ハッカソン」カテゴリーアーカイブ

第3回アイデアソン・ハッカソン東京会場からのレポート – ハッカソン編

7月23日(土)のアイデアソンに引き続き 7月30日(土)にはハッカソンが開催され、東京会場では50名を越える皆様に参加頂きました。
Tシャツ
新たな試みとして Hack For Japan でTシャツを制作しました。ご希望の方から事前に注文を受け付け、ハッカソン会場でお渡ししました。早速これを来てハックされる方も多数! 背中のコードに「日本が復興するまで、ハックし続ける」想いが込められています。


※必要な原価を差し引いた利益は 「ITで日本を元気に!」を通して被災地に寄付させて頂きました。
遠野の報告
今回新たに開催地として加えさせて頂いた岩手の遠野会場では23日にアイデアソン、続けて24日にハッカソンが行われました。実際にスタッフとして参加してきた山崎富美さんがその報告を行いました。録画はこちらです。
岡山からの参加者

P1020396.JPG

3月の第1回ハッカソンの際に岡山会場で参加された方が、今回は東京会場に駆けつけてくれました。
開発された act4-lives.netの説明をして頂き、途中他のチームに参加中にエンジニアの方から熱心にアドバイスを受ける場面も。困った時には他チームから強力な助っ人によるアドバイスも得られるというのは、様々なバックグラウンドを持つ方が集まるハッカソンならではです。
遠野でも参加された方からのアドバイス

7/23,24に行われた遠野会場に参加された原田さんが来てくれました。
実際に遠野でのボランティア活動も行われている方なので、急遽ボランティアニーズマッチングのチームに入って頂き、いろいろとアドバイスをお願いしました。またクロージングの時にも一言話して頂き、「ボランティアの現場ではハード的なものからソフト的なものにシフトしているところがある。IT開発者の力がますます必要になってきている」という話しはとても参考になると思います。
ラジオという媒体
前回に続き今回もニッポン放送さんに参加頂き、「広く知らせることが出来る点、デジタルとアナログの変換という観点で是非ラジオという媒体を活用して欲しい」というお話しをして頂きました。
ネットアクション2011
経済産業省の守谷さんからはネットアクション2011についての話しをして頂きました。「国はローデータ公開することに力を入れていきます。技術的に公開の仕方など是非ご意見下さい」とのことです。
東京会場で取り組まれたプロジェクト
東京会場では全部で10のプロジェクトが走っていたのですが、スタッフとしても一つのチャレンジである Hack For Japan を hack する取り組みがありました。現状、見やすいとは言えないプロジェクト一覧のページを見やすく機能的なものにしようという取り組みで、スタッフの白石さんがプロトタイプとして作っていた仕組みを元に2名の助っ人に参加して頂いた結果、新しいプロジェクト一覧が公開されています。

P1020389.JPG
成果発表の録画はこちらです。
各チームの発表が始まる時間の目安を下記チーム名の右側に[00:00:00]のように表記しています。
ダジャレクラウド[00:00:43]
  • 次のハッカソンまで実装する内容を決めた
  • ランキングをするにはパラメータ評価が必要。
  • +1 や「いいね」ボタン、「これ、ダジャレじゃない?」と通報するボタン
  • スマートフォン向けの実装も計画
みんなのまち[00:06:22]
  • 街で改善が必要な点を見つけたら写真を撮って位置情報付きで投稿する iPhone アプリの部分を実装。
崖イイネ![00:04:24]
  • androidアプリとサーバーサイドの実装を進め、android アプリから崖の写真を位置情報付きで twitter にアップする仕組みまで出来た。
eコマースで復興店支援[00:08:44]
  • 復興店舗リストを元に各 e コマースサイトでどれが東北復興のお店なのか分かるようにユーザースクリプトを書いた。
  • 楽天版
  • 禁断のYahoo版
電子工作チーム[00:10:44]
  • このチームではハードウェアのハックを行った。
  • ガイガーカウンターのパルスを出すユニットに LED 表示を組み合わせた。
  • 熱中症対策で、温度センサーとマイコンを組み合わせたものを作ってみた。
Act4Lives [00:14:38]
Hack For Japan プロジェクト一覧改善[00:16:58]
  • 無機質なスプレッドシートが見やすい一覧表示になり、ソート、条件抽出なども可能に。
  • アップデートのリマインド機能もある。
ボランティアセンター向け ニーズ公開ツール[00:18:59]
復興いいね! [00:23:11]
  • デザインを考え、画面遷移を整理した。
情報再利用推進PJ [00:26:21]
最後の成果発表は、前回同様にまず各会場毎に行って会場の代表を1チーム選出し、そのチームの発表を相互に中継するという方法を取りました。東京会場では1人一票の挙手により選出しようとしたところ票が割れ、「崖イイネ!」と「eコマースで復興店支援」が同率1位となりました。そこからさらに決戦投票を挙手で行い、最終的に「崖イイネ!」チームが選ばれました。
「崖イイネ!」チームの代表プレゼンは [01:00:30] 付近から。
クロージングではスタッフの及川さんから「継続していくのが大事、みなさんと一緒に考えていきたい。」という言葉がありました。震災発生から5ヶ月という時間が経過していますが、復興にはまだまだ長い時間が必要です。Hack For Japan では「コードでつなぐ。想いと想い」を具現化するために今後もこうしたイベント等を通じて活動を続けていく所存ですので、引き続きよろしくお願いします。
最後の記念写真。「はっく ふぉー じゃぱーん」のかけ声で撮りました。

Hack For Japan スタッフ 高橋憲一

第3回アイデアソン・ハッカソン東京会場からのレポート – アイデアソン編

7月23日(土)に Hack For Japan のアイデアソンが行われました。
東京会場として場所を提供してくれた楽天さんには受付や会場設営にも協力して頂きました。
今回は前回参加された皆様からのご意見を踏まえてディスカッションの時間を出来るだけ長く取れるように心がけたのですが、5月に開催した前回から約2ヶ月が経ち、変化していく東北各地の最新の状況を知ることが重要と考え、午前中は仙台、遠野、会津からのレポートを中継しました。
仙台からの報告
東北放送の吉田さんより「ラジオカーによる取材を通してつかんだ宮城の現状を報告」ということでお話頂きました。
  • 震災から時間が経ち、聞こえてくる声は「早く自立したい」というものが多くなっている。
  • 仮設住宅で生活する方々の場合、様々な地区から移住している場所ではコミュニティの確立が課題。
  • 資料はこちら
遠野からの報告
遠野からは三人の方にお話頂きました。
始めに遠野まごころネットの多田さんより「活動報告とこれからITで実現したいこと」
  • 復興とは震災前に戻るだけでなく、自然との調和を考えていくというのがあってもいいだろう。
  • 被災者の方で運営するお店を作り、現地雇用を増やす。
  • すぐに冬がやってくる。今後、灯油など暖房費をサポートすることも必要になってくる。
  • 資料はこちら
続いてボランティア参加者の原田さんより「遠野まごころネット 活動の現状と将来」
  • ハード面とソフト面というボランティア活動の2つの面について
  • IT技術も復興への原動力の一部
  • 発表資料はこちら
最後に「復活の薪」を販売するプロジェクトを進めている佐々木さんからのお話。
会津からの報告
玉川エンジニアリング の鶴見さんからスマートフォン対応ガイガーカウンターのお話をして頂きました。
  • ガイガーカウンターモニタリングポストの外観
  • 発表資料はこちら

ディスカッション風景
東京会場では、前回5月のアイデアソン、ハッカソンで立ち上げられた「ダジャレクラウド」と「復興いいね!」のプロジェクトの皆さんが引き続き同じテーマに取り組まれていました。継続していくことを大切に考えているHack For Japan としては嬉しい限りです。
東京会場でアイデアとして上げられたものは次の9つです。
復興いいね!
  • メンバー募集中!Servlet/GAEをご存知の方、Silverlight やHTML5でUIが作れる方、デザイナーの方に来て頂きたい。
  • より使いやすい、親しみやすいUIを考えている。ハートのアイコンを真ん中に置き、2段階リンク。twitter IDでの連携。
  • 発表資料はこちら
Ninja(放射線計測公開)
  • ガイガーカウンターからのデータ分析について話し合った。
  • Botを作る、シーベルトに変換する
  • この場所をガイガーカウンターで測ってという要望に応えるマッチングなどの案も出た。
  • ガイガーカウンターの見せ方のアイデア、放射線スカウター、等高線のような表示。
ダジャレクラウド
前回、ニッポン放送さんのapp10という番組からアイデアを頂いたプロジェクトです。
  • 「ダジャレで被災地の方々に笑顔を届ける」というコンセプト、好意的に考えてくれる人ばかりではないのでブラッシュアップが必要かと思い、いろいろ考えてきたとのこと。
  • 今後、笑いで人を集めてアクセスを流す先として、うらと海の子再生プロジェクトに代表される一口オーナー制度のように「支援形寄付」を考えたい。
  • いかにして思わず衝動買いしたくなってしまう心理になってもらうか、ダジャレクラウドは真面目に面白く「笑う」というポジティブな感情を発展させていきたい
  • ソーシャルボタンを使って集めたパラメータで、一つ一つのダジャレを真面目に分析する。属性情報でどんな年代にヒットするダジャレかということも得られるようにしたい。
  • 発表資料はこちら
ボランティアセンター向けニーズ公開ツール
  • 様々なサイトにある情報が最新なのかどうか、見やすくするためのツールを作りたい。
  • Access Needs 表を使っている所と連携してデータをWebに表示できるようにする。
  • 個人が参加意向を示せる仕組みもあると良いかも。
  • 少しfunな要素として、めっちゃ来て欲しいメーター、超行く気満々ボタン、行かないけど応援してるぞ、という3つのボタンをつける。
  • 発表資料はこちら
崖イイネ
  • 原案は “hack earthquakes”
  • 直ぐに支援に結びつく話しではないが、地震で被害を受けたくない、受けさせたくない研究者、Hack For Japan, エンドユーザを結ぶ仕組みを作りたい。
  • 崖写真を集めて研究者に見てもらう。WebサービスとAndroidアプリを作成する。7/30実装完了という具体的な目標も!
  • 発表資料はこちら
情報再利用促進
  • 情報が公開されていてもpdfだったり、wordやexcelだったり….という問題を解消したい。CSV公開チェッカ等の仕組みを用意している。
  • 真面目過ぎるPJなので、面白さのエッセンスを考えてくれる人を募集中!
  • 情報を提供する人、アプリを使う人、両者の手間を増やさず減らす仕組みの提供。情報の提供者にも見る人にもメリットを。
  • 可視化のために、時間軸、空間軸での共通化を計る。
  • 発表資料はこちら
Cars Donation
  • 津波で沢山の車が流された。保険は津波には適用されない。
  • 被災地に車を寄付する際のマッチングための効率的なスキームの仕組みを作りたい。
  • アイデア発表時に使われたサイトはこちら
みんなのまち
  • 浦安の液状化の被害にあったという方から当初は「損害物件目安箱(仮)」というアイデアとして挙げられた。
  • 道路に陥没がある等の危険を、市民は「よくして!」ボタンで報告をする、情報をみる、そして自治体がそれを治す。ボタンが押された回数が優先度の指標になる。
  • 発表資料はこちら
My Doctor(遠隔問診システム)
  • 現在3人でやっており、まだ完成していないので追加メンバー募集。法律等にも詳しい方がいると助かるとのこと。
  • 出来るだけ簡単に入力出来るようにする。入力手段として携帯、PCに加えて任天堂DSも対応出来るようにしたい。被災地でのwebアクセスはDSからのものが意外と多いとのこと。
  • 発表資料はこちら
最後に、参加された皆さんと撮った記念写真です。


ここから1週間置いて7月30日のハッカソンに繋がります。
レポートのハッカソン編はこちらへ。
Hack For Japan スタッフ 高橋憲一

Hack For Japan Iwate 遠野ハッカソン実施報告

Hack For Japan 岩手県 遠野会場スタッフを務めました、関です。

Hack For Japan の 遠野まごころネット会場は、参加した皆様のおかげで素晴らしいハッカソンになりました。ご報告させていただきます。

Hack For Japan としては4回目となるハッカソンですが、遠野会場での開催は初めてでした。ボランティアセンターという場所での開催というのも初の試みとなりました。
23日アイデアソン、30日ハッカソンという日程の他会場と違い、23日アイデアソン、24日ハッカソンという形で運営しています。私は23日はそのまま遠野まごころネットへ宿泊させていただきました。

 

当日の模様は、一部Ustream のアーカイブから、ご確認いただけます。発表資料については、Hack For Japan のページ からもご確認いただけます。

 

全体の感想としては、具体的なニーズの洗い出しに時間をかけたこと、被災地に近い人達がチームに入ってくれたことなどから、地に足が着いた具体的なプロジェクトが多かったと思います。
過去のハッカソンでは、被災地の方々のニーズを想像しながらアプリケーションを作ってきました。それはそれで良かったのですが、実際にアプリケーションを使う人のフィードバックが得にくいという点がありました。
今回は、ボランティアセンターであるまごころネットで開催ができた為、ボランティア作業経験者や、被災地の支援活動を行っている方などに参加していただき、ニーズを直に聞き取ることができました。
参加者は、アイデアソンが32名、ハッカソン21名でした。ご夫婦で参加されている方が数組いらっしゃったのが印象的です。年齢層も幅広く、良いバランスだったと思います。たいていこのようなイベントは当日になるとキャンセルが多く発生するものですが、両日ともに申込みより参加者の方が多い(両日とも130%超え!)という嬉しい参加率でした。

アイデアソン終了後の記念写真。皆様充実した素敵な笑顔です。

 

1日目:アイデアソン

 

ニーズの洗い出しタイム
チーム分けの前に、全員でITに対してどのようなニーズがあるのかを洗い出しました。その時に利用したドキュメントはこちらです。(検討にはホワイトボードを使いました)
非常に活発に意見が出て、ITでサポートできることが数多くありそうだということがわかりました。
どれも捨てがたかったのですが、リソース的に全てをやるわけにもいかないので、各ニーズに対して、「貢献したい」というものを選んでいただきチーム分けを行いました。
その結果、以下の5つのチームが結成されました。
 
・写真の修復、トレーサビリティ
遠野まごころネットでは被災地から集めた写真の修復作業を行っていますが、現在、その修復作業の各工程で、元写真と修復後の写真との紐付きが失われてしまい、混乱するようなケースが多く発生しています。ワークフロー管理やトラッキングなどを行いたいというプロジェクトです。
 
・まごころネットの情報発信(ホームページ)
遠野まごころネットから発信する情報発信。まごころネットでは多くのプロジェクトを走らせていますが、その多くの情報はオンライン化されていません。まごころネット副代表の多田さんとしても、タイムリーに情報を載せること、情報の種類を増やすこと、寄付を集める仕組みの検討などのニーズが上がっていたため、まごころネットのシステム担当などのメンバーを含めてチームが結成されました。
 
・ボランティア緊急退避/安否確認
ボランティア作業を行っている最中に余震が来た場合に、土地勘の無いボランティアの人たちはどの方向に避難するべきかがわからないという問題があります。また、家族への身の安全の連絡なども必要です。アイデアソンを行っている最中に、偶然震度5の地震が遠野で発生しました。被害自体は大きくなくイベントは続行できましたが、家族からの安否確認メールが多く届いたりということもありました。避難すべき場所などの情報がわかり、簡単に関係者に対して安否を連絡できるようなツールが作れないかというのがこのプロジェクトです。
 
・動植物への影響調査とDB化
今回の震災は、人間だけでなく動植物にも影響を与えました。特に、根浜海岸などに生えていた「ハマナス」という植物は多くが流されてしまったとのことです。しかし、芽が出始めているところもあるとのこと。人間が住んでいた地域はがれきで壊滅的な状態で変わり果てた姿になりましたが、人工の建造物が無かったような部分は元の形に戻るのも早いそうです。
花や植物の写真と、発見した位置情報をDB化し、植物が自力で復活する記録から復興のあり方を考えようというのがこのプロジェクトです。
 
・仮設ネットカフェ
今回の震災では、ネットの限界をIT技術者達が思い知らされましたが、被災者の方々が便利さを認識するきっかけにもなりました。例えば、携帯電話を持つようになったり、ホームページやツイッターによる情報発信の効果を認識したりといったようなことがありました。
仮設住宅にネットカフェを作るというテーマを通じて、仮設住宅に暮らす人々が少しでも快適に暮らせるようなICTのあり方を検討しようというのがこのプロジェクトです。
 
各チーム内での活発な議論の後、ニーズを満たすためのソリューションと、翌日のハッカソンでやることを発表して頂きました。
アイデアソンの終了時には、全てのプロジェクトが長期的な活用イメージについて具体的な構想を固めていることが印象的でした。
 
2日目:ハッカソン
 
スタッフはそのまままごころネットへ宿泊し、次の日のハッカソンに臨みました。朝9時開始にもかかわらず、全員が時間前に着席しており、皆様やる気満々です。各チームのその日のゴールを発表したあと、早速作業を進めます。みなさんもくもくと作業を続けた結果、以下のアウトプットが生まれました。
 
・Photrackjpチーム
(写真の修復、トレーサビリティ)
遠野まごころネット内で行われている写真修復作業に関連し、迅速かつ正確に被災者の方々に修復した写真を届けるためのシステムの開発を行うというテーマに取り組みました。
にプロジェクトページがありますが、修復スピード、ファイルのトレーサビリティ、担当者の引継ぎなどの問題点を解決する為にTracを利用して管理を行うことを検討しました。この日はアプリケーションの完成までは行きませんでしたが、渋谷Tracのコミュニティなどを紹介し、引き続き作業を進めていくことになりました。
一方、従来紙と口頭で行われていた作業の引継ぎを電子化しマニュアル作成を行ったほか、チームメンバーである@mapconcierge さんが、GigaPanというパノラマ画像撮影機材を使い、写真修復作業の作業部屋を撮影、各工程の作業にタグ付けを行い、作業フローをイメージしやすいものにしました。
http://gigapan.org/gigapans/82481/

 

写真の修復作業は多くのボランティアセンターや組織でも行っていることのため、マニュアルを公開することで、他の組織との作業の比較やアドバイスの交換なども期待できると思います。
 
・まごころweb チーム
(まごころネット情報発信(ホームページ))
まごころネットのホームページはこれまで情報システム班が管理しておりましたが、どのような情報をどのような手段で発信すべきか?という部分を戦略的に発信していく役割、いわゆるディレクターにあたるポジションが明確ではありませんでした。このチームでは、まずはそのディレクターにあたる役割を定義しワークフローなどの整理を行いました。主に、ワークフロー、発信したい情報、サーバー等の状態について情報を整理し、サイトのリニューアル案なども完成しました。
このチームの発表資料はこちらです。
また、ボランティアへ行った人が、まごころネットに帰ってきてから作業日誌的なものをサイトに投稿できるようなワークフローを導入し、ボランティア体験談のコンテンツを増やすことにもなっています。
 

 

・ブジだす君
(ボランティア緊急退避/安否確認)
このチームでは、なるべく簡単な操作で身近な人へメッセージを伝えるアプリケーションを作ることとしました。1日のハッカソンの間に、実際にAndroidで動作するデモまでを完成させています。
事前に、メッセージを伝えたい人のメールアドレスや電話番号を入れておき、ボタンを押すだけで、安否のメッセージと位置情報が設定した人へメールやSMSを飛ばすことができます。
後々のバージョンでは、避難情報などを配信することなども盛り込んでいきたいということでした。このチームは、いちばんハッカソンらしいアウトプットであったと思います。
ソースは既にプロジェクトページに上がっております。開発に参加したい方は是非コンタクトを取ってみてください。
発表資料
プロジェクトホームページ
プロジェクトメーリングリスト
 

 

・ハマナス先生
(動植物への影響調査とDB化)

私もチームに入っておりました。アイデアソンでは何かしらシステムを作る方向で検討していましたが、メンバーの一人が他のサイト調査を進めたところ、環境省が運営している「いきものみっけ」というサイトが、我々のやりたいことにかなり近いことがわかりました。既に似たようなプロジェクトがありクオリティもかなり高かった為、わざわざ同じようなものを作ることはやめて、こちらのサイトと連携、支援する方が良いということになりました。

したがって、このチームでは、関係各所に、このプロジェクトの意義と独自性を伝えることにフォーカスして作業を行いました。その結果出来上がった資料がこの資料です。
メンバーの一人がたまたま知人の伝手で環境省の方に繋げることができ、電話でコンタクトを取るなどといった、素晴らしい動きをしておりました。作るばかりがハックではなく、既存のものを組み合わせることで新しい価値を作るというのも重要だといういい例になったと思います。このプロジェクトについては、改めてブログで報告させていただきたいと思います。
 

 

・仮設ライフ楽しくし隊
(仮設ネットカフェ)
いきなりネットカフェを作ることは1日ではできませんが、仮設住宅をICTで支援するとしたら、どのような形の活動ができるかという点を掘り下げて、具体的なアクションプランにまで落としこむ作業を行っていました。まごころネットは「まごころ広場」や「まごころカフェ」という交流スペースを運営しているため、まずはそこにいくつかIT機器を持込、チューターが使用法を説明するといったことから始めることができそうです。
仮設ライフ楽しくし隊の発表資料

また、仮設住宅が自治会のような機能を担うという点に注目し、連絡網としてメーリングリストがあると便利であろうという観点から、仮設住宅の方向けにメーリングリスト作成マニュアルを完成させました。かなり丁寧な作りで、すぐにでも使える高品質なマニュアルが完成しています。
メーリングリスト(電子連絡網)、始めの一歩
人々が避難所から仮設住宅へ移ったことにより、情報の伝達がしにくくなったと聞いています。メーリングリストを活用することにより、少なくともメールが読める人には迅速に情報を伝える手助けになればと思います。上記資料は自由に展開して良いとのことですので、皆様是非お使いください。

 

まだまだニーズはたくさんある

初日には多くのニーズが洗い出されましたが、今回の検討スコープからは外れてしまったものがあります。例えば仮設住宅情報のデータベース活用や、ボランティア情報マニュアルなどです。このようなニーズに対して、何かソリューションが提供できそうな方は、Hack For Japan のメーリングリストまで是非御連絡ください。
 
また、7月30日には、仙台・会津若松・東京・愛媛の会場でハッカソンが行われますので、是非ご参加ください。

詳細はこちらから→http://www.hack4.jp/RelatedInfo/Events/FutureEvents/110723mtg

第3回 アイデアソン・ハッカソンの参加申し込み始まりました!

お待たせしました! 第3回アイデアソン・ハッカソンの参加申し込みが始まりました。開発者に限らず、復興を支援したいとお考えの方のご参加をお待ちしています!

今回の会場は東京/会津若松(福島)/仙台(宮城)/遠野(岩手)の4カ所です。

・東京/会津若松(福島)/仙台(宮城):7/23(土)、7/30(土)の2日間
・遠野(岩手):7/23(土)、7/24(日)の2日間

となります。

遠野(岩手)会場のみアイデアソンが23日(土)、ハッカソンが24日(日)と2日間連続で開催します。他会場はアイデアソンが23日(土)、ハッカソンが30日(土)と1週間、日にちを空けて開催します。

▼各会場ともに、ご参加いただける方は、以下リンク先のATNDから申し込みを行ってください。具体的なイベント概要もATNDに掲載されています。

<東京会場>
7/23(土)10:00-19:00 アイデアソン – 現地レポート・情報交換・企画会議など:ATNDで申し込み

7/30(土)10:00-18:00 ハッカソン – 開発作業(個別・グループワーク)・成果発表など:ATND で申し込み

<会津若松(福島)会場>
7/23(土)10:00-19:00 アイデアソン – 現地レポート・情報交換・企画会議など:ATND で申し込み

7/30(土)10:00-18:00 ハッカソン – 開発作業(個別・グループワーク)・成果発表など:ATND で申し込み

<仙台(宮城)会場>
7/23(土)10:00-19:00 アイデアソン – 現地レポート・情報交換・企画会議など:ATND で申し込み

7/30(土)10:00-18:00 ハッカソン – 開発作業(個別・グループワーク)・成果発表など:ATND で申し込み

<遠野(岩手)会場>
7/23(土)10:00-19:00 アイデアソン – 現地レポート・情報交換・企画会議など:ATNDで申し込み(現在準備中です)(ATND設定しました)

7/24(日)9:00-17:00 ハッカソン – 開発作業(個別・グループワーク)・成果発表など:ATNDで申し込み(現在準備中です)(ATND設定しました) ※開始・終了時間は変更になる可能性があります。

▼イベントのご案内、タイムスケジュールなどは以下に掲載されています。
7月23日アイデアソン、30日ハッカソン (仙台・会津若松・東京)のご案内
7月23日アイデアソン、24日ハッカソン (遠野)のご案内

▼イベントの雰囲気を知りたい方は、前回のアイデアソン・ハッカソンのレポートが掲載されていますので、ご覧ください。
第2回アイディアソン、ハッカソン 仙台会場からのレポート
第2回アイデアソン東京会場からのレポート
第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その1~ラジオとの連動)
第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その2~アイデアソン)
第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その3~ハッカソン)

* 今回は前回の参加者のフィードバックを元に、ディスカッションや開発に出来るだけ時間を割り当てられるように進行を考えています。

▼アイデアソン・ハッカソンについて疑問をお持ちの方は、以下Q&Aをご覧ください。

Q:アイデアソン・ハッカソンって何をするの?
A:アイデアソンは最終的にサービスとして公開されるもとになるアイデアを、参加者で話し合いながら形にしていくイベントです。
ハッカソンはアイデアソンで形になったアイデアをもとにサービスを開発していくイベントです。

アイデアソンについては第2回ハッカソンの追加情報の「そもそもアイデアソンってなんぞ?」もご覧ください。

Q:アイデアソン・ハッカソンは誰でも参加できるの?
A:どなたでも参加いただけます。
アイデアソンでは「何があれば人々の助けになるか」「何が被災地に必要か/欲しいか」などの要望や、すでに開発をした人からの「もうこんなものを作ったよ」という開発報告なども期待しています。開発者でも、開発者でない方でも、復興を支援したいとお考えの方のご参加をお待ちしています。会場によっては、次に開催されるハッカソンのチーム分けまで行うことになるかもしれません。

ハッカソンではアイデアソンで出し合ったコンセプトを元に、短期間でサービスとして一定水準に仕上げていくのが目標です。サービスを実際に開発するエンジニアやデザイナーはもちろんですが、彼らをサポートする方のご参加もお待ちしています。

Q:アイデアソン・ハッカソンの両日参加しないといけませんか?/開始から終了までずっと参加しなければいけませんか?
A:アイデアソンかハッカソンどちらかの参加でかまいません。また途中参加、途中退出も自由です。どの会場もご自身の都合に合わせて参加いただけます。

Q:開催についての情報や当日の状況はどこから入手できますか?
A:ツイッターが便利です。
開催に関することやイベント当日の状況などについては、ツイッターの@hack4jpをフォローいただくか、ハッシュダグ #hack4jp を追いかけていただくと様々な情報が入手できます。開催当日は各会場を結び、会場間での共同開発もできるような仕組みを考えています。
何か良いアイデアがある方は、是非 Hack For Japan のメーリングリストで提案お願いします。
メーリングリストへの参加はここからできます。

▼ご参加いただく方へ
今回は4会場での開催となりますが、東京など被災地以外にお住まいの皆様には、仙台や会津若松、遠野での参加も検討していただければと思っております。ネットで簡単に情報入手できる時代とは言え、現地に赴くことでしか分からないことが多くあります。また、現地を訪問することが、冷え込んでしまった地元経済を多少なりとも潤すことになります。現地からの参加者の皆さんと一緒に議論し、開発することでより実際のニーズに合ったものが産み出されることになると期待されます。

※ただし現地での安全が確約されるものではありません。矛盾する話ではありますが、あくまでご自身での判断、責任にて参加をお願い致します。

多くの方々の参加をお待ちしております! ぜひお知り合いなどにもお声がけください!

Hack For Japanスタッフ 佐伯 幸治

第2回アイデアソン/ハッカソンのアンケート結果

第2回アイデアソン/ハッカソン参加者のアンケート結果を公開します。

最初に参加された日を質問しました。5/21(土)のアイデアソンのほうが多かったようです。開発者以外の方にも参加いただけた結果ではないかと思います。

参加日

参加会場は東京がもっとも多く、その次に仙台、そして福岡、会津若松、高松の順になっています。

参加会場

参加のきっかけはサイトやメーリングリストから知ったという人がもっとも多く、僅差でTwitter経由という結果になっています。知人・友人から誘われてという人も同じくらいの方いらっしゃいました。複数回答ありなので、Twitterで友人から誘われてという人などもいらっしゃったのかもしれません。

参加のきっかけ

Hack For Japanのメーリングリストに入っていらっしゃいますかという質問からは、まだ入っていらっしゃらなかった方も多くいらっしゃることがわかりました。

メーリングリストへの参加

メーリングリストへの参加はこちらから → http://groups.google.com/group/hack4japan/subscribe

Hack For Japanに賛同したプロジェクトに参加していますか?  という質問への回答はちょうど半々でした。今回のハッカソンから参加という人もいたようです。また、初日のアイデアソンだけに参加した人はプロジェクトへ参加していないという人が多かったようです。開発者ではない人にもアイデアソン以降もプロジェクトに参加してもらえるようにするのが課題です。

Hack For Japanプロジェクトへの参加

アイデアソン/ハッカソンに参加して良かったですか? という質問には100%の方から良かったと言っていただけました。かなり恣意的な質問だったかもしれません 😉

アイデアソン/ハッカソン参加しての感想

自由記述でいただいたコメントは総じて参加して楽しかったと言っていただけていましたが、運営サイドの準備不足や不手際を指摘される方もいらっしゃいました。多くの方に貴重な週末をつぶしてまで参加いただいていますので、今回の反省を活かし次回以降は出来るだけスムーズな運営が出来るようにしたいと思います。

また、時間が足りないという声もいただきました。Hack For Japanのハッカソンに限らず、常にハッカソンというのは時間が足りなくなるものなのですが、今回はアイデアソンで各地からの報告を多く入れたために時間が足りなくなった面もあったかと思います。次回は報告やTechTalkは別日程での開催(* 必ずしもアイデアソン/ハッカソンと連携する必要もないと思います)とし、アイデアソン/ハッカソンでは議論や開発にもっと時間を割り当てられるようにする予定です。

この他にも多くのコメントをいただきましたが、スタッフですべて目を通し、議論しました。次回以降の企画/運営に反映します。

次回は同じく東京、仙台、会津若松にて7/23(土):アイデアソン、7/30(土):ハッカソンの予定です。詳しくは決まり次第、お知らせします。お楽しみに。

Hack For Japan スタッフ 及川卓也

第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その3~ハッカソン)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

5月にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。

この文章は、前々日アイデアソンの投稿の続きになります。

5月23日日曜日 ハッカソン

イベント二日目の朝、会津若松はかなりの雨でした。
会津大学の学生の多くは自転車で通っているためか、集まりはゆっくりでした。

スロースタート

仲間に電話をかける姿もちらほら見られたようです。この日はすぐにチームごとの作業に入るため、それぞれのチーム内での合意が出来ていれば大丈夫です。

今日のハッカソンで開発することになったプロジェクトは次の通りです。

プロジェクト名朝の参加今日の目標
風評をふっとばせ隊2人サイト公開
行政情報公開1人提案作成
クラスメイトファインダー&コミュニケーション3人設計
あいづっぽ(ボランティアマッチング)4人サイト公開
放射線関係(API)2人完成
放射線関係(デバイス)3人完成

今日はどこまでやろう?

この会場には開発者ではない人、低学年の学生の参加も多かったのですが、それぞれのチームはメンバーの知識や経験をもとに目標を設定してくれました。
自分たちで見積もるのが難しくても、経験のあるスタッフが助言していました。
コードを書くだけではなく、企画書や提案書を作成して、興味があって作ってくれる開発者を募集するような考え方で参加するやり方もあるのではないかと思いました。

会津若松会場の作業のようすを写真で紹介します。写真は他にもあります

クラスメイトファインダー&コミュニケーション

風評被害をふっとばし隊

あいづっぽ

ガイガーカウンター製作中

テレビの密着取材


他チームとも相談しながら進めます

放射線関係

お昼前に、びぎねっと宮原さんが会場を訪問してくださいました。オープンソースカンファレンス特製トートバッグをいただきました。ありがとうございました。


宮原さん

私も自分のプロジェクト(放射線マップアプリとPDF関連)を進めようかと思っていたのですが、お昼がやってきました。

昨日は準備に追われ、会場でお弁当を食べました。でも今日こそは会津若松の名物を食べに行くのです。

名物ソースカツ丼

……並盛でも、もの凄い量でありました。巨大なカツが飯を覆い、食べ難いときは、蓋にカツを退避するとよいとのティップスをいただきました。福島は米処でもあり、美味しいご飯をたくさん食べるそうです。

ソースカツ丼にも、いくつかのスタイルがあるのですが、ご飯に千切りキャベツを敷き、ソースを掛けた豚カツを盛りつけるというものが会津流です。
カツの下に千切りキャベツを敷くのはここが発祥らしく、伝統会津ソースカツ丼の会というものがあります。
作法とパターン、取り巻くコミュニティ、これはソフトウェアと同じではないだろうかと考えていると、隣では「アダムスキー型」が目撃されていました……

昼食後にプロジェクトの進捗状況を発表する予定になっていましたが、作業を続行することになりました。
みなさんリフレッシュして、開発を続けてゆきます。テレビの取材もありました。

17時になり、今日の開発作業は終了です。それぞれの会場で成果発表会が始まりました。

各チームがこの二日間の成果を発表し、各会場から一チームを代表として選出することになっていました。会津若松会場からは6チームが発表することになりました。

これは5分間ずつのライトニングトーク形式で行われました。ぜひ録画をご覧ください。


<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14881566" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

まずは「風評被害をふっとばし隊」の発表です。

風評対策には確実な情報を提供して消費者に安全・安心を伝えていくのが確実な道である。
そのために、元気米作りをサイトで紹介してみようということになったそうです。
発表された江川さんのお宅は篤農家(とくのうか:熱心で研究的な農業者)で、放射性物質対策の農法を色々と試行されています。
その農法の一つに、ボカシという有機物を発酵させた肥料の使用があるそうです。
作物に様々な物質が含まれているボカシ肥料を与えることで、放射性物質が作物に取り込まれることを防ぐそうです。
また、ガイガーカウンターによって放射線量を実際に測定しながら作業をされています。
江川さんの田圃では測定される放射線量は少ないとのことですが、念のために水道水で苗を育て、水路に吸着剤を敷いています。
さらに、検査機関に土壌と収穫した米の分析を依頼する予定とのことです。

このプロジェクトは、へちまインターネットさんがサーバーを提供され、元気米プロジェクトとして公開されています。

風評被害をふっとばし隊

次は、「クラスメイトファインダー&コミュニケーション」の発表です。

避難によって友達と離ればなれになってしまった児童たちが福島県にも多くいます。
このプロジェクトでは、学級便りのような感覚で、離れた場所にいる友達と繋がっていられるサービスを開発しました。
このサービスを使えば、自分のクラスメイトの近況がわかり、校長先生からのビデオレターなどを読むことができます。
また、新聞のように印刷することも可能なレイアウトを検討しているそうです。


クラスメイトファインダー&コミュニケーション

次は、行政情報公開「100年使える震災WEBサイトテンプレート」の発表です。

このチームは前日には5人いたのですが、今日は1人だけの参加となってしまい、企画書の提案をしようということになりました。
1995年の阪神・淡路大震災、この東日本大震災の教訓を活かして、災害の際に必要となる情報を統一された構成のテンプレートとして整備し、ソーシャルな情報と連携する。
また自治体ごとの更新情報を集約するサイトを構築して、情報の一覧性も確保するようなことを提案しました。
この集約サイトによって他の自治体との状況の比較ができ、自治体の上層部に働きかけて公開が促進されることも狙っているそうです。

行政情報公開

続いては、「あいづっぽ(ボランティアマッチングサイト)」。仲良くメンバー全員による発表でした。

この震災では、ボランティアをしたくても募集の情報が見つからない、参加が現場で対応しきれないなどの問題があったそうです。
このような問題を解決するために、あいづっぽは学生の視点からボランティアマッチングの仕組みを提案・開発しました。
まだ完成はしていないということでしたが、ログインとボランティア情報の登録、参加という基本機能は実際に動作していました。
これから実装したいこととして、Twitter、mnews(学内ニュースグループ)などのソーシャルなサービスでニーズを広めることや掲示板などのコミュニティ機能を追加することを計画していました。

あいづっぽ

次に、放射線関係です。

このチームは大人数で放射線情報に関係するシステムを開発しました。
これは情報の収集、蓄積と利用、情報の提示の一連の領域にわたるものです。
まず、手動でガイガーカウンターの測定値をサーバーに登録するAndroidアプリケーションを高校2年生が開発しました。
それを自動化し、ガイガーカウンターからBluetooth経由でデータを自動的に送信するシステムも開発。
そしてサーバーに蓄積されたデータを利用することができるAPIを準備し、APIを呼び出して情報を地図上に表示するという一連のデモを見せてくれました。


放射線関係のチーム

最後に、先進的な放射線測定器の紹介がありました。

かつて携帯電話型の放射線測定器があったそうです。価格などの情報は見つからないので販売はされていないのではないかということでした。

後ほど私が、ベラルーシにある販売元に問い合わせてみたのですが、携帯電話のモデルチェンジに合わせて測定器の外装設計をやり直すのは大変なので、BluetoothかIRでPCと連携するモデルに移行したとのことです。この会社では腕時計型の測定器なども販売しています。

携帯電話型の放射線測定器の紹介

すべてのチームの発表が終わると、代表の選出に入りました。
投票のルールは試行錯誤したのですが、会津若松会場からは放射線関連チームが選ばれました。

代表の選出

各会場の代表が決まると、それぞれの会場を中継しての発表が始まりました。

高松は会場を閉める時間が早かったため、残念ながら同時中継には参加できませんでした。

高松の発表の録画はここにあります。

(Sahana関連、音声読上げのWebサービス、Bluetoothによるチャット、感電水冷服、ガイガーカウンターとAndroidの連携について発表されています。)

東京会場からは『復興イイネ』チームが発表しました。

これは復興を支援しているサイトにボタンを設置し、ソーシャルに評価してサイトを相互に結びつけるようなことを狙ったサービスです。
ユーザーから高い評価を得たサイトは、投票結果ページで目立つようになるそうです。

東京会場の録画

仙台会場からは『復興時計』というプロジェクトが発表されました。

震災から復興してゆく風景を刻々と表示することで風化防止を狙ったものです。これはAndroid版とiPhone版のプロトタイプが作られました。

次は福岡会場からの発表で、『donatter(どねったー)』です。

このプロジェクトは3月21日、最初のハッカソンから開発を続けているもので、今回はAPIの機能拡張を実施したそうです。
義援金や献血などの貢献の様子を可視化することで、楽しみながら支援を続けられるようにすることを狙ったサービスです。Android版とiPhone版、Webアプリ版のプロトタイプが作られていました。

福岡会場の録画

そしてここ会津若松会場から、ガイガーカウンターチームの発表が始まりました。
この発表ではハードウェアと連携する動作もビデオで中継でき、離れた会場にも臨場感が伝わったと思います。
このチームは手がけている領域が広く、短時間での発表が難しいのですが、うまくまとめて良い発表をしてくれました。

どのプロジェクトも素晴らしい成果だったと思います。開発者のみなさん、おつかれさまでした。

もうすぐ、二日間のイベントも終わりです。

スタッフの及川さんからのあいさつがありました。


今回のイベントでは放送の中継など、多くの準備不足がありました。
ですが私たちにも、何が正解かが分からないので、試行錯誤しながら進めているところなのです。
Hack For Japanには強固な仕組みはまだないのですが、開発者が復興へ向けての思いを一つにするような活動になってきていると思います。
この活動を継続していくために、みなさんの更なる協力をお願いします。
今回のイベントにご協力いただいた方々、ありがとうございました。

私も自分のプロジェクトを進めることと、よりよい運営のために努力を続けたいと思いました。

続いて、協賛していただいている会社からの書籍がもらえるジャンケン大会を開催しました。オープンソースカンファレンス特製トートバッグも追加です。

ご提供いただいた書籍は、翔泳社さん「10日でおぼえるAndroidプアリ開発入門教室」、日経BP社さん「クラウド活用のためのAndroid業務アプリ開発入門」、技術評論社さん「Software Design」でした。ありがとうございます。

ジャンケン大会

最後に、会場の産学イノベーションセンター(University Business Innovation Center) 前で集合写真を撮りました。終了後しばらく経ってからだったので、帰ってしまった方もいるのが残念です。初日も撮ればよかったなと思っています。

会津大学 産学イノベーションセンター前

今回のイベントでは、開発を本分としていない人も多く参加されていました。
実際にはアイデアソンでの意見の交換や、ハッカソンでも企画を提案するなど、開発者ではない方の協力が必要なことも多くあります。
これからもそういった方々に積極的な参加を呼びかけてゆきたいです。

実際に現地を訪れてみて、地元の人の話を聴くことには代えることのできない価値があるのだということを実感しました。
肌で状況を理解するということだけではなく、人と会って話すことで生まれたものがありました。
震災支援のシステムを遠地から開発されている方は、現地での使用状況や、地元の人の顔を思い浮かべながら作業をされてみてはいかがでしょうか。

また、会津若松は風評によって観光客が激減しているというようなこともあります。
自然があり、歴史と美味しい食べ物もある会津若松をぜひ訪れてみてください。

今回は大規模なイベントを開催して成功させることができました。
これほど大きなイベントでなくても、着実に活動を続けてゆくことが大切だと思っています。

今回のイベントに参加してくださった方、ご支援くださった方に感謝します。
どうかこれからもHack For Japanへのご協力をよろしくお願いします。

Hack For Japan スタッフ 石野正剛

第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その2~アイデアソン)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

 

先の週末にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。
この文章は、初日の投稿の続きになります。

 

5月22日土曜日 アイデアソン

 

今回のアイデアソン・ハッカソンの会場は会津大学です。会津大学はコンピュータ理工学の単科大学で、卒業論文は英文で執筆するそうです。
この日のイベントは他の三会場とのUstream中継をしなければならず、準備には手間取りました。

 

10時になり、各会場でのごあいさつが始まりました。会津会場では運営をお手伝いしていただいている、Gclueの佐々木 陽さんにお話ししていただきました。

 

Gclueの佐々木さん

 

そしてセッションが開始されました。

まずは東京会場から助け合いジャパン藤代 裕之さんの中継です。

この震災では、ボランティア情報のマッチングが大きな課題となっているそうです。「被災地の受け入れ態勢が整っておらず、ボランティアに行くことは迷惑になってしまう」などの説が流布してボランティアが自粛されるという動きができてしまっていたようです。ところが、被災地ではボランティアが足りないという事が起こっていたそうです。
助けあいジャパンは被災地の情報拠点やNPO・NGOから寄せられたボランティア・ニーズを収集し、API配信しているそうです。このAPIを利用したアプリケーションの開発を訴えられていました。

参加者の中にゴールデンウィークに11日間も現地での活動に参加していた方がおられ、意見が上げられました。この災害に関連する情報は、場所や時間が異なると状況も変わり、一概に扱えるような種類のものではないということが示唆されました。

Hack For Japanのグループにこの方からの投稿がされました。

 


できるだけ沢山の方に被災地でのボランティア活動をして欲しいと思っています。ただ、そのための仕組み作りはまだまだ改善の余地があります。準備もせずに単にたくさん押しかけても、社協の方などの時間を取るなど、迷惑になる可能性があります。今回の震災のボランティア活動は数年から、10年、20年とかかるとおっしゃる方がいました。息の長い活動をぜひ多くの方にして欲しいと思っています。

 

 

藤代さんの活動はこちらの記事でも詳しく紹介されています。香川会場に参加された、鎌玉大さんから教えていただきました。

ITmedia – 現場ルポ・被災地支援とインターネット

 

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14845379" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

助け合いジャパンの藤代さん

 

続いても東京会場からの中継で、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーにラジオ番組とHack For Japanとの連動企画についてお話しいただきました。

この番組は、ニッポン放送 オールナイトニッポンGOLDapp10.jpというものです。app10.jpは「スマートフォンで人と人とがつながることで、幸せが生まれる。アプリは、人を幸せにする。」というテーマで一月ほど前から始まっていた番組です。

吉田尚記アナウンサーは20年来の文系Geekで、最近のスマートフォンブームに、「やっと時代が追いついてきた、機は熟した」と、この番組の企画を提案されたそうです。

Ustream、ニコニコ動画、Twitterなどと連動して、リスナーとの結びつきが強いようです。

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14846685" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

ニッポン放送の吉田アナウンサー

Hack For Japanとの連動と、前日の及川さんのラジオ生出演のことを紹介(前日のブログ記事)して、ダジャレ・クラウドのアイデアが良いのではないかと紹介されました。

さっそく、会場から手が挙げられました。これからメンバーを募集し、ダジャレ・クラウドの開発が始まりそうです。

こちらの会場の参加者からも質問がありました。東京と中継するのにUstreamとSkypeではうまくいかず、結局は電話で話すことになってしまいました。

会津若松でプロバイダーを経営されているへちまインターネット馬場さんです。「被災地の人は川柳を作って非常に元気になった、川柳というのは高級なダジャレである」という前振りのあと、「会津で一番問題になっているラジオアクティビティ(放射能)の風評被害を収めるためにラジオにがんばってもらいたい」と披露していただきました。また、サーバーを提供してもよいとのお申し出をいただきました。

へちまインターネットの馬場さん

福島県は原発事故による被害があり、放射線に関する問題は切実なものです。

私もこのことは実感していて、私が開発している携帯アプリはメールを送るボタンを付けているのですが、現地の方々からの声は多く寄せられてきています。

この日のイベントでは「Open Geiger Development Kit」という放射能計測開発プラットフォーム発表がされました。
これは、ガイガーカウンターによる計測値をAndroidを介してクラウドでシェアするというオープンな取り組みです。
シーエーの寺脇 勝彦さんがArduinoとBluetoothによるハードウェアの説明を担当され、Gclueの佐々木さんがAndroidとクラウドによるソフトウェアの説明を担当されました。

 

シーエーの寺脇さん

 

プロジェクトのページ

プレゼンテーションの資料

今回のイベントには原発の近くに住まわれている人も参加されており、このセッションへの関心は非常に高いものでした。

昼食を終えると、仙台会場のHack For Japan 西脇さんからの報告がありました。

西脇さんはマイクロソフトのエバンジェリストで、Hack For Japan の運営スタッフでもあります。地震直後から非常に積極的に被災地の支援を続けられています。いくつもの貴重な経験談が話されましたが、IT技術で解決できることも多くあり、ITの技術を持った人が現地で解決できることも多々あるとのことでした。たとえば、情報の専門家がいれば、それによって労力を削減できて効率的にボランティアの活動ができるというようなことです。現地には情報の専門家が足りないそうです。こちらの皆さんも頷きながらスクリーンを観ていました。

 

 

仙台会場のHack For Japan 西脇さん

 

 

 

次は「会津若松市の状況」を会津若松市災害対策本部の目黒 純さんにお話ししていただきました。

会津若松市内での建物などへの被害は比較的軽微で、西風のために市内では放射線量も少なく、風評による被害を防ぐために正しい情報の周知が必要であるとのことでした。市内の避難所の状況については、多いときは830人の避難者がいたが、今では100人以下であるということ、本部と避難所の情報共有は紙を毎日配送することでも行われていたということでした。指定の避難所以外に居住している避難者への情報提供手段が非常に限られているということが課題だそうです。ラジオの有用性はここでも報告されていました。

目黒さんはまた、OpenOffice.orgの導入と活用を進める活動をされています。

会津若松市では、全庁のPCに「OpenOffice.org」を導入し、文書ファイルにODF形式を採用しているそうです。

会津若松市の取り組み―オープンオフィスとODF形式文書を導入しています

 

 

会津若松市災害対策本部の目黒さん

 

 

そして「避難者を地域で長く支える元気玉プロジェクト会津つなプロ)の活動紹介とそこから見えた避難者の課題」を株式会社明天の貝沼 航さんにお話ししていただきました。

「元気玉プロジェクト」は会津地域にいる避難者の「安全な自立」に向けた長期支援の仕組みづくりに取り組んでいるそうです。
地震後、避難所の食料事情が整っていない3月17日からの約20日間に150名のボランティアがメッセージとともに26,000個のおにぎりを届けたそうです。今では社会福祉士、看護学校や短大の学生が中心になって結成された「巡回ボランティア」が、避難所を訪問して避難者の困りごとを調査し、解決と結び付ける活動を中心に展開されているそうです。会津若松には他の市町村から避難してきて、二次避難所にいる人が4,000人弱いるとのことです。

 

 

元気玉プロジェクトの貝沼さん

 

この後のディスカッションのテーマを募集する段階では積極的な話し合いがなされました。

 

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14850142" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

目黒さん、貝沼さんのお話しとディスカッションのようす

放射線に関連する活動を活発にされている、テレジャパンの宗像さんが、位置情報をベースにした被曝量の算出などの被災者支援の仕組みがあればよいのではないかと提案されました。宗像さんは、ふんばろう東日本支援プロジェクト福島支部で市民による放射線測定のネットワーク作りにも努力されています。

 

テレジャパンの宗像さん

 

会津若松市のIT産業振興担当の江川さんは兼業農家でもあり、ご自身の田圃での放射性物質を防ぐ工夫を紹介していただけることになりました。また風評被害対策のためのウェブサイトを立ち上げることをプロジェクトとして提案されました。

 

会津若松市IT産業振興担当の江川さん

 

その他にも、いくつもプロジェクト案が提案されました。これらはホワイトボードに書いてゆきました。

 

プロジェクトの候補

この中から、

・畑Q&A

・行政情報の公開サポート

・ソーシャルコミュニケーション

・助っ人探し

・放射線関係(API、ガイガーカウンター、Androidアップローダー)

のプロジェクトについてディスカッションをしようというメンバーが集まりました。

このように具体的なアイデアが提案されてきたのは、やはり被災地に近い土地での開催ならではだと思いました。

風評をふっとばせ隊

 

行政情報公開

 

放射線関係

 

クラスメイトファインダー&コミュニケーション

 

あいづっぽ(ボランティアマッチングサイト)

 

ディスカッション後、5分間のライトニングトーク形式でチームごとのプロジェクトの計画が発表されました。

どのチームも、とても良い発表でしたので、ぜひ録画をご覧ください。

 

<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14853703" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

ディスカッション結果の発表

 

この後、明日には参加できない方もいるのでメンバーの調整などをして、一日目のアイデアソンは終了しました。

各地との中継などで手間取ってしまったことは残念ですが、何とか成功させることができたと思います。

参加されたみなさん、おつかれさまでした。ありがとうございました。

 

この夜は会津のみなさんとの懇親会がありました。

会津は食べ物が美味しく、名物の馬刺と蕎麦をいただきながら、夜更けまで語らいました。

 

会津の仲間たちと

 

 

Hack For Japan スタッフ 石野正剛

 

つづく

第2回アイデアソン・ハッカソン開催報告(まとめ)

先週末5月21日〜22日に、Hack For Japan として2回目となるアイデアソン・ハッカソンを開催しました。今回は東日本の会場を含む国内5都市で同時開催し、2日間でのべ200名以上の多くの方にご参加いただきました。今回のハッカソンでは、新たに20以上のアプリ・サービスの開発プロジェクトが始動しました。各会場の活動は他の詳細記事に委ねるとして、この記事では今回のイベント概要をダイジェストでご報告します。

(イベント日程)
* 0日目(オンエア・アイデアソン)
* 1日目(アイデアソン)
* 2日目(ハッカソン)

(各会場レポート)
* 仙台会場
* 会津若松会場
* 東京会場
* 高松会場
* 福岡会場

(関連ポスト)
* 前回のアイデアソン・ハッカソンの結果報告 (4/4)
* 第2回ハッカソンの参加申し込み開始のお知らせ (5/6)
* 第2回ハッカソンの追加情報 (5/18)

■ 0日目(オンエア・アイデアソン)

各会場でのリアルなアイデアソン開催に先立ち、前日20日(金)には、ニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポンGOLD app10.jp』と Hack For Japan の連動企画として、全国のリスナーから、みんなが元気になるようなアプリのアイデアを募りました。(詳しくは こちら

photo

震災復興というと実際の被災地のニーズに即した、現実の生活に直結したものが必要ではあるのですが、この番組ではあえて、明るい、未来に希望を抱かせるものというテーマでアイデアを募ってみました。

結果、この放送から誕生した「ダジャレ・クラウド」の企画は、翌日から始まる東京会場のアイデアソン・ハッカソンで実際に開発が始まることになります。

■ 1日目(アイデアソン)

1日目(土曜日)は、現地からレポートや、技術情報の講演を聴いて、新しいプロジェクトのディスカッションを行う「アイデアソン」です。4会場で、計131名の方にご参加いただきました。

1日目のスケジュール

各地の講演は Ustream で動画配信することで、他の会場やオンラインでも同時にライブ視聴できます。午後はチームに分かれて企画テーマを深掘りし、アプリやサービスの案としてスケッチブックにまとめていきました。


■ 2日目(ハッカソン)

翌2日目(日曜日)は、前日に企画したプロジェクトを、実際にチームごとに開発していく「ハッカソン」です。5会場で、計87名の方にご参加いただきました。

2日目のスケジュール

午前10時からチームごとに開発作業をスタートして、その日のうちに(夕方17時までに)モックアップからデモ動作が可能なプロトタイプとして、さらに開発が進めば一般公開可能なレベルのアプリ・サービスとして仕上げていきます。

17時からは、会場ごとに各チームの開発状況の発表を行いました。そして最後にもう一度、各会場を Ustream 中継で接続して、各会場で選抜された代表チームの成果発表を共有しました。

photo

■ 仙台会場

宮城県では、仙台市の日本マイクロソフト株式会社東北支店が会場となりました。
Hack For Japan スタッフの西脇からのレポートに加えて、仙台市のトライポッドワークス株式会社の佐々木賢一さんから講演頂きました。

ハッカソンでは、被災地の姿を見てもらうことで震災の風化防止を目的とした『復興時計』を始め、5チームが開発を行いました。

photo

仙台会場について詳しくはこちら
* 第2回アイディアソン、ハッカソン 仙台会場からのレポート
* Google/Microsoft/YahooなどあらゆるIT開発者の力を復興支援に Hack For Japan 5/21~22
* Hack For Japan 仙台会場で生まれた、もう一つのプロジェクト

■ 会津若松会場

福島県では、会津若松市の会津大学産学イノベーションセンターが会場となりました。
会津若松市災害対策本部の目黒純さんと、株式会社明天の貝沼航さんから講演頂きました。

ハッカソンでは、ガイガーカウンターで計測した放射線の値を Android 経由で管理するためのインターフェースを提供する『Geiger API』を始め、7チームが開発を行いました。

photo

会津若松会場について詳しくはこちら
* 第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その1~ラジオとの連動)
* 第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その2~アイデアソン)
* 第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その3~ハッカソン)

■ 東京会場

東京では、銀座の株式会社リクルート メディアテクノロジーラボが会場となりました。
助け合いジャパンの藤代裕之さん、ニッポン放送の吉田尚記さん、sinsai.info の上野和風さんから講演頂きました。

ハッカソンでは、ボランティア・復興支援活動などで評価されるサービスに「イイネ」することで信頼性を付与するサービス『復興イイネ』を始め、6チームが開発を行いました。

photo

東京会場について詳しくはこちら
* 第2回アイデアソン東京会場からのレポート
* 第二回 Hack For Japanについて

■ 高松会場

香川県では、高松市の e-とぴあ・かがわ が会場となりました。前回3月のハッカソンに続き、今回も 四国 GTUG の皆さん によって企画・運営いただきました。

ガイガーカウンターとAndroid連携、音声テキスト読上げのWebサービス、sahanaによる被災地マッチングサイト構築の3チームが開発を行いました。

高松会場について詳しくはこちら
* 第2回 Hack for Japan 高松会場

■ 福岡会場

福岡県では、福岡市の九州工業大学ネットワークデザイン研究センターが会場となりました。

ハッカソンでは、前回3月からスタートしたプロジェクト donatter(ドネッター)の開発を行いました。人々が募金や献血などの寄付(donate)をマップ可視化、育成ゲーム化するwebサービスです。

福岡会場について詳しくはこちら
* Hack for Japan 福岡会場(5/21)に参加しました

■ さいごに

ご参加いただいた皆さん、2日間お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。

Hack For Japan のハッカソン・アイデアソンは、議論の中からアイデアや仲間を得て新しいプロジェクトをスタート(または継続強化)するための場・キッカケとして活用していただきたいですし、また、皆さんのプロジェクトが今後も継続的に発展していくように、Hack For Japan としても引き続き応援していきます。

最後に、各地で講演いただいたスピーカーの方、会場提供いただいた企業・大学の方、告知やプレゼント提供等でご協力いただいたメディアの方、皆さんご協力本当にありがとうございました。

Hack for Japan スタッフ 川崎有亮

第2回アイデアソン・ハッカソン 会津若松のレポート(その1~ラジオとの連動)

こんにちは。Hack For Japanスタッフの石野です。

先の週末にHack For Japanのアイデアソン・ハッカソンというオフラインイベントが全国で開催されました。
私は福島県会津若松会場でのイベント運営をお手伝いしてきましたので、ここで報告させていただきます。

私はこれまでにも、会津にオートバイで行っています。ここは雄大な山々に囲まれ、美しい水もあり、いつ行っても気持ちのよい風景が迎えてくれます。会津地方の中心地である若松は会津藩の城下町として盛えた歴史のある街でもあり、以前から訪れてみたいと思っていましたが、いつも山中にテントを張っていたため、会津若松市内を訪れるのはこれが初めてでした。

磐梯吾妻スカイライン

磐梯吾妻スカイライン

また、私はHack For Japanに参加している開発者として、放射線情報に関する携帯アプリプロジェクトを展開しています。このために現地に近い方々の声を聴いてみたいということもあり、今回の会津訪問は待望していたものでした。

5月20日金曜日の夕方、私は横浜の自宅をクルマで出発しました。

今回のイベントでは「オールナイトニッポンGOLD app10.jp」というラジオ番組との連動企画があり、この夜19時からの打ち合わせでどのように番組を組み立てるかを話し合うことになっていました。app10.jpは「スマートフォンで人と人とがつながることで、幸せが生まれる。アプリは、人を幸せにする。」というテーマで一月ほど前から始まっていた番組です。ニッポン放送さんも積極的に震災支援に取り組まれていて、義援金、家庭に眠るラジオ・乾電池を集めて被災地に送るというような活動をラジオのリスナーと共に実行されていました。またラジオは災害に強く、地域に密着した情報伝達の手段、娯楽として見直されているそうです。

ニッポン放送 東日本大震災 災害関連情報

今回はHack For Japanの及川さんと一緒に、会津若松に前日入りすることになっていました。六本木で及川さんと合流し、有楽町にあるニッポン放送に向かいました。ラジオを1242MHzに合わせると、プロ野球のナイター中継が聞こえてきました。「試合が延長になったら、番組の開始が遅れるんじゃないか」ということを気にしながら、ニッポン放送に到着しました。東京から会津若松まではクルマで4時間ほどかかります。番組の放送時間は22時から23時半までで、放送が終了してから出発すると、ほとんど眠らずに翌日のイベントに臨まなければならなくなります。ニッポン放送の方との話し合いの結果、番組の冒頭にスタジオでHack For Japanの活動、イベントの内容を紹介してから出発し、道中で及川さんが携帯電話から出演するという次第になりました。野球の延長の件を聞いてみたのですが、番組を放送している提携局には野球中継をしていない局もあるので、放送は定刻から始めるということでした。その場合は、ニッポン放送は野球を中継し、他局やインターネットではオールナイトニッポンが放送されるという、少しおかしなことになるそうです。

及川

今夜のゲスト

及川さんはかつてオールナイトニッポンの大ファンだったそうで、スタジオでは興奮していました。
いったん有楽町に出て食事を済ませてからスタジオに入ると、本番の放送が始まりました。

吉田アナウンサーとの対話によってHack For Japanの活動と週末のイベントの概要を紹介し、みんなが元気になるようなアイデアを全国のリスナーから応募してもらうことをお願いしてスタジオを後にしました。このとき、及川さんのリクエストでPerfumeの『レーザービーム』が流されていました。

ニッポン放送スタジオ

ニッポン放送スタジオ

ラジオを聴きながら首都高を抜けて東北道に入り、蓮田に差し掛かったころに吉田アナウンサーと電話が繋がりました。

吉田アナ)「どんな人でも笑顔になれるアプリを考えたときに、ダジャレ・アプリはどうだろう。日本中の人の力を結集してダジャレ・クラウドを作ろう。」

及川)「単体で動くものよりもクラウド(cloudではなくてcrowdの方)、人の力で何かするというのをやると非常によいと思う。こういった時って、人と人とが繋がる、作った人の姿が思い浮かぶことは大事だと思う。」

という風に話は盛り上がり、リスナーはダジャレをどしどし送ってくださいという流れになりました。それから全国のリスナーからダジャレが届けられるとともに、誰でも参加できる気軽さ、ネタの評価の仕組み、投稿のしくみなど、ソーシャルな要件も追加されてゆきました。そのころからクルマは栃木の山中に入り、ラジオと携帯の電波が届きにくくなりました。番組の終盤、二度目の電話の時には絶妙なタイミングで通話が切れてしまいましたが、明日からのイベントでのダジャレ・アプリ開発への期待を膨らませつつ、app10.jpの放送は終了しました。ニッポン放送のみなさん、吉田アナウンサー、ありがとうございました。


<a href="http://www.ustream.tv/recorded/14831855" class="broken_link" rel="nofollow">Ustream動画</a>

この放送ではリスナーから、ダジャレの他にもいくつもアイデアが寄せられていました。

アプリ動物園、しりとりアプリ、元気が出る川柳アプリ、なぞなぞアプリ、明るいニュースまとめアプリ、落語アプリ、変顔アプリ……

及川さんと運転を代わりながら深夜の高速を飛ばし、2時過ぎに会津若松の宿に着きました。
この宿にはラジウム泉大浴場があるのですが既に終わっていました。私たちは乾杯もせずに明日の準備をして、程無く床に就きました。

つづく

第2回アイデアソン東京会場からのレポート

先週に実施された Hack for Japan 第2回アイデアソン東京会場の様子をお伝えいたします。

今回のアイデアソンは仙台、会津若松、東京、高松、福岡とロンドンなど、各会場をネットでつないで、会場を超えて被災地の声や状況を共有し、参加者が考えるプロジェクトのアイデアに活かそうというチャレンジングな試みでした。また、前日にラジオ番組にてプレイベントとしてラジオアイデアソンが実施され、こちらも好評に終わりました。

ラジオの力
東日本大震災では津波に寄る被害で多くの通信手段が断たれ、その中で情報を伝える手段としてラジオの力がおおいに見直されました。第2回アイデアソン/ハッカソンでは、ニッポン放送「オールナイトニッポンGOLD app10.jpさんのご協力を得て、今回のアイデアソンのプレイベントとして番組内でリスナーの方に「被災地の人達を笑顔にする(心の救援物資)アプリ」をテーマにアイデアソンをしていただきました。事前のニッポン放送さんとのミーティングにて、リスナーの方達の特性としてパーソナリティーの声を真剣に受け止め実際に活動を起こす人が多いという話がありました。たとえば募金や古いラジオを被災地に送るという企画がラジオで放送された後すぐに、リスナーの方がニッポン放送のオフィスに義援金やラジオなどを直接持って訪れ、東北大震災以降はほぼ毎日リスナーの方がそういった活動をするためにニッポン放送さんを訪れるのだそうです。こういった姿勢はラジオがリスナーに対して語りかけて届くという特性によるものかもしれません。

そして、リスナーの方から集まったアイデアをパーソナリティーの吉田さんがアイデアソン東京会場にお持ちいただき、その場でそのアイデアを採用するチームが手を上げてくれました。

ITボランティアの活動の声、被災地の声
今回、東京会場では実際にITの力をボランティア活かす活動をしている助けあいジャパン藤代さんのお話とsinsai.infoのAPIの紹介を上野さんに、仙台会場からはHack for Japanスタッフの西脇さんによる被災地のIT活用状況の報告とトライポッドワークスの佐々木さんによる被災地報告、会津若松からは災害対策本部の目黒さんによる会津若松市の状況、元気玉プロジェクトの貝沼さんからは活動の紹介とそこから見えた避難者の課題をそれぞれご紹介いただきました。被災地からの声に関しては各会場からの報告に任せるとして、東京会場での様子と反応のあった被災地の状況をこの場でご報告させていただきます。

まず、助けあいジャパン藤代さんからの現地のボランティアの状況をお話いただきました。現地では3/11の地震以降、余震や阪神大震災時の受け入れ態勢の不備の経験からくる懸念などから、ボランティアの自粛が世の中の支配的な意見でした。その影響で現地では地震に加え津波により阪神大震災の時よりも遥かに大きい被害であるにも関わらず、ボランティアの数が阪神大震災の時の1/6程度しか集まっていないという厳しい状況がシェアされました。現在、助けあいジャパンはボランティア情報のデータ化とデータを利用したマッチングサービスや本当に被災地で求められているサービスの推進に励んでいて、今回もボランティアAPIをご紹介いただきました。

もうひとつ被災地からの声として、Hack for Japanスタップ西脇さんからの現地報告でも回復が進む電気や水道などの生活インフラに対して、IT(光回線など)のインフラの回復が進まない現状がシェアされました。これは我々インターネット業界で働く人間にとって、大きな課題かもしれません。世の中の不可欠なインフラとして認識を世間で得られるようにHack for Japanも開発者の皆さんを支援していくように努力いたします

アイデアソンの成果
東京会場では各地のスピーカーの方達の報告やニッポン放送さんのアイデアをもとにチームに分かれてアイデアをブラッシュアップして、それぞれ形にしていただきました。

(1) 情報再利用推進
再利用を意識したデータ入稿の仕組み・Hack For Japan他の支援活動の整理
http://bit.ly/kzxWp2

(2) 元気ッズ
子供のための情報のマッピング
#hack4jp 東京会場 (2)『元気ッズ』チーム:大きな子供達

(3) IT広報/後方支援
Hack for Japanなどで開発された成果物を広く世の中に広めるための広報後方支援
#hack4jp 東京会場 (4)『IT広報/後方支援』チーム:裏方黒子さん
(4) このまちだいすき
地元愛、地域コミュニティの活性を震災復興と紐つけたサービス
#hack4jp 東京会場 (3)『このまちだいすき』
(5) Ninjapan 1.2.3
地震直後にとるノウハウなどの情報を共有するサービス
#hack4jp 東京会場 (6)『Ninjapan 1・2・3』チーム:TeamRock
(6) ダジャレクラウド
ダジャレをオンラインで募集してシェアする笑顔を作るサービス(ニッポン放送さんから)
#hack4jp 東京会場 (5)『ダジャレクラウド』チーム:ハガキ職人志望
(7) 復興イイネ
ボランティア、復興支援活動などで評価されるサービスに「イイネ」することで信頼性を付与するサービス
#hack4jp 東京会場 (7)『復興イイネ』1-4

皆さんのアイデアをもとにハッカソンが開催されました。被災地にサービスが届くようHack for Japanも支援していこうと思います。

Hack for Japan スタッフ 鎌田篤慎