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第3回 スタッフミーティング議事録

Hack For Japan 第3回スタッフミーティング

6月1日(水)19:00~22:00 @リクルート メディアテクノロジーラボ

今回も会議の模様は ustream で配信していました。録画はこちら

* AI と書かれている部分はアクションアイテムです。



出席者(敬称略)

藤村、鎌田、石野、山崎、宮家、及川、高橋、白石、川崎、

Skype参加:岩切、小泉

オブザーバ:ニッポン放送 鳥谷、清原

  • ハッカソンのふりかえり
    • アンケートで頂いた意見について
      • ustのチャネルの準備が当日の朝だった等、明らかに準備不足
      • 次回は他会場からは割り切ってtwitterで質問を投げてもらう。ハッシュタグを付けて。
        • twitterを使えない人はスタッフ経由で。
      • 各会場でのスタッフの役割分担を決めておくべきだった。
        • tweet, beluga のチェック等
      • 発表のタイムキープはゆるめで良いと思う。
      • 東京会場で現地との一体感をもう少し出せた方が良い。
        • 前回よりは現地の声を反映できているはず。
      • アイディアソンの時間が短かった。
        • 会場をまたがったプロジェクトは無かった。
        • もう少し時間を取れれば会場間の連携が出来たかも。
      • アイディアソンとハッカソンが2日連続が良かったのかどうか。
        • 1週空けたほうが良かった可能性もある。
      • テックトークは別にしても良かったかも。
      • アイディアがあってプロジェクトに結びつけたい人のための場に。
      • 東京の事情:少しでも現地の話を聞いてから取り組めたということが参加者の感情的にも大切。
        • 現地からの報告は1、2枠はあった方が良い。
      • 現地報告を受けて参加した皆さんからのフィードバックの時間があった方が良いかも。
      • アイディアソンは一種のブレインストーミングなので、「否定から入らない」という説明はもっとするべきだった。
      • どういうことをやるのかという事前説明はもっと必要。
      • 各会場でどのようなものを作ろうとしているか共有する。
        • 時間を決めてwebにアップする等、オンラインで参加している人にも分かりやすいように。
      • 時間が足りない…これはどのハッカソンでも出る意見。
        • 出来るところまでで良い、継続が重要ということを強調する。
      • 初心者向けにブートキャンプのようなものもやると良いという意見あり。
        • 会津は大学を中心としたコミュニティがあるので、それを活かしていくことが出来れば。
      • オンラインからの参加をどうするか。
        • 専任のモデレータを置くなど出来ない限り難しい。
        • スタッフを配置出来ないなら明示しない。期待を持たせすぎてもいけないので。
        • ustは効果的だったはず。
    • 次回のハッカソンのプランニング
      • 被災地を含め複数会場同時開催が良いのは確かだが、スタッフの負担が大きい。
        • 次回以降、複数会場同時開催が必須とは考えない。
        • スタッフの予定を確認してから計画する。
      • 現地でやったのは、声を聞く意味でも良かった。
      • 手伝ってくれる人を集める。
        • 仙台で小泉さんを中心にTDCの皆さんでスタッフを募るなど。
      • 小さくても良いから開催していく。
      • 仙台、会津で現地のスタッフを増やしていく。
        • 地域支部を作る。
          • 仙台、OK → AI: 小泉
          • 会津、要相談 → AI: 佐々木
        • フォローアップも現地での方がやりやすい。
        • 佐々木さん、小泉さんにスタッフに入ってもらったのはハブになってもらうことが出来たので良かった。
        • 支部は被災3県のみとした方が良い。
          • 乱立し過ぎも収拾つかなくなる恐れがある。
        • 岩手は?
          • 盛岡なら出来るかも。
          • IWDDというコミュニティがある。→ IWDD 代表(川崎さんの友人)と連絡取れました。引き続きフォローする。→ AI: 川崎
        • その他は今のところ GTUG 経由で。
      • 次回、出来るだけ同時開催を目指す。
        • 現地でのファシリテーション
        • アイディアソンのみで1日使う。
        • テックトークは別の日に。
      • ITじゃない人にもっと広げる。
        • もっと告知を広くする。
        • 広くする対象には二種類ある
          • 被災した方々
          • エンジニア以外
        • ターゲットを絞る?
          • 例えばボランティアの方など。
        • ニッポン放送さんにお願いする方法もある。ラジオで声がけしてもらう。
          • リスナーも初めてのことで、まだよく分からなかった可能性がある。
          • 人を集める、アイディアを集める。
      • 各プロジェクトにPMが必要。
        • 形にしていこうという意思がある人が引っぱる。
        • ダジャレクラウドの例では、ニッポン放送さんが上手くリードしてくれた。
        • 次回はもう少し意識してみる。声がけするのは
          • GoogleのPMの方 → AI: 及川
          • 翔泳社のML → AI: 岩切
      • 次回、開催時期は
        • 夏休みをどう捉えるか。
        • お盆は避ける(8/13, 14, 15)
        • 7月中旬をおおまかなターゲットにする。
        • 7/17 はandroidの会、ruby 会議等があるので避ける。
        • 2日間連続開催は負担が大きい。
        • 日曜よりは土曜のほうが良い。
        • (仮で)7/23 アイディアソン, 7/30 ハッカソン
        • 参加可能なスタッフ
          • 23 関、川崎、及川、高橋、小泉、△山崎
          • 30 関、川崎、及川、高橋、小泉、白石、△ 山崎
        • 関、高橋の二人がメインでコーディネイトする。
          • 東京会場 リクルートMTL or 楽天(吉岡さんに確認)
          • 仙台会場 小泉さんが調査、MSさんにも確認
          • 会津若松会場 会津大学
            • 会津大学に確認する。→ AI: 佐々木
  • (ハッカソン)各プロジェクトのフォローアップ
    • 主要プロジェクトがきちんと一覧に入っているかの確認
      • 各会場で参加したスタッフが確認する。今後のping も行う。→ AI: 各スタッフ
      • 各プロジェクトの連絡手段は事前に把握しておくと良い。
    • 以前から一覧に書かれているプロジェクトも含めて状況が最新になっているかの確認
    • 新たに参加しようと思った人が「何から始めて良いかわからない」という状況になっているのを鑑み、スキルセットをベースとしたマッチング(つまり、どのプロジェクトがメンバー募集していて、どのようなスキルを持つ人を募集しているか)が出来るようにするための仕組みづくり
    • オンラインからのプロジェクトはどこまでフォローする?
    • 初期の頃のものを整理する必要がある。
      • 別シートに移す。
        • 個別にコンタクトして確認。
    • Google Code の activity の表示のように分かると嬉しい。
      • APIはある?
      • rss はある。
      • マッシュアップアワードの事例
        • プロジェクトにはてなスターをつけられる。
        • フィードバックがあるとモチベーション向上にもつながる。
        • コメント欄でコミュニケーションが広がるようになっている。
        • 最初の入力はフォーム、後の編集が出来るようになっている。
      • 「復興いいね」が出来ると役に立ちそう。
      • Google Sites にプロジェクト毎のページを作ってもらう。
        • それ用の Sites を別に作る。
        • 開発者同士が「いいね」をやってもあまり意味が無い可能性
      • コンテストのようなものがあっても良い。
        • 被災者の皆さんにいいねを押してもらう。
      • 動いているプロジェクトを紹介する。
        • ブログだと流れていくのでページに用意する。
          • sites に上げる。→ AI: 石野
        • オーナーに声がけして必要な情報を集める。
          • スクリーンショット、プロジェクトのurlなど
        • まずは各会場の代表になったチームを紹介。
        • コメントは twitter などを取り込む仕組みを確認。
        • コメントは現地からの声を聞ける可能性もあり。
        • スターについては少々デリケート
    • 卒業プロジェクトもあるはず。
    • コラムを追加して、コンタクト出来るスタッフの名前を入れる。
    • やりたいが参加出来なかったという人にどうフォローするか。
      • MLやプロジェクトリストを見てというだけでは敷居が高い。
      • 大きなイベントの合間は沈黙で良いのか。
      • 人手が足りないプロジェクトがあるはずなので、マッチングの場を提供するのが良いのでは?
      • 担当スタッフがメンバー募集していないか確認
      • 求人募集のようなページを用意してスタッフがナビゲート
      • 去年のGoogle Developer Day で作ったdevlinkは利用出来るか。→ AI: Fumi
    • Hack For Japan のサイトに適したサイトのシステムを作った方が良いのでは。
      • 作ってくれる人を募る?
      • 既存の仕組みでも App Script を使って Docs のスプレッドシートから取得してHTMLでアウトプットすること等は出来る。
      • そういう部品単位で少しの作り込みをしてもらえる人を募る。
        • 白石さんから声がけしてもらう。
        • Google Code のプロジェクトを利用する。
  • サイトのリニューアルについて
    • 利用出来るデータに関してはsinsai.infoにリンクする形で良いのではないか?
      • 件数が多い問題あり。
    • Yahoo の震災情報が結構良くまとまっている。
      • 但しデータソースそのものではないかも。
      • Yahoo 内で編集の目は通っているので確かなものにはなっている。
    • データのページはそもそも必要なのか?
      • ページの内容を見直す → AI: 鎌田
      • 必要無いものは消す。Yahoo から必要なものをピックアップ
  • フォトサルベージ進捗報告(白石)
    • 無事公開されました!
    • この後の展開
      • まだやらなければいけないことはある。
      • 開発者大募集中。
      • Hack For Japan のプロジェクトに入れて募集する。
      • 成功事例として紹介できる。
      • オープンソースで人を集めることの難しさ
      • 英語化すれば世界中のレタッチ職人の手を借りられる。翻訳者を募集。
  • Rescue311 の紹介(藤村)
    • 被災地の方々にリモートで医師がアドバイス出来る仕組み
    • 百数十名の医師
    • 利用者はガラケーから空メールを送ると問診票が送られてくるのでそれに記入して返信
    • CRM を利用している。
      • ライセンスの問題がある。
    • まだ100事例程度。認知、利用が少ない。
      • 現地での宣伝活動が重要
    • ケアの必要な段階が変化してきている問題。
      • 救命フェーズから、心理ケアへ
    • 課題
      • CRMは今のもので良いのか。
      • 認知拡大
        • 心を開いて頂くプロセスが必要
      • 現地での対面も含めた活動が必要
      • 利用率が上がらないことにはどのベンダの仕組みを使うのかも分からない。
        • CRMベンダにはユースケースとして認知されているので、うまくそこで便宜を図ってもらえれば…
      • ラジオでも出してもらう。
      • Hack For Japan の pr を通じてプレスリリースを出す。
        • photosalvage も。
      • 岩手のコンタクト先がFAXのみ。引き続きフォローする。→ AI:及川、西脇、山崎
  • ニッポン放送との連動企画の今後について
    • 今回のミーティングにはオブザーバーで来ています。
    • 感想
      • 何が出来るか一つ一つ考えていきたい。
      • app10 だけでなく朝の番組等でも取り上げていきたい。
    • ラジオ自身を hack 出来ないか
      • 最後の一人になった時でも…という話とか、
      • 技術者に取って興味を引くような話題をテックトーク的に
        • 精神を学ぶ、勉強させてもらう。
        • 次世代の技術等、話は沢山ある。
        • 今までやってきた30年の歴史がある。
        • トピックを上げてもらい、スタッフで時間等を考える。
    • app10
      • ダジャレクラウドは毎週のように取り上げることになりそう
      • 成果物があれば紹介
      • 若い人に「自分も何か出来るのでは」という伝搬が起きている。
        • アプリ制作のチュートリアルを行うとか。
          • 何か考える → AI:高橋
          • amazon の渡辺さんも何か考えているらしい
        • 次回勉強のために参加してもらうとか
    • もしこの瞬間に直下型地震が起きたら本当に大丈夫?
      • 防災イベントのようなものをやるのはどうか。
      • ニッポン放送さんは?
        • いつ何が起こっても大丈夫なように準備している。
        • アナログだが、家から局まで歩いてみることをやっている。
        • 災害が起こった瞬間、文明のものは全て負ける。
          • アナログなことが役に立つ。
        • 最悪の事態の場合、全国に電波は届けられる。
        • ラジオはデジタルからアナログへの変換が出来る。
        • 次の世代に向けて取り組むことが大切と考えている。
        • タクシー運転手の皆さんにいざという時に現場の様子を報告してもらえる仕組みを携帯電話が高価な時代からやってきている。
          • しかし今回の東北では携帯が使えなくなっていた。
        • 「そこに登録すれば皆が使ってもらえる」そういう仕組みを知ってもらうことを必要。
        • アナログの話、テックトークを早めにしてもらって学ばせてもらう。
        • ネットは使えていたが last one mile が駄目だった。
        • peer to peer の仕組み等、様々な手段があるはずだが、もし今何か起きたらすぐ活用出来るか。
          • いざという時のために知っておく、準備しておく。
  • YokosoNews(関)
    • 誰か出れますか
      • 英語で40分のインタビュー。
      • やはり Fumi さん
      • skype で行われるので世界中どこからでもOK!
  • 第7回ジオメディアサミット:6/8(水)夕方(関)
  • ust からの質問
    • プロジェクトの報告はどうすれば?
      • まずは MLやtwitterで。
    • IWDD の方より
      • 7/30 は青森で css nite があるので岩手の皆さんは参加できないかも。
  • 次回のスタッフミーティング
    • 7/5(火)19時から、リクルートMTLにて。
    • 及川さん、Fumi さん、世界中どこにいても skype で;-)
Hack For Japan スタッフ 高橋憲一

第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その3~ハッカソン)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

5月にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。

この文章は、前々日アイデアソンの投稿の続きになります。

5月23日日曜日 ハッカソン

イベント二日目の朝、会津若松はかなりの雨でした。
会津大学の学生の多くは自転車で通っているためか、集まりはゆっくりでした。

スロースタート

仲間に電話をかける姿もちらほら見られたようです。この日はすぐにチームごとの作業に入るため、それぞれのチーム内での合意が出来ていれば大丈夫です。

今日のハッカソンで開発することになったプロジェクトは次の通りです。

プロジェクト名朝の参加今日の目標
風評をふっとばせ隊2人サイト公開
行政情報公開1人提案作成
クラスメイトファインダー&コミュニケーション3人設計
あいづっぽ(ボランティアマッチング)4人サイト公開
放射線関係(API)2人完成
放射線関係(デバイス)3人完成

今日はどこまでやろう?

この会場には開発者ではない人、低学年の学生の参加も多かったのですが、それぞれのチームはメンバーの知識や経験をもとに目標を設定してくれました。
自分たちで見積もるのが難しくても、経験のあるスタッフが助言していました。
コードを書くだけではなく、企画書や提案書を作成して、興味があって作ってくれる開発者を募集するような考え方で参加するやり方もあるのではないかと思いました。

会津若松会場の作業のようすを写真で紹介します。写真は他にもあります

クラスメイトファインダー&コミュニケーション

風評被害をふっとばし隊

あいづっぽ

ガイガーカウンター製作中

テレビの密着取材


他チームとも相談しながら進めます

放射線関係

お昼前に、びぎねっと宮原さんが会場を訪問してくださいました。オープンソースカンファレンス特製トートバッグをいただきました。ありがとうございました。


宮原さん

私も自分のプロジェクト(放射線マップアプリとPDF関連)を進めようかと思っていたのですが、お昼がやってきました。

昨日は準備に追われ、会場でお弁当を食べました。でも今日こそは会津若松の名物を食べに行くのです。

名物ソースカツ丼

……並盛でも、もの凄い量でありました。巨大なカツが飯を覆い、食べ難いときは、蓋にカツを退避するとよいとのティップスをいただきました。福島は米処でもあり、美味しいご飯をたくさん食べるそうです。

ソースカツ丼にも、いくつかのスタイルがあるのですが、ご飯に千切りキャベツを敷き、ソースを掛けた豚カツを盛りつけるというものが会津流です。
カツの下に千切りキャベツを敷くのはここが発祥らしく、伝統会津ソースカツ丼の会というものがあります。
作法とパターン、取り巻くコミュニティ、これはソフトウェアと同じではないだろうかと考えていると、隣では「アダムスキー型」が目撃されていました……

昼食後にプロジェクトの進捗状況を発表する予定になっていましたが、作業を続行することになりました。
みなさんリフレッシュして、開発を続けてゆきます。テレビの取材もありました。

17時になり、今日の開発作業は終了です。それぞれの会場で成果発表会が始まりました。

各チームがこの二日間の成果を発表し、各会場から一チームを代表として選出することになっていました。会津若松会場からは6チームが発表することになりました。

これは5分間ずつのライトニングトーク形式で行われました。ぜひ録画をご覧ください。


<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14881566" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

まずは「風評被害をふっとばし隊」の発表です。

風評対策には確実な情報を提供して消費者に安全・安心を伝えていくのが確実な道である。
そのために、元気米作りをサイトで紹介してみようということになったそうです。
発表された江川さんのお宅は篤農家(とくのうか:熱心で研究的な農業者)で、放射性物質対策の農法を色々と試行されています。
その農法の一つに、ボカシという有機物を発酵させた肥料の使用があるそうです。
作物に様々な物質が含まれているボカシ肥料を与えることで、放射性物質が作物に取り込まれることを防ぐそうです。
また、ガイガーカウンターによって放射線量を実際に測定しながら作業をされています。
江川さんの田圃では測定される放射線量は少ないとのことですが、念のために水道水で苗を育て、水路に吸着剤を敷いています。
さらに、検査機関に土壌と収穫した米の分析を依頼する予定とのことです。

このプロジェクトは、へちまインターネットさんがサーバーを提供され、元気米プロジェクトとして公開されています。

風評被害をふっとばし隊

次は、「クラスメイトファインダー&コミュニケーション」の発表です。

避難によって友達と離ればなれになってしまった児童たちが福島県にも多くいます。
このプロジェクトでは、学級便りのような感覚で、離れた場所にいる友達と繋がっていられるサービスを開発しました。
このサービスを使えば、自分のクラスメイトの近況がわかり、校長先生からのビデオレターなどを読むことができます。
また、新聞のように印刷することも可能なレイアウトを検討しているそうです。


クラスメイトファインダー&コミュニケーション

次は、行政情報公開「100年使える震災WEBサイトテンプレート」の発表です。

このチームは前日には5人いたのですが、今日は1人だけの参加となってしまい、企画書の提案をしようということになりました。
1995年の阪神・淡路大震災、この東日本大震災の教訓を活かして、災害の際に必要となる情報を統一された構成のテンプレートとして整備し、ソーシャルな情報と連携する。
また自治体ごとの更新情報を集約するサイトを構築して、情報の一覧性も確保するようなことを提案しました。
この集約サイトによって他の自治体との状況の比較ができ、自治体の上層部に働きかけて公開が促進されることも狙っているそうです。

行政情報公開

続いては、「あいづっぽ(ボランティアマッチングサイト)」。仲良くメンバー全員による発表でした。

この震災では、ボランティアをしたくても募集の情報が見つからない、参加が現場で対応しきれないなどの問題があったそうです。
このような問題を解決するために、あいづっぽは学生の視点からボランティアマッチングの仕組みを提案・開発しました。
まだ完成はしていないということでしたが、ログインとボランティア情報の登録、参加という基本機能は実際に動作していました。
これから実装したいこととして、Twitter、mnews(学内ニュースグループ)などのソーシャルなサービスでニーズを広めることや掲示板などのコミュニティ機能を追加することを計画していました。

あいづっぽ

次に、放射線関係です。

このチームは大人数で放射線情報に関係するシステムを開発しました。
これは情報の収集、蓄積と利用、情報の提示の一連の領域にわたるものです。
まず、手動でガイガーカウンターの測定値をサーバーに登録するAndroidアプリケーションを高校2年生が開発しました。
それを自動化し、ガイガーカウンターからBluetooth経由でデータを自動的に送信するシステムも開発。
そしてサーバーに蓄積されたデータを利用することができるAPIを準備し、APIを呼び出して情報を地図上に表示するという一連のデモを見せてくれました。


放射線関係のチーム

最後に、先進的な放射線測定器の紹介がありました。

かつて携帯電話型の放射線測定器があったそうです。価格などの情報は見つからないので販売はされていないのではないかということでした。

後ほど私が、ベラルーシにある販売元に問い合わせてみたのですが、携帯電話のモデルチェンジに合わせて測定器の外装設計をやり直すのは大変なので、BluetoothかIRでPCと連携するモデルに移行したとのことです。この会社では腕時計型の測定器なども販売しています。

携帯電話型の放射線測定器の紹介

すべてのチームの発表が終わると、代表の選出に入りました。
投票のルールは試行錯誤したのですが、会津若松会場からは放射線関連チームが選ばれました。

代表の選出

各会場の代表が決まると、それぞれの会場を中継しての発表が始まりました。

高松は会場を閉める時間が早かったため、残念ながら同時中継には参加できませんでした。

高松の発表の録画はここにあります。

(Sahana関連、音声読上げのWebサービス、Bluetoothによるチャット、感電水冷服、ガイガーカウンターとAndroidの連携について発表されています。)

東京会場からは『復興イイネ』チームが発表しました。

これは復興を支援しているサイトにボタンを設置し、ソーシャルに評価してサイトを相互に結びつけるようなことを狙ったサービスです。
ユーザーから高い評価を得たサイトは、投票結果ページで目立つようになるそうです。

東京会場の録画

仙台会場からは『復興時計』というプロジェクトが発表されました。

震災から復興してゆく風景を刻々と表示することで風化防止を狙ったものです。これはAndroid版とiPhone版のプロトタイプが作られました。

次は福岡会場からの発表で、『donatter(どねったー)』です。

このプロジェクトは3月21日、最初のハッカソンから開発を続けているもので、今回はAPIの機能拡張を実施したそうです。
義援金や献血などの貢献の様子を可視化することで、楽しみながら支援を続けられるようにすることを狙ったサービスです。Android版とiPhone版、Webアプリ版のプロトタイプが作られていました。

福岡会場の録画

そしてここ会津若松会場から、ガイガーカウンターチームの発表が始まりました。
この発表ではハードウェアと連携する動作もビデオで中継でき、離れた会場にも臨場感が伝わったと思います。
このチームは手がけている領域が広く、短時間での発表が難しいのですが、うまくまとめて良い発表をしてくれました。

どのプロジェクトも素晴らしい成果だったと思います。開発者のみなさん、おつかれさまでした。

もうすぐ、二日間のイベントも終わりです。

スタッフの及川さんからのあいさつがありました。


今回のイベントでは放送の中継など、多くの準備不足がありました。
ですが私たちにも、何が正解かが分からないので、試行錯誤しながら進めているところなのです。
Hack For Japanには強固な仕組みはまだないのですが、開発者が復興へ向けての思いを一つにするような活動になってきていると思います。
この活動を継続していくために、みなさんの更なる協力をお願いします。
今回のイベントにご協力いただいた方々、ありがとうございました。

私も自分のプロジェクトを進めることと、よりよい運営のために努力を続けたいと思いました。

続いて、協賛していただいている会社からの書籍がもらえるジャンケン大会を開催しました。オープンソースカンファレンス特製トートバッグも追加です。

ご提供いただいた書籍は、翔泳社さん「10日でおぼえるAndroidプアリ開発入門教室」、日経BP社さん「クラウド活用のためのAndroid業務アプリ開発入門」、技術評論社さん「Software Design」でした。ありがとうございます。

ジャンケン大会

最後に、会場の産学イノベーションセンター(University Business Innovation Center) 前で集合写真を撮りました。終了後しばらく経ってからだったので、帰ってしまった方もいるのが残念です。初日も撮ればよかったなと思っています。

会津大学 産学イノベーションセンター前

今回のイベントでは、開発を本分としていない人も多く参加されていました。
実際にはアイデアソンでの意見の交換や、ハッカソンでも企画を提案するなど、開発者ではない方の協力が必要なことも多くあります。
これからもそういった方々に積極的な参加を呼びかけてゆきたいです。

実際に現地を訪れてみて、地元の人の話を聴くことには代えることのできない価値があるのだということを実感しました。
肌で状況を理解するということだけではなく、人と会って話すことで生まれたものがありました。
震災支援のシステムを遠地から開発されている方は、現地での使用状況や、地元の人の顔を思い浮かべながら作業をされてみてはいかがでしょうか。

また、会津若松は風評によって観光客が激減しているというようなこともあります。
自然があり、歴史と美味しい食べ物もある会津若松をぜひ訪れてみてください。

今回は大規模なイベントを開催して成功させることができました。
これほど大きなイベントでなくても、着実に活動を続けてゆくことが大切だと思っています。

今回のイベントに参加してくださった方、ご支援くださった方に感謝します。
どうかこれからもHack For Japanへのご協力をよろしくお願いします。

Hack For Japan スタッフ 石野正剛

第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その2~アイデアソン)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

 

先の週末にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。
この文章は、初日の投稿の続きになります。

 

5月22日土曜日 アイデアソン

 

今回のアイデアソン・ハッカソンの会場は会津大学です。会津大学はコンピュータ理工学の単科大学で、卒業論文は英文で執筆するそうです。
この日のイベントは他の三会場とのUstream中継をしなければならず、準備には手間取りました。

 

10時になり、各会場でのごあいさつが始まりました。会津会場では運営をお手伝いしていただいている、Gclueの佐々木 陽さんにお話ししていただきました。

 

Gclueの佐々木さん

 

そしてセッションが開始されました。

まずは東京会場から助け合いジャパン藤代 裕之さんの中継です。

この震災では、ボランティア情報のマッチングが大きな課題となっているそうです。「被災地の受け入れ態勢が整っておらず、ボランティアに行くことは迷惑になってしまう」などの説が流布してボランティアが自粛されるという動きができてしまっていたようです。ところが、被災地ではボランティアが足りないという事が起こっていたそうです。
助けあいジャパンは被災地の情報拠点やNPO・NGOから寄せられたボランティア・ニーズを収集し、API配信しているそうです。このAPIを利用したアプリケーションの開発を訴えられていました。

参加者の中にゴールデンウィークに11日間も現地での活動に参加していた方がおられ、意見が上げられました。この災害に関連する情報は、場所や時間が異なると状況も変わり、一概に扱えるような種類のものではないということが示唆されました。

Hack For Japanのグループにこの方からの投稿がされました。

 


できるだけ沢山の方に被災地でのボランティア活動をして欲しいと思っています。ただ、そのための仕組み作りはまだまだ改善の余地があります。準備もせずに単にたくさん押しかけても、社協の方などの時間を取るなど、迷惑になる可能性があります。今回の震災のボランティア活動は数年から、10年、20年とかかるとおっしゃる方がいました。息の長い活動をぜひ多くの方にして欲しいと思っています。

 

 

藤代さんの活動はこちらの記事でも詳しく紹介されています。香川会場に参加された、鎌玉大さんから教えていただきました。

ITmedia – 現場ルポ・被災地支援とインターネット

 

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14845379" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

助け合いジャパンの藤代さん

 

続いても東京会場からの中継で、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーにラジオ番組とHack For Japanとの連動企画についてお話しいただきました。

この番組は、ニッポン放送 オールナイトニッポンGOLDapp10.jpというものです。app10.jpは「スマートフォンで人と人とがつながることで、幸せが生まれる。アプリは、人を幸せにする。」というテーマで一月ほど前から始まっていた番組です。

吉田尚記アナウンサーは20年来の文系Geekで、最近のスマートフォンブームに、「やっと時代が追いついてきた、機は熟した」と、この番組の企画を提案されたそうです。

Ustream、ニコニコ動画、Twitterなどと連動して、リスナーとの結びつきが強いようです。

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14846685" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

ニッポン放送の吉田アナウンサー

Hack For Japanとの連動と、前日の及川さんのラジオ生出演のことを紹介(前日のブログ記事)して、ダジャレ・クラウドのアイデアが良いのではないかと紹介されました。

さっそく、会場から手が挙げられました。これからメンバーを募集し、ダジャレ・クラウドの開発が始まりそうです。

こちらの会場の参加者からも質問がありました。東京と中継するのにUstreamとSkypeではうまくいかず、結局は電話で話すことになってしまいました。

会津若松でプロバイダーを経営されているへちまインターネット馬場さんです。「被災地の人は川柳を作って非常に元気になった、川柳というのは高級なダジャレである」という前振りのあと、「会津で一番問題になっているラジオアクティビティ(放射能)の風評被害を収めるためにラジオにがんばってもらいたい」と披露していただきました。また、サーバーを提供してもよいとのお申し出をいただきました。

へちまインターネットの馬場さん

福島県は原発事故による被害があり、放射線に関する問題は切実なものです。

私もこのことは実感していて、私が開発している携帯アプリはメールを送るボタンを付けているのですが、現地の方々からの声は多く寄せられてきています。

この日のイベントでは「Open Geiger Development Kit」という放射能計測開発プラットフォーム発表がされました。
これは、ガイガーカウンターによる計測値をAndroidを介してクラウドでシェアするというオープンな取り組みです。
シーエーの寺脇 勝彦さんがArduinoとBluetoothによるハードウェアの説明を担当され、Gclueの佐々木さんがAndroidとクラウドによるソフトウェアの説明を担当されました。

 

シーエーの寺脇さん

 

プロジェクトのページ

プレゼンテーションの資料

今回のイベントには原発の近くに住まわれている人も参加されており、このセッションへの関心は非常に高いものでした。

昼食を終えると、仙台会場のHack For Japan 西脇さんからの報告がありました。

西脇さんはマイクロソフトのエバンジェリストで、Hack For Japan の運営スタッフでもあります。地震直後から非常に積極的に被災地の支援を続けられています。いくつもの貴重な経験談が話されましたが、IT技術で解決できることも多くあり、ITの技術を持った人が現地で解決できることも多々あるとのことでした。たとえば、情報の専門家がいれば、それによって労力を削減できて効率的にボランティアの活動ができるというようなことです。現地には情報の専門家が足りないそうです。こちらの皆さんも頷きながらスクリーンを観ていました。

 

 

仙台会場のHack For Japan 西脇さん

 

 

 

次は「会津若松市の状況」を会津若松市災害対策本部の目黒 純さんにお話ししていただきました。

会津若松市内での建物などへの被害は比較的軽微で、西風のために市内では放射線量も少なく、風評による被害を防ぐために正しい情報の周知が必要であるとのことでした。市内の避難所の状況については、多いときは830人の避難者がいたが、今では100人以下であるということ、本部と避難所の情報共有は紙を毎日配送することでも行われていたということでした。指定の避難所以外に居住している避難者への情報提供手段が非常に限られているということが課題だそうです。ラジオの有用性はここでも報告されていました。

目黒さんはまた、OpenOffice.orgの導入と活用を進める活動をされています。

会津若松市では、全庁のPCに「OpenOffice.org」を導入し、文書ファイルにODF形式を採用しているそうです。

会津若松市の取り組み―オープンオフィスとODF形式文書を導入しています

 

 

会津若松市災害対策本部の目黒さん

 

 

そして「避難者を地域で長く支える元気玉プロジェクト会津つなプロ)の活動紹介とそこから見えた避難者の課題」を株式会社明天の貝沼 航さんにお話ししていただきました。

「元気玉プロジェクト」は会津地域にいる避難者の「安全な自立」に向けた長期支援の仕組みづくりに取り組んでいるそうです。
地震後、避難所の食料事情が整っていない3月17日からの約20日間に150名のボランティアがメッセージとともに26,000個のおにぎりを届けたそうです。今では社会福祉士、看護学校や短大の学生が中心になって結成された「巡回ボランティア」が、避難所を訪問して避難者の困りごとを調査し、解決と結び付ける活動を中心に展開されているそうです。会津若松には他の市町村から避難してきて、二次避難所にいる人が4,000人弱いるとのことです。

 

 

元気玉プロジェクトの貝沼さん

 

この後のディスカッションのテーマを募集する段階では積極的な話し合いがなされました。

 

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14850142" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

目黒さん、貝沼さんのお話しとディスカッションのようす

放射線に関連する活動を活発にされている、テレジャパンの宗像さんが、位置情報をベースにした被曝量の算出などの被災者支援の仕組みがあればよいのではないかと提案されました。宗像さんは、ふんばろう東日本支援プロジェクト福島支部で市民による放射線測定のネットワーク作りにも努力されています。

 

テレジャパンの宗像さん

 

会津若松市のIT産業振興担当の江川さんは兼業農家でもあり、ご自身の田圃での放射性物質を防ぐ工夫を紹介していただけることになりました。また風評被害対策のためのウェブサイトを立ち上げることをプロジェクトとして提案されました。

 

会津若松市IT産業振興担当の江川さん

 

その他にも、いくつもプロジェクト案が提案されました。これらはホワイトボードに書いてゆきました。

 

プロジェクトの候補

この中から、

・畑Q&A

・行政情報の公開サポート

・ソーシャルコミュニケーション

・助っ人探し

・放射線関係(API、ガイガーカウンター、Androidアップローダー)

のプロジェクトについてディスカッションをしようというメンバーが集まりました。

このように具体的なアイデアが提案されてきたのは、やはり被災地に近い土地での開催ならではだと思いました。

風評をふっとばせ隊

 

行政情報公開

 

放射線関係

 

クラスメイトファインダー&コミュニケーション

 

あいづっぽ(ボランティアマッチングサイト)

 

ディスカッション後、5分間のライトニングトーク形式でチームごとのプロジェクトの計画が発表されました。

どのチームも、とても良い発表でしたので、ぜひ録画をご覧ください。

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14853703" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

ディスカッション結果の発表

 

この後、明日には参加できない方もいるのでメンバーの調整などをして、一日目のアイデアソンは終了しました。

各地との中継などで手間取ってしまったことは残念ですが、何とか成功させることができたと思います。

参加されたみなさん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

この夜は会津のみなさんとの懇親会がありました。

会津は食べ物が美味しく、名物の馬刺と蕎麦をいただきながら、夜更けまで語らいました。

 

会津の仲間たちと

 

 

Hack For Japan スタッフ 石野正剛

 

つづく

第2回アイデアソン・ハッカソン開催報告(まとめ)

先週末5月21日〜22日に、Hack For Japan として2回目となるアイデアソン・ハッカソンを開催しました。今回は東日本の会場を含む国内5都市で同時開催し、2日間でのべ200名以上の多くの方にご参加いただきました。今回のハッカソンでは、新たに20以上のアプリ・サービスの開発プロジェクトが始動しました。各会場の活動は他の詳細記事に委ねるとして、この記事では今回のイベント概要をダイジェストでご報告します。

(イベント日程)
* 0日目(オンエア・アイデアソン)
* 1日目(アイデアソン)
* 2日目(ハッカソン)

(各会場レポート)
* 仙台会場
* 会津若松会場
* 東京会場
* 高松会場
* 福岡会場

(関連ポスト)
* 前回のアイデアソン・ハッカソンの結果報告 (4/4)
* 第2回ハッカソンの参加申し込み開始のお知らせ (5/6)
* 第2回ハッカソンの追加情報 (5/18)

■ 0日目(オンエア・アイデアソン)

各会場でのリアルなアイデアソン開催に先立ち、前日20日(金)には、ニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポンGOLD app10.jp』と Hack For Japan の連動企画として、全国のリスナーから、みんなが元気になるようなアプリのアイデアを募りました。(詳しくは こちら

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震災復興というと実際の被災地のニーズに即した、現実の生活に直結したものが必要ではあるのですが、この番組ではあえて、明るい、未来に希望を抱かせるものというテーマでアイデアを募ってみました。

結果、この放送から誕生した「ダジャレ・クラウド」の企画は、翌日から始まる東京会場のアイデアソン・ハッカソンで実際に開発が始まることになります。

■ 1日目(アイデアソン)

1日目(土曜日)は、現地からレポートや、技術情報の講演を聴いて、新しいプロジェクトのディスカッションを行う「アイデアソン」です。4会場で、計131名の方にご参加いただきました。

1日目のスケジュール

各地の講演は Ustream で動画配信することで、他の会場やオンラインでも同時にライブ視聴できます。午後はチームに分かれて企画テーマを深掘りし、アプリやサービスの案としてスケッチブックにまとめていきました。


■ 2日目(ハッカソン)

翌2日目(日曜日)は、前日に企画したプロジェクトを、実際にチームごとに開発していく「ハッカソン」です。5会場で、計87名の方にご参加いただきました。

2日目のスケジュール

午前10時からチームごとに開発作業をスタートして、その日のうちに(夕方17時までに)モックアップからデモ動作が可能なプロトタイプとして、さらに開発が進めば一般公開可能なレベルのアプリ・サービスとして仕上げていきます。

17時からは、会場ごとに各チームの開発状況の発表を行いました。そして最後にもう一度、各会場を Ustream 中継で接続して、各会場で選抜された代表チームの成果発表を共有しました。

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■ 仙台会場

宮城県では、仙台市の日本マイクロソフト株式会社東北支店が会場となりました。
Hack For Japan スタッフの西脇からのレポートに加えて、仙台市のトライポッドワークス株式会社の佐々木賢一さんから講演頂きました。

ハッカソンでは、被災地の姿を見てもらうことで震災の風化防止を目的とした『復興時計』を始め、5チームが開発を行いました。

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仙台会場について詳しくはこちら
* 第2回アイディアソン、ハッカソン 仙台会場からのレポート
* Google/Microsoft/YahooなどあらゆるIT開発者の力を復興支援に Hack For Japan 5/21~22
* Hack For Japan 仙台会場で生まれた、もう一つのプロジェクト

■ 会津若松会場

福島県では、会津若松市の会津大学産学イノベーションセンターが会場となりました。
会津若松市災害対策本部の目黒純さんと、株式会社明天の貝沼航さんから講演頂きました。

ハッカソンでは、ガイガーカウンターで計測した放射線の値を Android 経由で管理するためのインターフェースを提供する『Geiger API』を始め、7チームが開発を行いました。

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会津若松会場について詳しくはこちら
* 第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その1~ラジオとの連動)
* 第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その2~アイデアソン)
* 第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その3~ハッカソン)

■ 東京会場

東京では、銀座の株式会社リクルート メディアテクノロジーラボが会場となりました。
助け合いジャパンの藤代裕之さん、ニッポン放送の吉田尚記さん、sinsai.info の上野和風さんから講演頂きました。

ハッカソンでは、ボランティア・復興支援活動などで評価されるサービスに「イイネ」することで信頼性を付与するサービス『復興イイネ』を始め、6チームが開発を行いました。

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東京会場について詳しくはこちら
* 第2回アイデアソン東京会場からのレポート
* 第二回 Hack For Japanについて

■ 高松会場

香川県では、高松市の e-とぴあ・かがわ が会場となりました。前回3月のハッカソンに続き、今回も 四国 GTUG の皆さん によって企画・運営いただきました。

ガイガーカウンターとAndroid連携、音声テキスト読上げのWebサービス、sahanaによる被災地マッチングサイト構築の3チームが開発を行いました。

高松会場について詳しくはこちら
* 第2回 Hack for Japan 高松会場

■ 福岡会場

福岡県では、福岡市の九州工業大学ネットワークデザイン研究センターが会場となりました。

ハッカソンでは、前回3月からスタートしたプロジェクト donatter(ドネッター)の開発を行いました。人々が募金や献血などの寄付(donate)をマップ可視化、育成ゲーム化するwebサービスです。

福岡会場について詳しくはこちら
* Hack for Japan 福岡会場(5/21)に参加しました

■ さいごに

ご参加いただいた皆さん、2日間お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。

Hack For Japan のハッカソン・アイデアソンは、議論の中からアイデアや仲間を得て新しいプロジェクトをスタート(または継続強化)するための場・キッカケとして活用していただきたいですし、また、皆さんのプロジェクトが今後も継続的に発展していくように、Hack For Japan としても引き続き応援していきます。

最後に、各地で講演いただいたスピーカーの方、会場提供いただいた企業・大学の方、告知やプレゼント提供等でご協力いただいたメディアの方、皆さんご協力本当にありがとうございました。

Hack for Japan スタッフ 川崎有亮

第2回 スタッフミーティング議事録

Hack For Japan 第2回スタッフミーティング:5/15(日)13:00-16:00 @リクルートメディアテクノロジーラボ


出席者: 吉岡、川崎、高橋、鎌田、岩切、白石、藤村、西脇、冨樫、石野、及川(以上、会場での参加)、関、山崎、原水、小泉(リモートからの参加)(順不同)


* この議事録は先日行われたアイデアソン/ ハッカソンの前の週に行われたミーティングのものです。そのため、実際に行われたアイデアソン/ハッカソンの内容と異なる部分があります。
* 当日は実験的にustreamで会議を配信していました。前半後半
* AIと書かれている部分はアクションアイテムのことであり、ミーティングの後に行うべきアイテムを整理したものです。この議事録の中にはミーティングで一時決定はしたものの、その後実行しなかったアクションアイテムもあります。

5/21-22 第2回ハッカソンについて

  • 集客
    • 東京はそれなりに集まってきている。
    • 仙台と会津が集客が苦戦のためテコ入れが必要。
      • Yahoo! JAPANさんとマイクロソフトさん経由の集客は済み。
      • BlogやTwitterでの参加の呼びかけてはどうだろうか。
        • 現地で影響力のある人にブログに書いてもらう(後でこのアイデアは却下)。
        • スタッフの吉岡さんと砂金さん(ガンダムネタを絡めて)Blogにアップしてもらう。→ AI: 吉岡さん/砂金さん
        • プレスリリースを月曜日に配信し、地元のメディアへ取り上げてもらう試みを行う。AI: 及川
  • 開催場所とスタッフの配置
    • タイムテーブルの変更点
      • 10:20~10:30:アイディアソンのやり方について、川崎さんから説明していただく。全会場にUSTを通じて配信。
      • 15:30~16:00:東京・仙台・会津間でのアイデア共有の枠を設ける。
    • 各会場の進行の今後のつめ
      • 仙台会場:トライポッドワークス佐々木さんとの調整(藤村さんから西脇さんへ引き継ぎ)
      • 福岡:5/21および5/22 → AI: 山崎さんから全体共有をどうするか相談する
      • 高松:5/22のみ → AI: 山崎さんから全体共有をどうするか相談する
      • ロンドン:5/22のみ:sinsai.infoにイギリスから関わっている井上さんがオーナー → 時差があるため別で考える
    • スタッフの配置
      • 検討中のリアル参加のスタッフの予定
        • 富樫さんが調整中
        • 松尾さんは東京で調整してもらう
      • オンライン参加で調整いただく
        • AWS:オンラインで玉川さん → AI: 山崎さんがコンタクト
        • Google関連:オンラインで聞ける体制の模索 AI: 及川&山崎さん
    • 現在までの議論で想定されるアイディアソンで取り上げられそうなもの
      • 宮城:ボランティアのマッチングサイト
      • 福島:原発関連
    • 現地レポート:水曜日ぐらいまでに現地入レポートを書く → AI: 及川、西脇さん、岩切さん
    • ポスターがほしい AI: 石野さん
      • 集客用。大学などに貼る。
      • 当日のサインとして(会場案内)
  • ゴール設定の再確認
    • 今回は特に「現地のニーズを組み上げ、それをもとに開発に結びつける」ことをゴールとする。
    • 1回だけのイベントで終わることなく継続させることを主眼にする。
  • 会場間でのファシリテーション:3拠点をつなぐために
    • ネット
      • UST流しっぱなし
      • MSのLive Meetingを使って、3拠点をつなぐ
        • 東京:砂金さん
        • 会津:及川
        • 仙台:西脇さん
    • テキストで要望を共有するために、各会場ごとにTwitterアカウントを用意
      • Hack4miyagi
      • Hack4fukushima
  • その他、当日気をつけること
    • アイディアソンを情報共有の時間にも使うようにする。開発にすぐつながらなくてもニーズを共有するために行うように。
    • 参加者にHack For Japan MLに参加してもらい、そこでのコミュニケーションを図ってもらう。
    • プロジェクトが発足したら、それをプロジェクト一覧に追加してもらい、プロジェクトが継続している限り、一覧中で状況を更新してもらう。
    • 今後に向けてのフィードバックをもらう。

現在までの反省と今後に向けて(Postmortem)

  • よかったこと
    • [及川、山崎さん] サイトリニューアル Phase1 が早期に行えたこと
    • [及川、山崎さん] ハッカソンの第2弾が予定出来たこと
    • [及川、山崎さん] 多くのメディアに取り上げられたこと
    • [及川、山崎さん、高橋さん] 福島(会津若松を中心に)と仙台との連携が始まったこと
    • [山崎さん、高橋さん] 実際に現地に行き、生の声が聞けたこと
    • [山崎さん] 講演等で活動内容を伝え、フィードバックが得られたこと
    • [石野さん] 良いロゴとキャッチコピーができたこと
    • [高橋さん] 会津の意見交換会では各地から多くの方が参加してくれた。
    • [鎌田さん] IT業界では活動の認知がされていることは実感できる。
  • 改善すべき点
    • [及川、山崎さん] MLやTwitterでの情報発信やフォローが不足していること
      • コメントを入れる
      • スタッフMLに流れているものも、全体のMLに投げてものがいいものなどあるので、投げるようにする(取り上げられた記事など)
    • [山崎さん] 第一回ハッカソンのフォローアップ不足(結果、果実の不足)
      • ハッカソンがキックオフになり、続いてくイメージでファシリテーションするように
    • [山崎さん] モデレータのアイディアからWaveでのdiscussion、実際のプロジェクトにつなげていくフローが回っていない
      • 新しいトピックを1ヶ月で締切り、開発のフェーズに回すサイクルがまわっていない
    • [石野さん] 見栄えのよいサイトになったので、内容も負けないものにしないといけない
      • いっぱいプロジェクトがあるけれど、どこまで生きているかわからないので、整理が必要
    • [石野さん] これまでの反省をふまえて、目的に合わせてサイトを整理する
      • APIのサンプルを提供する
    • [鎌田さん] 世間の雰囲気が落ち着き始め、開発者のモチベーションに翳りが見える。この辺へのケアが必要。
    • [鎌田さん] 各種問い合わせに素早くレスできていない
      • infoの問い合わせ対応を決める AI: 鎌田さん&高橋さんが担当する
  • 1つのプロジェクト例として – Photo Salvage [白石さん]
    • そもそもは、カメラマン向けのHTML5の講演会で知り合った方の知り合いの方から、直接依頼が来て、震災でガソリンやPhotoshopのレタッチを依頼し、作業のプロセスを見える化するサイトを作って欲しいと依頼があった
    • 開発者をMLで募るのが本当に大丈夫か不安だったため、白石さん一人でサービスを立ち上げたが、今後は開発者が必要
    • Hack4jpのモデルケースとして取り上げることにはOKもらっている
    • 多言語化することも可能では
  • PDFテキスト化の例 [石野さん]
    • MLではプロジェクト参加者は集まらない
  • 被災地へのツアーの計画
    • まずは、ITが何が出来るか
    • 被災地を見学するツアーの実現 → AI: 岩切さん
    • 西脇さんから陸前高田から南三陸あたりを見たいという要望あり
  • 相談所
    • IT業界じゃない人に来てもらえる場を作りたい
    • カジュアルな(飲み会)やるからみんなおいで的な
      • ニーズを聞きとってフォーマット化する
    • 企画書を持ってくる人が出来る
    • AI: 次回のミーティングで検討
関連

Hack For JapanのMLでの課題提起 http://bit.ly/mp7ogp現地の状況の理解(刻一刻と変化する) → 短期/中長期的な課題の優先度とその共有、担当分担の明確化(プロジェクト化) →
(a) 各プロジェクトの進捗管理
(b) 関連団体の活動を効率的に推進するための団体間の連携/連絡スキームの明確化とその周知
(c) 現地自治体/企業、中央官庁/被災地外の企業との渉外
などを包括的に可視化し、推進する必要があると感じるのですが、いかがでしょうか? また、5/21, 22のハッカソンでそのようなメタ議論を行うのは適切ではないでしょうか?

サイトリニューアル Phase2

  • 「利用可能なデータ」コーナー
    • リンク集として信用されるような網羅性を目標に
    • Wikipedia的にオープンにして、誰でも書き込めるように
    • スタッフを中心に書きこみつつ、メーリングリストで書き込みを促進
    • AI: 及川と石野さんで検討
  • 技術者のマッチング
    • 現状、プロジェクトを回していくための技術者のスキルセットがわからない
    • 開発者を募集しているが、なかなか集まらない
  • サイトの管理者
    • スタッフ全体の管理に。自分たちでメンテしていく形で「サイトの削除」のボタンは押さない
    • ただし、バックアップが弱いので、更新には注意が必要(*変更履歴管理はしているので大概は大丈夫)
  • サイドバーを設けたい
    • Googleサイトの構造上難しい。また、レイアウト的にも難しい。

ニッポン放送とのコラボレーションについて(アイディアソン前夜祭)

ミーティングの前にニッポン放送とのディスカッションがあった。それを踏まえての議論。オールナイトニッポン GOLD app10.jpとHack For Japanを面白く結びつけられないか(UST、ニコ生でも多数の視聴者がいる)
  • 震災関連だと娯楽的な番組の趣旨とコラボが出来ない空気がある
    • 笑顔をつくるとかいったお題ならつなげられるかも
    • 東北でも復旧を脱し復興フェーズに入っているところが安全で安心であるという情報ならカジュアルに放送し易いのではないか
    • 被災地に笑いを届けるのも重要、そういった視点は番組リスナーとマッチしやすいか
  • ラジオ局にバックアップされたアイデアとして募集して、ハッカーにつなげてアプリが出来たらラジオ紹介は?
  • app10はスマフォがテーマの番組だけど、ガラケーなどでもOK
  • 担当アナウンサーの吉田さんに東京会場に来てもらえるか?(スケジュールが合えば可能かも)
  • 今までのアイディアを見て、なにか思いつかない場合は「被災地に笑いを届ける」をお題にする
その他
  • プレスリリース文面 AI: 及川が案を作成し、月曜日のamまでに、レビュー終了を目標に

次回ミーティング

  • 6/1(水) 19:00~ @リクルートメディアラボ
  • ハッカソンのふりかえり
  • サイトのリニューアルについて
Hack For Japan スタッフ 及川卓也

第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その1~ラジオとの連動)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

先の週末にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。

私はこれまでにも、会津にオートバイで行っています。ここは雄大な山々に囲まれ、美しい水もあり、いつ行っても気持ちのよい風景が迎えてくれます。会津地方の中心地である若松は会津藩の城下町として盛えた歴史のある街でもあり、以前から訪れてみたいと思っていましたが、いつも山中にテントを張っていたため、会津若松市内を訪れるのはこれが初めてでした。

磐梯吾妻スカイライン

磐梯吾妻スカイライン

また、私はHack For Japanに参加している開発者として、放射線情報に関する携帯アプリプロジェクトを展開しています。このために現地に近い方々の声を聴いてみたいということもあり、今回の会津訪問は待望していたものでした。

5月20日金曜日の夕方、私は横浜の自宅をクルマで出発しました。

今回のイベントでは「オールナイトニッポンGOLD app10.jp」というラジオ番組との連動企画があり、この夜19時からの打ち合わせでどのように番組を組み立てるかを話し合うことになっていました。app10.jpは「スマートフォンで人と人とがつながることで、幸せが生まれる。アプリは、人を幸せにする。」というテーマで一月ほど前から始まっていた番組です。ニッポン放送さんも積極的に震災支援に取り組まれていて、義援金、家庭に眠るラジオ・乾電池を集めて被災地に送るというような活動をラジオのリスナーと共に実行されていました。またラジオは災害に強く、地域に密着した情報伝達の手段、娯楽として見直されているそうです。

ニッポン放送 東日本大震災 災害関連情報

今回はHack For Japanの及川さんと一緒に、会津若松に前日入りすることになっていました。六本木で及川さんと合流し、有楽町にあるニッポン放送に向かいました。ラジオを1242MHzに合わせると、プロ野球のナイター中継が聞こえてきました。「試合が延長になったら、番組の開始が遅れるんじゃないか」ということを気にしながら、ニッポン放送に到着しました。東京から会津若松まではクルマで4時間ほどかかります。番組の放送時間は22時から23時半までで、放送が終了してから出発すると、ほとんど眠らずに翌日のイベントに臨まなければならなくなります。ニッポン放送の方との話し合いの結果、番組の冒頭にスタジオでHack For Japanの活動、イベントの内容を紹介してから出発し、道中で及川さんが携帯電話から出演するという次第になりました。野球の延長の件を聞いてみたのですが、番組を放送している提携局には野球中継をしていない局もあるので、放送は定刻から始めるということでした。その場合は、ニッポン放送は野球を中継し、他局やインターネットではオールナイトニッポンが放送されるという、少しおかしなことになるそうです。

及川

今夜のゲスト

及川さんはかつてオールナイトニッポンの大ファンだったそうで、スタジオでは興奮していました。
いったん有楽町に出て食事を済ませてからスタジオに入ると、本番の放送が始まりました。

吉田アナウンサーとの対話によってHack For Japanの活動と週末のイベントの概要を紹介し、みんなが元気になるようなアイデアを全国のリスナーから応募してもらうことをお願いしてスタジオを後にしました。このとき、及川さんのリクエストでPerfumeの『レーザービーム』が流されていました。

ニッポン放送スタジオ

ニッポン放送スタジオ

ラジオを聴きながら首都高を抜けて東北道に入り、蓮田に差し掛かったころに吉田アナウンサーと電話が繋がりました。

吉田アナ)「どんな人でも笑顔になれるアプリを考えたときに、ダジャレ・アプリはどうだろう。日本中の人の力を結集してダジャレ・クラウドを作ろう。」

及川)「単体で動くものよりもクラウド(cloudではなくてcrowdの方)、人の力で何かするというのをやると非常によいと思う。こういった時って、人と人とが繋がる、作った人の姿が思い浮かぶことは大事だと思う。」

という風に話は盛り上がり、リスナーはダジャレをどしどし送ってくださいという流れになりました。それから全国のリスナーからダジャレが届けられるとともに、誰でも参加できる気軽さ、ネタの評価の仕組み、投稿のしくみなど、ソーシャルな要件も追加されてゆきました。そのころからクルマは栃木の山中に入り、ラジオと携帯の電波が届きにくくなりました。番組の終盤、二度目の電話の時には絶妙なタイミングで通話が切れてしまいましたが、明日からのイベントでのダジャレ・アプリ開発への期待を膨らませつつ、app10.jpの放送は終了しました。ニッポン放送のみなさん、吉田アナウンサー、ありがとうございました。


<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14831855" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

この放送ではリスナーから、ダジャレの他にもいくつもアイデアが寄せられていました。

アプリ動物園、しりとりアプリ、元気が出る川柳アプリ、なぞなぞアプリ、明るいニュースまとめアプリ、落語アプリ、変顔アプリ……

及川さんと運転を代わりながら深夜の高速を飛ばし、2時過ぎに会津若松の宿に着きました。
この宿にはラジウム泉大浴場があるのですが既に終わっていました。私たちは乾杯もせずに明日の準備をして、程無く床に就きました。

つづく

第2回アイデアソン東京会場からのレポート

先週に実施された Hack for Japan 第2回アイデアソン東京会場の様子をお伝えいたします。

今回のアイデアソンは仙台、会津若松、東京、高松、福岡とロンドンなど、各会場をネットでつないで、会場を超えて被災地の声や状況を共有し、参加者が考えるプロジェクトのアイデアに活かそうというチャレンジングな試みでした。また、前日にラジオ番組にてプレイベントとしてラジオアイデアソンが実施され、こちらも好評に終わりました。

ラジオの力
東日本大震災では津波に寄る被害で多くの通信手段が断たれ、その中で情報を伝える手段としてラジオの力がおおいに見直されました。第2回アイデアソン/ハッカソンでは、ニッポン放送「オールナイトニッポンGOLD app10.jpさんのご協力を得て、今回のアイデアソンのプレイベントとして番組内でリスナーの方に「被災地の人達を笑顔にする(心の救援物資)アプリ」をテーマにアイデアソンをしていただきました。事前のニッポン放送さんとのミーティングにて、リスナーの方達の特性としてパーソナリティーの声を真剣に受け止め実際に活動を起こす人が多いという話がありました。たとえば募金や古いラジオを被災地に送るという企画がラジオで放送された後すぐに、リスナーの方がニッポン放送のオフィスに義援金やラジオなどを直接持って訪れ、東北大震災以降はほぼ毎日リスナーの方がそういった活動をするためにニッポン放送さんを訪れるのだそうです。こういった姿勢はラジオがリスナーに対して語りかけて届くという特性によるものかもしれません。

そして、リスナーの方から集まったアイデアをパーソナリティーの吉田さんがアイデアソン東京会場にお持ちいただき、その場でそのアイデアを採用するチームが手を上げてくれました。

ITボランティアの活動の声、被災地の声
今回、東京会場では実際にITの力をボランティア活かす活動をしている助けあいジャパン藤代さんのお話とsinsai.infoのAPIの紹介を上野さんに、仙台会場からはHack for Japanスタッフの西脇さんによる被災地のIT活用状況の報告とトライポッドワークスの佐々木さんによる被災地報告、会津若松からは災害対策本部の目黒さんによる会津若松市の状況、元気玉プロジェクトの貝沼さんからは活動の紹介とそこから見えた避難者の課題をそれぞれご紹介いただきました。被災地からの声に関しては各会場からの報告に任せるとして、東京会場での様子と反応のあった被災地の状況をこの場でご報告させていただきます。

まず、助けあいジャパン藤代さんからの現地のボランティアの状況をお話いただきました。現地では3/11の地震以降、余震や阪神大震災時の受け入れ態勢の不備の経験からくる懸念などから、ボランティアの自粛が世の中の支配的な意見でした。その影響で現地では地震に加え津波により阪神大震災の時よりも遥かに大きい被害であるにも関わらず、ボランティアの数が阪神大震災の時の1/6程度しか集まっていないという厳しい状況がシェアされました。現在、助けあいジャパンはボランティア情報のデータ化とデータを利用したマッチングサービスや本当に被災地で求められているサービスの推進に励んでいて、今回もボランティアAPIをご紹介いただきました。

もうひとつ被災地からの声として、Hack for Japanスタップ西脇さんからの現地報告でも回復が進む電気や水道などの生活インフラに対して、IT(光回線など)のインフラの回復が進まない現状がシェアされました。これは我々インターネット業界で働く人間にとって、大きな課題かもしれません。世の中の不可欠なインフラとして認識を世間で得られるようにHack for Japanも開発者の皆さんを支援していくように努力いたします

アイデアソンの成果
東京会場では各地のスピーカーの方達の報告やニッポン放送さんのアイデアをもとにチームに分かれてアイデアをブラッシュアップして、それぞれ形にしていただきました。

(1) 情報再利用推進
再利用を意識したデータ入稿の仕組み・Hack For Japan他の支援活動の整理
http://bit.ly/kzxWp2

(2) 元気ッズ
子供のための情報のマッピング
#hack4jp 東京会場 (2)『元気ッズ』チーム:大きな子供達

(3) IT広報/後方支援
Hack for Japanなどで開発された成果物を広く世の中に広めるための広報後方支援
#hack4jp 東京会場 (4)『IT広報/後方支援』チーム:裏方黒子さん
(4) このまちだいすき
地元愛、地域コミュニティの活性を震災復興と紐つけたサービス
#hack4jp 東京会場 (3)『このまちだいすき』
(5) Ninjapan 1.2.3
地震直後にとるノウハウなどの情報を共有するサービス
#hack4jp 東京会場 (6)『Ninjapan 1・2・3』チーム:TeamRock
(6) ダジャレクラウド
ダジャレをオンラインで募集してシェアする笑顔を作るサービス(ニッポン放送さんから)
#hack4jp 東京会場 (5)『ダジャレクラウド』チーム:ハガキ職人志望
(7) 復興イイネ
ボランティア、復興支援活動などで評価されるサービスに「イイネ」することで信頼性を付与するサービス
#hack4jp 東京会場 (7)『復興イイネ』1-4

皆さんのアイデアをもとにハッカソンが開催されました。被災地にサービスが届くようHack for Japanも支援していこうと思います。

Hack for Japan スタッフ 鎌田篤慎

第2回アイディアソン、ハッカソン 仙台会場からのレポート

運営スタッフの高橋です。
以前仙台に住んでいたことがあり、妻の実家も仙台にあることから、今回は仙台会場でチューターと参加して参りました。
Hack For Japan としては3月に続いて第2回目のアイディアソンとハッカソンです。
前回は震災発生からまだ間もない頃で東京でさえオフラインでの開催が出来なかった状況でしたが、今回は東京に加えて仙台と会津若松という東北の2都市で開催出来たということは、現地の声を聞くという点でも大きな意味のあることだと思っております。
何より現地のエンジニアコミュニティの皆さんが「ぜひ仙台でもやりたい」と、積極的な協力を頂くことで開催に漕ぎ着けることが出来ました。
訪れた仙台の中心部は、2ヶ月前にあの大きな地震があったということを忘れてしまいそうなほど街にも活気がありますし、一見は普通の状態です。しかし仙台駅は外壁補修中で工事の幕がついており、活気を取り戻しつつも決して忘れてはいけないのだということを感じさせられます。
会場から見下ろした杜の都仙台の欅並木。中心に見えるのが仙台駅で本来はレンガ色の外壁ですが灰色の幕で覆われています。
今回、我々運営スタッフも各地をリアルタイムに繋いでハッカソンを行うというのは初めての経験で、実際のところ裏では「仙台、ちょっと押してます」とか「会津は時間通りOK」などのメッセージが飛び交ってドタバタする場面もあり、進行がスムーズに出来ていなかった部分が多々あったかと思います。
アイディアソン
各開催拠点から交互に中継を行い、仙台からはマイクロソフトの西脇さん、地元のIT企業であるトライポッドワークスの佐々木さんの話を配信しました。
マイクロソフト 西脇さん:
エバンジェリストという立場から被災地支援活動を積極的に進めており、Hack For Japan の運営スタッフでもあります。
  • 避難所は文字の山で、掲示板には、いつ、誰が貼ったのか分からないような物もあり、本当に必要な情報が埋もれてしまう可能性もある。
  • マイクロソフトを始め、様々なメーカー、団体がパソコンを寄贈してはいるが、なかなか有効活用されていない状況。
  • 津波の後、電線は直ぐに引かれたが、そこに光ファイバーは含まれていない。IT はまだインフラではないという実情。
しかし、現地に行くと IT で出来ることは沢山あるとのことで、名簿作り、ボランティアの皆さんの活動状況の整理等、ITに詳しい人間が見ればすぐ解決出来るようなことは多々あるそうです。
トライポッドワークス 佐々木さん:
震災以降、精力的に IT による復興活動を推進されており、沿岸部の被災地等にも出かけて避難所の皆さんとの対話もされています。(ブログはこちら
冒頭では3/11の地震発生時のオフィス内の動画を見せて頂き、あの時の揺れの力がどれほど大きいものだったかと改めて思い知らされました。
また、南三陸のあるご年配の方のところを何度も訪れているとのことで、きっかけは、その方の娘さんがテキサス在住で、twitter で現地の様子を見てきて欲しいと頼まれたことだったそうです。
「被災地域の最前線にITは役に立たない、ましてやスマートフォンの普及率も低いため twitter なんて…」とは良く言われることですが、直接ではなくても、この事例のように繋がることがあるのです。我々スタッフ自身も、これまで仙台や会津若松を訪れると ITに出来ることの壁を感じて悩むこともありました。しかし、何事もあきらめたら終わりなのだと言う気持ちを持つことが出来たように思います。
他にも東北のIT産業の厳しい現状等も伝えて頂いたのですが、佐々木さんからは最後に
「技術者のみなさん、東北のIT業界の可能性を追求しましょう!」
という力強いメッセージがありました。Hack For Japan も少しでも力になることが出来ればと思っております。
アイディアソン取りまとめ時点で絞られたテーマは5つです。
各チーム名のリンク先に発表資料があります。
ボランティアしたい人と、してほしい人を繋ぐプロジェクト
絆レポートチーム
チェックインレポートプロジェクト。モデレータを置いてチェック、重み付けを行う。ラジオ番組と連携することで良いスパイラルを産む。Hack For Japan 運営スタッフで sinsai.info の責任者でもある関さんがこのチームに参加しました。sinsai.info のブログにレポートが投稿されています。
物質、トレーサビリティ、マッチングでブトマ。物資が何処で止まっているか分かる仕組みを作る。
目的は風化防止。復興をエンタメに、本当の被災地の姿を見てもらう。例えば androidのwallpaperとして出して海外にも見てもらいたい。
人をhackする。如何にして被災地の人にITを使ってもらうかというテーマ。
ハッカソン:
ハッカソン当日、仙台は朝から生憎の雨でしたが、多数の方にお集り頂きました。
前日のアイディアソンはエンジニアではない方々にも来て頂いてアイディアを募るという趣旨でしたので、若干参加メンバーに相違がありましたが、5つあるうち1から4の4つのテーマをアイディアソンにて引き続き取り組むことになりました。
また仙台会場ではちょうどアイディアソンと同じ日に開催された「オープンソースカンファレンス2011仙台」  と連携し、そちらに来場された方からも復興支援のアイディアを募ったところ多数のテーマを寄せて頂きました。それらの中から、何故か(!?)会場の食いつきが良かった、「No More 婚活自粛」というテーマを1つのチームが実際にハッカソンで取り組みました。
@Hack4Miyagi を見て頂くと【OSC会場】という項目で幾つかのアイディアが上げられています。
Hack For Japan のハッカソンは、復興支援は継続性が大切という考えから「必ずしも今日中に完成させる必要はない、これをきっかけに継続して取り組んでもらえれば…」という方針で進めていますが、それでも午後3時を回った頃からはだんだんと参加者の皆さんの表情の真剣度が増して行きます。
ハッカソンは通常最後に各チームの成果発表を行いますが、今回は複数拠点で連携開催しているため、まずは各会場で成果発表を行ってその中から1チームを選抜し、その選抜されたチームの発表を各会場で相互に中継を行うという方法を取りました。
仙台会場で選抜されたのは「復興時計」チーム!

チームの皆さんは「まだモックアップのような状態で…」と謙遜されていましたが、Android 版と iPhone 版両方のプロトタイプアプリケーションのデモがあり、しっかりとデザインされた画面を見ることが出来ていました。

終了後、参加者全員で撮った写真です。
皆さんとても良い顔をして写っています。この繋がりを大切にし、仙台から IT による復興の支援を今後も継続していくことが出来ればと思います。
Hack For Japan スタッフ 高橋憲一

第2回ハッカソンの追加情報

今週末の 5/21 – 5/22 に開催されるハッカソンですが、いくつか追加情報がありますので、お知らせします。

世界6都市同時開催となりました!

すでにお知らせしている仙台、会津若松、東京に加えて、高松と福岡、そしてイギリスはロンドンの6都市での開催となりました。

各会場をネットで繋ぎ一体感を持たせ、会場を超えたプロジェクトを進めることも可能にしようと考えています。

5/21 アイデアソンのスケジュールを公開しました!

5/21 はアイデアソンという参加者の持っている情報や想いを共有し、プロジェクトのアイデアに結びつけようという場になります。今回、実際の被災地を会場としていることもあり、仙台、会津若松、東京からの生の声を他会場に配信することとしました。

東京会場からは、助け合いジャパン藤代裕之さんボランティア情報ステーションのAPIについて解説いただきます。(* 参照:Yahoo! Japan ディベロッパーネットワーク 災害ボランティア検索API

会津若松会場からは、会津若松市災害対策本部の目黒純さんより「会津若松市の状況」と株式会社明天の貝沼航さんより「避難者を地域で長く支える元気玉プロジェクト(会津つなプロ)の活動紹介とそこから見えた避難者の課題」をお話いただきます。会津若松市は福島県大熊町が役場機能ごと集団避難してきています。会津若松市自身は震災からはすっかり復興していますが、大熊町から避難されている方を含め、福島原発事故による災害は現在も続行中です。そのような状況を目黒さんから伺う予定です。また、Hack For Japan スタッフの高橋さんのレポートにあるように、元気玉プロジェクトは自立に向けた長期支援として「避難者の役割作り」をテーマに活動をしています。

仙台会場からは、トライポッドワークス株式会社の佐々木賢一さんに宮城県を中心とした沿岸部の被災状況とITが果たす役割についてお話いただきます。佐々木さんは震災直後より仙台の地より震災直後から積極的に情報発信をされており、先ごろ「仙台から日本を元気に!」という活動と「ITで日本を元気に!」という活動を立ち上げられました。佐々木さんの 東日本大震災現地レポートと「ITで日本を元気に!」の活動紹介のプレゼンテーションは一見の価値ありです。(* 参照:佐々木さんのブログ 仙台のITベンチャー日記

なお、仙台会場では同日に開催されるオープンソースカンファレンス2011仙台(OSC仙台)とも連携しております。OSC仙台会場内の東北デベロッパーズコミュニティブースをサテライト会場とし、同時にアイデアソンを行えるようにします。

本来のアイデアソンはアイデアを冒頭から議論し、チーム分けをしたら、開発するものについて早速議論をしていくという形になりますが、今回はその形式にこだわり過ぎることなく、この被災地を含む複数都市が震災復興について議論するという貴重な機会を活かすべく、柔軟に議論を進めようと考えております。したがって、開発者やデザイナーなど、ITに関わる人以外も是非ご参加ください。技術的に詳しく無いからという心配はまったく不要です。

すでに紹介した3つのプレゼンテーション以外にも、各会場ごとのプレゼンテーションやデモンストレーションなどが企画されています。

5/21(土)アイデアソンのスケジュール

そもそもアイデアソンってなんぞ?

アイデアソンとハッカソンの開催をお知らせしてから、そもそもアイデアソンってなんぞ? という声も聞こえてきています。

アイデアソンは「アイデア」と「マラソン」を結びつけて出来た造語で、開発の前にアイデアを参加者で議論するグループディスカッションのことを言います。

コンピューターソフトウェアの開発のアイデアだから、さぞかしデジタルな感じで議論が進むのかと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。もちろん、自分の手に馴染んだPCやデバイスを持ち込んで、議論の過程で出てきたもののプロトタイプなどを組み上げてしまう人もいますが、グループでのディスカッションなので、アナログなツールも良く使われます。大きめのスケッチブックかフリップチャート、付箋紙やホワイトボードなど。スケッチブックやフリップチャートは最後にアイデアをほかグループにプレゼンテーションする際にも用いられます。

今回も各会場に、このようなアナログなツールを用意する予定です。

以下のブログ記事などがアイデアソンの進め方を知る上で参考になるでしょう。

アイデアソンとハッカソンの片方にしか参加出来ないんだけど…

「大丈夫だ、問題ない」

アイデアソンでの議論を元に開発を進めていくことが理想ですが、今回はそれにこだわりません。極端な話、アイデアソンで震災復興についての一般的な議論をしに来ていただくだけでも構いません。何故ならば、通常のアイデアソン/ハッカソンではハッカソン終了時点で参加者にデモが出来ることがゴールとなりますが、今回はむしろそれがスタートであり、継続した復興支援をするための1つのきっかけになれば良いと考えているからです。

初日のアイデアソンで出た議論の結果を2日目のハッカソンの開始時に再度見直しますし、チーム分けも行います。初日に参加出来なかった人でアイデアの検討から行いたいという人は2日目のハッカソンの前半でそれを行っていただいても構いません。

繰り返しになりますが、形式にこだわり過ぎることなく、参加者の方々に震災復興に向けての有意義な時間を持っていただくことのためには柔軟に対応したいと考えております。

書籍プレゼントもあります!

Hack For Japan の活動に賛同いただいている日経BP社より「クラウド活用のためのAndroid業務アプリ開発入門」を5冊いただいております。

今回、これを 5/22 (日)の参加者に抽選で差し上げます。東京会場1冊、会津若松会場2冊、仙台会場2冊です。

これをきっかけに Android アプリケーションの開発を始めてみるのも良いかもしれません。会場には Android アプリケーションだけでなく、主要な技術についての相談が出来るチューターも揃えています(会場が分散しているためオンラインでの対応になるケースもあります)。

* 更新: 翔泳社より「10日でおぼえる Androidアプリ開発入門教室 Android SDK2.3対応」を1冊提供いただきました。会津若松会場にて5/22(日)に抽選会を行います。

* 更新2:技術評論社より「Software Design 2011年6月号」を9冊提供いただきました。各会場3冊ずつ、5/22(日)に抽選で贈呈します。第1特集が「冗長化・熱対策・自宅勤務 エンジニアがいますべきこと」という今にぴったりの内容です。

週末まであと数日となりました、是非奮ってご参加ください。

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Hack For Japan スタッフ 及川卓也(今回は会津若松から参加)

会津若松の訪問レポート

4/24に福島県会津若松市にて意見交換のミーティング「Hack For Fukushima」が行われ、Hack For Japan の運営スタッフ数名で参加してきました。
4月初頭に仙台を訪問したスタッフが現地で最大級の余震に遭遇した経験から飲料水や携帯の予備バッテリー等の準備は入念に行い、前日夜遅くに車で現地入りしたのですが、途中、高速道路の路面には北に行くほど震災後の応急処置と見られる段差が見られ、3月の地震の規模が如何に大きかったのかということを感じさせられました。
まず、当日の午前中は地元の方の協力を得て、ボランティアセンター、NPO、避難所をまわって話を伺いました。
元気玉プロジェクト
なかでも印象に残ったのは、会津地域のNPO、会津短大、自治体の連携による「元気玉プロジェクト」という、とても実のある活動をされている方々とお話をさせて頂いたことです。
震災直後は元気玉プロジェクト 1.0 として「今日、足りない所に届ける」おにぎりを作る事に注力。その後、会津の状況は落ち着きつつあるため現在は元気玉プロジェクト 2.0 としてアセスメントを行うなど、自立に向けた長期支援として「避難者の役割作り」をテーマにしているそうです。twitter ID は@GenkidamaPj , ブログは http://blog.canpan.info/aizu_genkidama/ です。
避難所にて
私達が最も気になった事は、避難所に居る方々がどのようにして必要な情報にアクセスしているのかという点です。
今回訪問した避難所にはネットに繋がるPCが2台置いてありましたが、残念ながら余り有効活用されているようには見えませんでした。別の避難所にはタブレット端末が置いてあるそうなのですが、そちらは子供の遊び道具としてしか活用されていないという話もありました。
Hack For Fukushima ミーティング
Hack For Fukushima のミーティングは会津大学を会場に午後1時から4時間に渡って行われ、福島県内だけでなく仙台、東京、他にも様々な地域から 40 名を越える方々が集まって下さいました。
午前中の訪問先も含めて今回伺った中で共通して出てくる問題点は、
  • ネットを使えない人をどうやって支援するのか?
  • 印刷という「デジタルからアナログへの変換」が必要。
  • PC を置いて終わりではなく、サポートする人をプラスする必要がある。(*1)
  • 地元から離れて避難してきている人は自分の自治体の情報にアクセス出来ない。
  • 今後、二次避難所や仮設住宅に人が分散していくと情報伝達が難しくなる。
  • 風評被害に困っている。福島ナンバーの中古車が売れないという状況。
というものです。
*1 後で伺った話では、マイクロソフトでは既にそのための取り組みを始めているそうです。
今後の復興していくために必要なこととしては、
  • 原発の風評被害については、正しい情報を知り、発信していく必要がある。(実際にガイガーカウンターと android 端末を組み合わせた即興的なデモもありました。)
  • 被災地に仕事を回すだけでは限界がある。全体のパイを広げる必要がある。
  • 復興と言っても、以前の状態に戻るだけでは手詰まりを起こす。
  • 会津の IT 業界は酒の業界に迫る勢いの規模がある。この得意分野を活かして世界に出て行くことでパイを広げることが出来るのではないか。(会津をベンチャーの発進の場に!)
といったような話が出て活発な議論が交わされました。
移動の途中、名所である鶴ヶ城に立寄りました。
この日はちょうど桜が見頃となり、辺りはとても綺麗な景色となっておりました。
会津若松はとても良いところです。観光で訪れることも地元の支援になります。
会津大学も自然に恵まれた綺麗な場所にあり、ミーティングを終えて夕日に映える風景を見ながらスタッフ一同「こんなに良いところが風評被害に合っているのか」と言葉に詰まる瞬間がありました。こういった点でも正しい情報を届けることの重要性を改めて感じます。
何かITで出来ることはありませんか?と遠方から聞くだけではニーズを得ることは難しいです。
これまで仙台、会津を訪れ、実際に現地に行かなければ分からなかった話を聞く事ができました。同時に、IT による支援の難しさも痛感させられることとなりましたが、21 日のアイデアソン、そして 22 日のハッカソンでは皆で集中して取り組む事で、復興支援のために「コードでつなぐ、想いと想い」を形にして行くことが出来ればと思っております。
Hack For Japan スタッフ 高橋憲一