「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その4)

先日に開催されましたクロスオーバー振り返りイベント。4回目のレポートでは大阪から大槌発の仕事の創出についての発表をレポートさせていただきます。

大槌から復興に留まらない地域振興を目指す

大阪会場トップバッターは「KAI OTSUCHI」を運営されている鷲見さんからの発表となりました。 KAI OTSUCHIの成り立ちは、鷲見さんの大阪でのアプリ開発の企業経営、横浜で外国人向けの不動産会社経営、貿易会社経営など様々な業態の企業を営んでいる経験を買われ、関西大学の与謝野教授から鷲見さん宛に被災地において仕事を創出する活動を考えて欲しいという依頼があり、以前に中国へのオフショア事業を営んでいた経験から、日本の競争力をあらためて考えることがあり、日本の若手育成の観点からニアショア事業と復興支援、その先にある地域振興を意識した自立した成長を支援する活動として始められたとのことでした。

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大槌町の人材をゼロから教育してアプリ開発を目指し若者の職場づくりを加速させる目的でスタートし、半年で電子書籍のアプリを作れるようになりました。当初そうした若者達が首都圏での就職が容易になるよう、名前を売ることを想定していましたが、地元での人材流出を加速させる懸念があったため、現在では一般社団法人を作り地元での雇用の創出、人材の育成にシフトしているそうです。京都カメラをきっかけに観光地との連携というところが商材になりつつあり「義援金より仕事を」というキャッチコピーでただ教育するだけでなく、実作業、実績をつくっていくことを目指した活動になっています。当日もただプロダクトを作るだけでなく、ヨコ展開ができるところが素晴らしいという意見もあがりました。


大阪からのイノベーションを目指し東北と連携

続いて、「Osaka Innovation Hub」 を運営する角さんからの発表は、ハッカソンやオープンデータをキーワードにイノベーションの創出を試みている関西イノベーション国際戦略総合特区にあるイベント会場を軸にした活動の紹介でした。

日本以外の国、大阪以外の地域で継続的なイノベーションが生まれる環境を目指しているとのことで、グローバルに人材、情報、資金が入り込む環境で、ほぼ毎日イベントが開催されており、その中でも我々が開催するようなハッカソンをかなり実施しているとのことでした。とくに最近ではハードウェア系のものを流行る前から力を入れいており、そうした活動が認知され、大手企業との連携したハッカソンに発展し、パナソニックやシャープとも連携したハッカソンにまで発展しているとのことでした。そうした活動の中で東北との連携ではEarth Communication Award2013で連携した石巻や仙台でハッカソンを実施し、成果をあげているというお話でした。

ハッカソンでは単発的なアウトプットとなってしまいがちな点を考慮して、継続的な活動、事業展開が見込める成長を目指し、やっただけで終わりにしないという施策にも力を入れており、こうした部分はかねてからHack For Japanの反省でもあった通り、大切な部分だと思います。


防災と地域活性化を目指すFandroid Kansai

防災と地域活性化のためのITのあり方をコミュニティから考えるをテーマに「Fandroid Kansai」設立記念ワークショップの様子を、同コミュニティの佐藤さんより紹介いただきました。

Fandroid Kansai は「Fandroid EAST JAPAN」という東北地方で震災復興から地域振興まで目指すAndroidアプリ開発を軸としてコミュニティの関西支部で、自立から飛躍を目指し、関西地域の防災、地域振興の’ナレッジを東北にも繋げていこうという試みです。また、今回の発表は阪神大震災というバックボーンを持つ関西地域ならではの視点もあった講演やワークショップといった内容でした。

その中の基調講演では、京都大学の防災研究所の准教授の畑山さんより東日本大震災、阪神大震災などの教訓から今後の防災に活かす研究結果の発表と、ITの役割が阪神大震災の時と東日本大震災の時とで役割が大きく変化してきており、防災への活用はこれからが本格化して行くだろうという点、また、被災時に提供できるものとして、安全と安心の2つがありますが、物理的な安全より、ITが寄与できるのは安心を届けられるという点が、今後より見込まれてくるだろうという話があったとのことでした。

また、同イベントの他のパネルディスカッションの様子として、一般社団法人東日本大震災復興サポート協会の代表である遠藤さんと南三陸震災復興推進課まちづくり推進室長の畑さんの対談では、災害時、向こう3軒の近接住民間のコミュニケーションが大切と捉え、それを日頃からITの力で補助しつつ、作り上げていくことが大事という話でした。これは災害時にあらゆるインフラが一時的に麻痺しがちな状況下で、人と人との日頃からのコミュニケーションがいかに大切かという部分で非常に印象に残るお話でした。

その他のパネルディスカッションのお話としては、大阪市旭区役所総務課防災等担当課の有信さんによる子供向けの防災教育プログラム「カエルキャラバン」の活動紹介や、地震の音楽活動のCDの売上を全額陸前高田に寄付され、iTunesの売上を子供支援協会などに寄付しているMusic Activis の Shihoさんのお話、このお話の中で「ITによって他人事を自分事にすることができれば、人はもっと動く」というメッセージは参考になる視点です。また、西宮経済新聞編集長である林さんの発表は日頃からメディアやアプリを使って地元のお店の情報発信を行っているインフラを活用し、災害時に利用するというアイデアのお話でした。

そうした講演を受けて、Fandroid Kansai設立記念ワークショップに参加された参加者全員でアイデアソンを実施し、今後の防災に役立つアイデアを出し合ったとのことでした。



大阪の発表(YourTube)



阪神大震災という大きな災害を乗り越えた両地域の協調した活動は今後も注目ですね。
次回のレポートでも、残りの他地域からの発表の様子をお届けします。お楽しみに!

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