津大学に進学しても継続して活動に参加し、先日に市長賞を受賞した五十嵐太清くんが新たに育つ若い芽として紹介されました。


五十嵐くんは前回のレポートでも紹介したイトナブの増くんと連携し、東北TECH道場を会津で開催する準備を進めています。このように各地で確実に若い芽が育っています。そして、Hack For Japanの流れからCode for Aizuが生まれ、行政の人達とも緩やかにつながりを作りつつ、地域の消火栓マップの開発や、地域に根ざした活動が見られ、こうした活動が最近では頭に「震災」の文字が付かずとも地域のために行われるようになってきたことから、本当の意味での復興が見えてきたとのことでした。


「ふくしまの未来=希望」を目指すエフスタ!!郡山

続いては、郡山での活動から徐々に東北や東京まで活動の幅を拡げ、Hack For Japanでも何度か連携させていただいているエフスタ!!の大久保さんからの発表は浜通り、中通り、会津の土地柄としての隔たりがあった福島県のITエンジニア達が、震災をきっかけに、そしてこのクロスオーバー振り返りで集い、つながったことの喜びから始まりました。


浜通り、中通りは原発の問題で依然として制限された生活を強いられており、食べる、遊ぶなど多くの面で課題があり、福島では現状復帰という復興よりも、安心して暮らせることが求められているというお話でした。エフスタ!!は以前、Hack For Japanからも紹介させていただいた通り、勉強会を中心に活動し、現在は福島の今も伝える活動を東北各地、そして東京などでも行っており、震災前より元気な福島、福島は面白いぞ!というのを福島の子供達にも感じ取ってもらえるよう頑張っています。発表の締めくくりはエフスタ!!に参加するメンバーひとりひとりが一言メッセージを発表するという形で締めくくられました。このブログの最後に各地の発表の様子を収めた動画を掲載していますので、ぜひエフスタ!!メンバーのメッセージをご覧ください。 


放射線被災下でITに活路を見出す南相馬

福島第一原発がある浜通りの南相馬からの発表は南相馬ITコンソーシアムの立ち上げに関わられている田中さんからの報告となりました。まず冒頭に日本各地、世界各地から寄せられた南相馬への支援の数々への感謝から始まりました。南相馬がある浜通りは津波被害が大きな地域と事故当時の風向きで放射線の影響が大きくなってしまった地域などが入り組んでおり、それぞれに違った対応が迫られているとのことです。その中でも、人口流失の問題があり、震災直後に9割近くの住民が避難し、震災から3年がたった今でも以前の6割程度の住民しか戻ってきていないとのことでした。

また、その中でも南相馬の産業の中心だったサービス業などに従事していた若年層の流出が著しく、新たな産業を南相馬で見出さなければ街がダメになってしまうという強い危機感の中、放射線被災下においてもやっていける新規事業を模索するなか、IT産業に活路を見出したそうです。しかし、IT技術を教育しても他地域に技術者が流出してしまう問題は解決しません。そんな課題から教育プログラムから雇用までをサポートする南相馬ITコンソーシアムを立ち上げたとのことでした。


エンジニアが1人も居ないところからスタートし、ITに力を入れている岐阜県大垣市に協力を依頼し、南相馬へPMを派遣して合宿形式でシステム開発の習得に腐心した結果、エンジニアも育ち、現在までの実績として映画や球団、TV番組の公式アプリ開発を21本ほど受注し、納品されたとのことでした。そして、他の被災地域と同じく、若年層の育成にもプログラミングワークショップなどの形で力を入れはじめているとのことでした。


そして、報告の中で宮城県石巻市で復興活動に取り組んでいるイトナブとのつながりも出来たという話があり、各地で活動している人達が有機的につながりはじめ、ナレッジを共有する様が伺えました。

福島では放射線というITの力だけではどうにもならない問題がありますが、それでもITの力を活かし、復興の足がかりになっているという素晴らしい報告が続き、3つの地域のつながりも見えた福島からの報告でした。

会津の発表(YouTube)

郡山の発表:エフスタ!!(YouTube)

南相馬の発表(YouTube)

次回のレポートでも、残りの他地域からの発表の様子をお届けします。お楽しみに!

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